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まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 : 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その38

2014-04-09 22:08:11 | 「乱櫻鬼譚~」 2014桜
さてさて、後ホントにエンディング書くだけだ、と思ってたのですが、
やってみたら、意外な障害が潜んでいました・・・。

とりあえず、頑張ります。

では、続きでーす。


2014年3月21日~ブログ直接投稿 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その38

  “それ”は ワクワクしていた
  ドキドキしていた
  石の世界に 制約されるのかもしれない
  自分は一つでは なくなるのだろう
  それでも それでも

<つづき>

増えていくのだ 満ちていくのだ
石の世界の 無数の鏡に遭って
分裂し 時に歪みながら
確かめていく 一である豊かさを
“それ”は 開いた門から滑り出た

焼け焦げ 炭となり果てた木が
ざわりと 揺らいだ
豊かなもの 美しいもの
瑞々しいものが 流れ込んでくる
根源の豊かさ・・・

目の前に ナヲキが居た
日と土の間に立つヒト
天からの力 地からの力
双方を真っ直ぐつないで立つ木
直木 直気 直生 直己

歌いたい と焦げた木は思った
この喜びを 世に寿ぐのだ
目の前に立つヒトは
嬉しそうに 笑った
いいよ と笑みがそう言った

ナヲ木はまた 在を喚んだ
いや 彼自身が在だった
夜空にその喚び声は のぼっていった
大地にその響きは しみわたった
遠くから かすかな音が聴こえた

焦げた木は 歌いたかった
この夜空に大地に 溶け込みたかった
けれど 枝は燃え根は傷み
どんな力も 出せそうになかった
ナヲ木が 木に手を触れた

<つづく>

人気ブログランキング ※本作品の内容・名称は全て個人の創作・フィクションであり、 実在の個人・法人・企業等とは、全く一切関係ありません。
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新作 : 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その37

2014-04-09 21:56:52 | 「乱櫻鬼譚~」 2014桜
どんどん春らしくなってきてますね。
この季節を楽しまれてますか。

まかろんは、この茶菓子(詩)がなかなか仕上がらないものですから、
桜が咲き始めてから、何度も近所の桜を見に行ったりしてます。

あまり自慢できる話ではないですが、でも、
もし予定通り桜が咲く前に仕上げられてたら、こんなに気合いを入れて、
今目の前で咲いてる桜を感じ取ろうとはしなかったでしょう。

あー咲いてるなー、と思いながら次の作品のことを考えていたと思います。

実はまだ仕上がってないのですが、いろいろ勉強になった作品です。

もちろん作ってる側の自己満足で終わってはいけないわけで、
何を学びとろうと、最後は読んでくれる方が、あー面白いな、と素直に思うものに
結実させるのが本筋ですけどねっ。

さてこの茶菓子はどうなんでしょう。

では、続きでーす。


2014年3月21日~ブログ直接投稿 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その37

  ナヲキさんは 叫びたかった
  怒りや焦りや恨みなどではなく
  ただただ・・・
  そう それでいいのです
  と蛇は そっと言った

<つづき>

今の貴方が 源の力で
あふれそうなのが 分かりますよ
蛇は優しく でもしっかりと言った
その力に 委ねて下さい
その力が すべきことを知っています

ナヲキさんは うなずいた
何を言われたのか 良く分かった
でも任せてくれたのが 嬉しかった
初めてお使いを頼まれた 子供のように
ワクワクとして 蛇を見上げた

白けた月が 木にかかった
枝の雫は 滴るのを止めた
蛇は光を背に 黒い影となった
さあ と黒い影は言った
喚んで下さい

ナヲキさんは 焦げた幹に手をつけた
無の力が喚んでいた こちらとあちらで
ーーーーーーーーーっ
存在全てが 叫んだ
音なき音で “在”を喚んだ

ナヲキさんの裡で 何かが開いた
それは制御できない 混沌
天地の別ない彼方 生々しい躍動
それが今 物質世界の刻に触れ
形を取ろうと 動き出した

“それ”は ワクワクしていた
ドキドキしていた
石の世界に 制約されるのかもしれない
自分は一つでは なくなるのだろう
それでも それでも

<つづく>

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新作 : 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その36

2014-04-08 21:41:39 | 「乱櫻鬼譚~」 2014桜
まかろん、今日少し回り道して、家の近所の桜並木の所で
落ちてる桜の花を拾って帰りました。

水を張った器に入れておくと、しばらくもつんですって。

やってみたら、びっくりしました。

この時期部屋に、かなり良くできた桜の造花を飾っているのですが、
どんなに良くできた造花も、本物の花の存在感はそれ以上でした。

本物の花、と言っても、たかが切り離された、数十分でしおれるはずの
あの道端におちてる桜の花ですよ?

