新作 ～ 「妖精の結婚式」 その７３

というわけで、続きでーす。


2014年6月10日～ブログ直接投稿　「妖精の結婚式」　その７３

　　はい・・　と雨呼ビは返した
　　そういうわけで　と石護リは言った
　　今はわしらも　呑まん方がええじゃろな
　　ビンの口から　中身をクンとかいだ
　　うむ　美味そうな匂いじゃ

＜つづき＞

あの・・　とさやかさんは言った
これ　普通は薄めて飲むのよ
ええ存じてますよ　と雨呼ビは応えた
ですが頂けるなら　今は呑まず
旦那方に　お出ししたいのです

はあ　とさやかさんはもやもや言った
ここの方のウメ酒は　いつも好評で
と雨呼ビが　家の方をちらっと見た
ウメが　とても良い物らしいです
僕らには　よく分かりませんが

ふーん　とさやかさんは持ってきた
梅酒の実を　ビンを傾け転がした
一応自家製だけど　それ以外とりえはない
じゃ　とりあえずフタするね
雨が入らないよう　そそくさと閉めた

これ　青花さまに見せてきて下さい
と雨呼ビが　言った
旦那方のお口に合うか
僕らでは　判断つきませんから
あ・・そうね　さやかさんは言った

青花さんは　どちらに？
とさやかさんは　聞いた
雨呼ビは　少し困った顔をした
それが・・　庭のどこかには
おいでなはずですが

どこかは　分からない？
さやかさんは　聞き返した
うなずくカエルを見て
まあ妖精はそんなものかなと
小ビンを片手に　立ちあがった


＜つづく＞



人気ブログランキング　←　妖精さんはどーこかな。


変更：2018年8月13日
と雨呼ビが　家の方向をちらっと見た　→　と雨呼ビが　家の方向をちらっと見た