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まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 : 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その33

2014-04-07 21:20:13 | 「乱櫻鬼譚~」 2014桜
ども、お今晩は~。

クライマックスシーン以降をこつこつ書いてます。

ガンガン進められるかと思ったのですが、書いてみると意外に・・・
あれやらこれやらエピソードが出てきて、おおっと、という感じです。

まあ、何とかなるでしょう。

では、続きでーす。


2014年3月21日~ブログ直接投稿 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その33

  何もしないよ とナヲキさんは言った
  おおでは・・・ と桜の花は歓喜した
  我々を 救ってくれるのだな
  この呪われた地で 生きる希望を
  恵みを愛を 我らに与えてくれるのだな

<つづき>

違うよ とナヲキさんは言った
ナヲキさんは 木に手を触れた
木の裡に はち切れそうな熱気が
怒りや怯えや焦りとなって
行き場を失い 渦巻いていた

では・・・何をしに来たのだ
一瞬 木の裡の燃える気が
ぎゅっと固まり 鋭いとげに
なったように 感じた
ただ・・・ とナヲキさんは答えた

ただ 生きていくだけだ
アンタたちと この世界で
ナヲキさんは心を込めて 木に言った
どこにも行かないでいい
一緒に 生きていこう

花盛りの桜の木は 怒りの声をあげて
ぎちぎちと 枝を鳴らした
そんな戯言 足しにもならない
俺たちは 飢えてるんだ
何もないなら お前を喰わせろ

緋い月が 冥い光を放った
黒雲は 薄れて姿を消していた
枝はざわりと ナヲキさんを捕えた
幹は黒い闇と化し 深い業火に
ナヲキさんを 吸いこもうとした

ナヲキさんは 抗わなかった
引かれるまま 桜の裡へ・・裡へ
世界の裡へと 入っていった
皆が これを世界と言うのなら
これが 俺の生きる世界だ

<つづく>

人気ブログランキング ※本作品の内容・名称は全て個人の創作・フィクションであり、 実在の個人・法人・企業等とは、全く一切関係ありません。

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新作 : 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その32

2014-04-06 21:36:19 | 「乱櫻鬼譚~」 2014桜
まあ、エンドマークつけるまで安心はできませんが。

一応まともなものをお出しできそうで、ほっとしてます。

是非、お楽しみに♪

では、続きでーす。


2014年3月21日~ブログ直接投稿 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その32

  どこへ行く 雲が空から言った
  ナヲキさんは 答えず歩いていった
  雪が積もった公園に来た
  緋い月が 雲と一緒に追いかけてきた
  あの桜が 雪を跳ねのけ立っていた

<つづき>

緋い月光が 桜を照らした
増した熱気が吹きつけ 皮膚が痛い
恨みや怒りや恐怖の叫びが
返せと 世界にわめいていた
俺たちのいのちを 返してくれ

踏みつけにされた ただ使われた
あいつの 社会のいのちのために
ああああ・・・ 花たちは月に叫んでいた
俺たちを道具扱いする こんなとこから
抜け出して 俺が私が今度は奴らを

ナヲキさんは 桜を真っ直ぐ見つめた
手にした花びらを 胸に当て
少しの間 目を閉じる
甘い香り 暖かな優しい香り
だけど

ナヲキさんは 白い梅の花びらを
そぉっと 積る雪の上においた
それから
いま 行くよ
桜に向かって 歩き出した

月に向かって 叫んでいた桜の花たちは
近づくナヲキさんに おののいた
何をする気だ と花々はわめいた
俺たちを支配する気か 殺す気か
俺たちのいのちを 取り上げるのか

何もしないよ とナヲキさんは言った
おおでは・・・ と桜の花は歓喜した
我々を 救ってくれるのだな
この呪われた地で 生きる希望を
恵みを愛を 我らに与えてくれるのだな

<つづく>

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新作 : 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その31

2014-04-06 21:23:51 | 「乱櫻鬼譚~」 2014桜
ども、週末でしたねぇ、いかが過ごされましたか。

東京では桜鑑賞のラストチャンスと言うべき週末でしたが、
今日は一日、あいにくの曇り空でした。

なのに、明日からの予報は晴れ。曇り時々晴れ。晴れ時々曇り。

・・・ちょっと天気よ、空気読め。

まあそれはともかく、やっとこの詩のクライマックスシーンを書き終わりました!