それでも、適当な器の水に浮かせると、その、
辺りを払うような瑞々しさ、生々しさと言ったら、
まかろんが普段目にする、人工物に満ちた世界全てを凌駕するかのようでした。

生きている、ということは、これほどエネルギーが違うのだな、と思いました。

人間も本当は生きているんですけどね。

では、続きでーす。


2014年3月21日~ブログ直接投稿 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その36

  積っていた雪は 消えていた
  花も葉もない 焦げた枝から
  また一滴 水が滴った
  ナヲキさんは ぶるっと身震いをした
  夜気はまだ 薄着には寒かった

<つづき>

お疲れさまでした と声がした
木の枝に 大きな大きな白蛇が
ぐるりと木を囲んで 絡んでた
少し欠けた月が 枯れたような
白い光を 投げかけていた

なんとか 間に合いましたね
蛇は 木の上から呼びかけた
ナヲキさんは 黙って見返した
何か大事なものが 身体の裡で
はち切れそうで 口を開く気になれなかった

蛇は 訳知り顔でうなずいた
分かってますよ もうじきです
もうすぐ0時 春分の陰陽門が開きます
そうしたら貴方は・・・ と蛇は言った
桜を 喚んで下さい

ソレハ イケナイハズジャ?
ナヲキさんの目に 問いが浮かんだ
蛇は瞼のない目を 和ませた
今の貴方なら大丈夫 というより
今こそ やって頂きたいのです

蛇は木の上から 寄るよう促した
さあこちらへ 木のそばへ
ナヲキさんは 素直に従った
どのみち 他にしたいことなど
裡の圧力で 考えられなかった

ナヲキさんは 叫びたかった
怒りや焦りや恨みなどではなく
ただただ・・・
そう それでいいのです
と蛇は そっと言った

<つづく>

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新作 : 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その35

2014-04-08 21:18:16 | 「乱櫻鬼譚~」 2014桜
ども、お今晩は~。

今日は暖かかったですねぇ。
日が落ちるのも段々遅くなっています。

春です。

爛漫です。

週間予報を見ますと、少し気温が下がる日もまだまだありますので、
不用意に身体を冷やさないよう、お気をつけ下さい。

では、続きでーす。


2014年3月21日~ブログ直接投稿 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その35

いや それはただ“それ”だった
“世界”という思考は すぐさま
“いのち”と 翻訳され
“いのち”と思った瞬間 それは
“愛”や“力”や他の意味となった

<つづき>

全ての意味が 満ちあふれ
溶け合い 一つの意味を発してた
それはただ “それ” だった
生々しくも 清らかで
限りない力強さと 静けさがあった

大きな大きな“それ”に
ナヲキさんは 吸い込まれていった
何もなかった 夢も希望も求める苦しみも
全ては ここに“在る”のだから
いまここに全て 在るのだから

爆発した 拡散した 広がった
どこまでも 伸びていく世界
とどめるものない 完全さ
森羅万象が 弾け出た
躍動する美 力 光 明朗

痛みがあった 喜びがあった
哀しみがあった 分かち合いがあった
意は震えて 事象を生じた
全ては美しく 在が輝いた
涙が一つ こぼれ出た

ぴちょんと 何かが滴った
ナヲキさんは 目を開けた
大きな黒焦げの木の前に
ナヲキさんは 立っていた
あの公園の 桜の木だった

積っていた雪は 消えていた
花も葉もない 焦げた枝から
また一滴 水が滴った
ナヲキさんは ぶるっと身震いをした
夜気はまだ 薄着には寒かった

<つづく>

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新作 : 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その34

2014-04-07 21:33:34 | 「乱櫻鬼譚~」 2014桜
そう言えば、さっき気分転換に同人誌をめくってたら、
10年前の自分が出てきて、という同人誌で時々ある設定の本でした。

10年前の自分・・・

まかろん、いつもその時々で最善を尽くしてきたつもりでしたが
(皆さまもそうだと思います)
10年前の自分には逢いたくないなぁ、と素直に思いました。

なんか、こいつ、めんどくさいし、考え方狭いし、
他人だったら付き合いたくないよ!

あの当時、関わってくれた人たちに感謝ですね。

皆さまの10年前はいかがでしたか。

そして、10年後の自分は、今の自分をどう思うのでしょうね。

では、続きでーす。


2014年3月21日~ブログ直接投稿 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その34

  ナヲキさんは 抗わなかった
  引かれるまま 桜の裡へ・・裡へ
  世界の裡へと 入っていった
  皆が これを世界と言うのなら
  これが 俺の生きる世界だ

<つづき>

深い憤りが嘆きが苦しみが
闇の中で 燃え盛っていた
ナヲキさんは 落ちていった
両手を広げて その中へ落ちていった
もう迷わない ずっと一緒だ・・・

業火が 高く高く燃え上がり
落ちるナヲキさんを 押し包んだ
負ケ犬メ喰ッテヤル と炎は言った
俺タチハ 諦メタリシナイ
コンナ世界カラ 抜ケ出シテヤル・・・

ナヲキさんは 炎の中を落ちていった
それは 温かな風のように思われた
何も 怖くなかった
憤りも嘆きも苦しみも
それが 俺の世界がくれるものなら

大きな大地が 広がっていた
ナヲキさんは ふんわり大地に着いた
大地は クッションのように
柔らかく ナヲキさんを受け止め
奥へ奥へと いざなっていった

奥に 大きな光が視えた
まばゆく 強く輝いていた
ああこれが世界だ とナヲキさんは思った
求め続けた いのち
赦し 喜び 力 愛

いや それはただ“それ”だった
“世界”という思考は すぐさま
“いのち”と 翻訳され
“いのち”と思った瞬間 それは
“愛”や“力”や他の意味となった

<つづく>

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