将来の神奈川東部方面線(相鉄・東急新横浜線)を介した東急線方面への直通運転と在来の7000系グループの置き換えを目的に2016年度に概要が発表され、翌年2017年に登場した相鉄20000系は、量産先行車的な位置付けの1編成がまず登場し相鉄線内での運用を開始しました。この編成は相鉄デザインブランドアッププロジェクトに基づく初の完全新造編成で、日立製作所の標準車体であるA-train規格に準じながらも、正面に運用中は交換の必要が無いLED灯火類やアートディレクターの水野学氏が幼少期に見ていた寝台特急の機関車のグリルをモチーフに現代的アレンジを施したしたデザインを採用し斬新な外観が話題を呼びました。その後にJR線直通対応の12000系が登場すると、同系の仕様を一部に反映させた20102Fより本格的な増備を開始しており、現在は全編成が東急東横線〜東京メトロ副都心線直通運用に用いられています。
量産型第一陣の20102Fによる急行和光市行き。東横線直通列車は10両編成で、一部に相鉄線海老名発着が設定されますが基本的な運用は湘南台発着で乗り入れ北端は和光市までとなっており、副都心線へは相鉄車両の片乗り入れとされ東京メトロの10000・17000系が相鉄線方面に乗り入れを行うことはありません。また、東武鉄道から相鉄線方面への運用は全て東急車両の受け持ちです。
直通運転を控えて東急目黒線〜東京メトロ南北線・都営三田線方面に直通するための8両編成の21000系も登場していますが、こちらは外観は同じでも運転に関する機器や編成両数の都合から、東横線で各停などの8両編成運用で営業運転を行うことは不可能となっている差異があります。
車内設備で印象を変えたのはドアの上に設置されている液晶画面が、20101Fでは路線案内用をドア上、動画広告用を天井部に枕木方向の設置とする特徴的なものでしたが、20102Fから通常通りドア上2画面設置に改められ、筐体も黒から白色に改められています。フリースペースの位置もやはり見直され変更になるなど相違点がなかなか多いです。
東横線内での案内で東急仕様の路線図を表示する案内用画面。今は和光市までの運用に留められていますが、新横浜直通ということで乗り換え無しで新幹線駅に到達できることに好感触だった東武鉄道への乗り入れが実現する日が来るのか、色々期待してしまいますね。