後はエンディングに向けて進めていくだけです。

最後まで行くから、待っててね♪

では、続きでーす。


2014年3月21日~ブログ直接投稿 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その31

  だけどさ とナヲキさんは目を開けた
  月光を背負った竜雲は やはり美しかった
  なんでかな俺 アンタが何だか判るよ
  ナヲキさんは はかなく笑った
  アンタは 俺がすがってた“夢”なんだ

<つづき>

ナヲキさんは 黒雲を遠く見はるかした
アンタを手に入れれば 
とナヲキさんは 言った
アンタみたいのを 手に入れれば
きっと幸せになれるって 思ってた

ナヲキさんは 足元を見た
雪に混じって 白い梅の花が散っていた
誰よりも強くて 誰からも尊重されて
誰も俺を馬鹿にしない
誰も俺の人生を支配しない

誰にも・・・親父にも
ナヲキさんは 小さく付け加えた
我と来れば そうなるのだぞ
竜雲の声は 身体の奥で小さく響いた
ナヲキさんは 頭を振った

もういいよ とナヲキさんは
裡につぶやくように 胸に手をやった
少しのためらい 胸の奥の小さな痛み
まだ言いきるには 勇気が要る
でも・・・ ナヲキさんは拳を握った

俺・・・もう行くよ
ナヲキさんは しゃがんで
散らばった冷たい花びらを 拾った
なぜか 放って行く気がしなかった
積った雪を踏んで 歩き出す

どこへ行く 雲が空から言った
ナヲキさんは 答えず歩いていった
雪が積もった公園に来た
緋い月が 雲と一緒に追いかけてきた
あの桜が 雪を跳ねのけ立っていた

<つづく>

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新作 : 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その30

2014-04-05 21:29:00 | 「乱櫻鬼譚~」 2014桜
ども、週末ですね、お今晩は。

桜、楽しんでますか?

明日は少し寒くなるらしいので、お出かけの方は、
どうぞお気をつけて、桜をご鑑賞下さい。

当店の桜はお家でご鑑賞頂けますので、ゆっくりと・・・


では、続きでーす。


2014年3月21日~ブログ直接投稿 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その30

  さすれば と声は一転して囁いた
  その声は 柔らかく甘く
  分かっていると 言っていた
  自分だけはお前の味方だという甘い声
  汝は永遠に 父親の影から脱するのだ・・・

<つづき>

その言葉は ナヲキさんの
身の裡に じんと響いた
そう それが欲しかったもの
究極の願い 金や名声などじゃなく・・・
俺は とナヲキさんは口を開いた

アンタの助けは 借りない
一瞬のためらいの後 きっぱりと言った
ナヲキさんは 夜空を占める
雄大な黒雲を 見上げた
それじゃダメなんだ また同じだろ

ナヲキさんは足を踏ん張り 雲を見た
雲は緋い月光を背負って 美しかった
俺は親父が嫌いだよ とはっきり言った
今だって思い出すと 死ねって思う
もう死んでるのにな・・・

ナヲキさんは うつむいた
胸の痛みを抑えて また雲を見た
これがアンタの言う 父親の影か?
アンタがこれを 殺してくれるのか
でも と服の胸元を握って言った

そしたら アンタが俺を支配するだろ
俺はアンタの言うまま また右往左往して
ナヲキさんは ぎゅっと目をつぶった
俺が俺である時なんて どこにもない
だったら俺はそんな人生 要らない

だけどさ とナヲキさんは目を開けた
月光を背負った竜雲は やはり美しかった
なんでかな俺 アンタが何だか判るよ
ナヲキさんは はかなく笑った
アンタは 俺がすがってた“夢”なんだ

<つづく>

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新作 : 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その29

2014-04-04 21:28:01 | 「乱櫻鬼譚~」 2014桜
ども、お今晩は。

今日は4月4日、4合わせ、しあわせの日でございます。

というわけで、こんなものを用意してみました。

 Yahoo映像 「北海道で咲く桜がロマンチック


おりしも今日は週末ですし、しあわせになっちゃって下さい。


では、続きでーす。


2014年3月21日~ブログ直接投稿 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その29

  ナヲキさんは 息を呑んで胸を押えた
  それは 言ってはいけないことだった
  思ってはいけないことだった
  だけど ずっと思ってた
  何故 俺はまだここで生きている

<つづき>

何もかもが 父親のものだった
生きる意味も 技術を得る手段も
店までも 与えられた
楽な人生だねと 人は言う
いいお父さんだね 感謝しなきゃと

だけど だけど
何もかもが 父親のものだった
怒鳴られ殴られ必死に応じて
やっと 生きることを許されて
逃げたくても 他にできることもなく

時折 店に来る客たちを見て思った
普通の人生だったら もっと違った
こんな自分じゃなくて もっと
ナヲキさんは はっと我に返った
竜雲は 空でにやりとしたようだった

父親に 創られた自分を
壊したくはないか? と竜雲は言った
結局 父親に与えられたもので
生きてる自分を 脱したくはないか
我が その望みを叶えてやろう

竜雲は 濁った緋い月を背に
燃えるようだった
我を受け入れよ と声は闇に轟いた
父親など比べ物にならぬ 高みに
汝を 連れていこう

さすれば と声は一転して囁いた
その声は 柔らかく甘く
分かっていると 言っていた
自分だけはお前の味方だという甘い声
汝は永遠に 父親の影から脱するのだ・・・

<つづく>

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