NEST OF BLUESMANIA

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音曲日誌「一日一曲」#14 アイク&ティナ・ターナー「Reconsider Baby」(Outta Season/Blue Thumb)

2023-04-15 05:33:00 | Weblog
2007年9月30日(日)

#14 アイク&ティナ・ターナー「Reconsider Baby」(Outta Season/Blue Thumb)






アイク&ティナ・ターナー、最盛期のレコーディングよりこの一曲を。ご存じ、ローウェル・フルスンの代表的ナンバー。

この曲がリリースされた69年、アイク&ティナはなんと8枚ものアルバムを発表している。そのセクシーで過激なライブ・パフォーマンスが話題となり、一気にメジャー・ブレイクしたのである。

日本でも71年発表のアルバム「Workin' Together」あたりが引き金となり、人気が急上昇、「アメリカの唄子・啓助(笑)」などと呼ばれるようになる。(実際、女性ふたりの口の大きさは、タメを張ってた。)ティナのセクシーキャラの影響力は大きく、欧陽菲菲、シナロケのシーナをはじめ、それこそ倖田來未あたりにまでその路線は引き継がれているように思う。

でも彼ら、ライブでは相当エロかったのに対し、スタジオ録音のほうは割とあっさりしていた。この曲もそうだな。

フルスンのオリジナルでは、男性が女性にすがっているわけだが、アイク&ティナ版では、女性であるティナが別れた男性に「考え直して」と迫っている。でも、あまり深刻さは感じられない。

実生活ではアイクのDVなどが原因で76年に離婚。以降、ソロとなったティナのほうが、元夫のアイクの何倍もメジャーに活躍している。まるきりオトコにすがる必要などない、見事な女丈夫ぶりである。

やはり、ピンチのときに本当に強いのはオンナのほう。離婚をむしろバネにして、よりビッグに成長していったティナはスゴい。

アイクはその恵まれた音楽的才能の割には、その後ずっと伸び悩み、今もあまりいい状態とはいえない。何年か前のブルカニの出演キャンセルに象徴されるような、ジリ貧状態のままである。元女房に、運気を全部吸い取られてしまったのだろうか。

やっぱ、この曲は情けないアイクが歌ってこそ、サマになるのかもね(笑)。パワフルなティナには、似合わないのでありました。

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