町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

異彩を放つ東急5050系4000番台"Shibuya Hikarie号"

2021年05月18日 | 東京急行電鉄

渋谷駅周辺は2005年より特定都市再生緊急整備地域に指定され、100年に一度とも言われる大規模な再開発工事が進行しています。それら巨大プロジェクトの先陣を切る形で2012426日、旧東急文化会館跡地に地上34階・地下4階の高層複合施設「渋谷ヒカリエ」が開業しました。東急東横線・田園都市線、東京メトロ副都心線・半蔵門線とは地下3階で直結しており、低層部には東急百貨店が運営する「ShinQs(シンクス)」を始めとするレストラン・商業施設が、中層部はミュージカルや音楽劇を中心に上演する東急シアターオーブ、各種イベントなどで活用されるヒカリエホール、17階以上のフロアはオフィスとして企業各社が本社を置いており、新たな渋谷の文化・情報の発信拠点として機能しています。

2013316日には副都心線と東急東横線の直通運転が開始されますが、開業1周年となる同年426日からは主力の50504000番台の第10編成(4110F)が特別仕様の「Shibuya Hikarie号」として運用を開始しました。車種構成は他の編成と変わりませんが、車体幅を田園都市線・目黒線の限界に合わせて2820ミリから2800ミリとし、東横線以外での営業運転も可能にしている事が最大の特徴です。

ブラックマスクにゴールド系のインパクトがあるカラーリングが特徴ですが、これは渋谷ヒカリエ全体をイメージしており、側面には渋谷を代表するビル群のイラストが入るなど、一際目立つ姿で異彩を放っています。正面のヘッドマークは一時期取り外されていた事がありましたが、現在は再び常時設置されるようになりました。

東武東上線内を走行する4110F。副都心線を介して西武池袋線飯能から東武東上線小川町まで乗り入れますが、突発的な代走で定期運用がない有楽町線での営業運転を行った実績もあります。

車内設備は「アクティブ」「シック」「クリア」をキーワードに、3種類のデザインが設定され、多彩な施設で構成される渋谷ヒカリエと多種多様な魅力が集う渋谷の街を表現した他、ハイバックで座面の厚みを増したロングシートで居住性を向上させました。また、10両編成の手すりの1箇所にのみハートの刻印がされており、エンタメ性も持たせているのが特徴です。写真は「クリア(13810号車)」で、渋谷ヒカリエ外観とオフィスゾーンをイメージしグレー系の座席と紺・白を交互に配置した円形吊り手で透明感を表現しています。この背もたれを高くした座席は2020系グループにも引き継がれました。

「アクティブ(2469号車)」車内。渋谷のアクティブなイメージとショッピングエリアの賑わい、活発さを表現。吊り手は萌黄色・茶色・黒・灰色・緑・紺・白・赤と非常にカラフルでポップな印象になっています。

「シック(57号車)」車内。東急シアターオーブの重厚な内装や未知なる宇宙をモチーフにしており、格調高さと落ち着きを表現しています。

他編成同様に副都心線を介して西武池袋線・東武東上線にも直通し、今後も渋谷文化の広告塔として活躍するであろうShibuya Hikarie号ですが、来る2023年の東急新横浜線開通に伴う相模鉄道への進出や今後2025年程度は主力車両として運用される事を考えると将来的にはデザインの大幅な一新なども想定され、色々楽しみな存在です。現在佳境に入りつつある渋谷駅周辺の開発と共に、今後に注目して行きたいですね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする