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まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 : 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その49

2014-04-15 22:27:05 | 「乱櫻鬼譚~」 2014桜
今日は満月だそうですよ。

真冬の寒さはもうありませんので、ちょっとゆっくり見てみたいですね。

まかろんは今日も生きています。

貴方も、貴方の喜びを生きている、その事実を
この月の下でかみしめられますように。

では、続きでーす。


2014年3月21日~ブログ直接投稿 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その49

  だったら俺だって 頑張った!
  馬は いなないて言い募った
  一人で地ならしとカミ迎えした!
  なるほど と女の子は馬を見据えた
  私に 牝馬の姿になってねぎらえと

<つづき>

馬は ぎょっとして目を見開いた
いや・・何か怖いからいい・・・
賢明ですね と女の子は言った
でもよぉ 俺たちにだって少しくらい・・
馬はぶつぶつ つぶやいた

女の子は その声を無視して
すらりと 立ち上がり
では私はこれで とナヲキさんに告げた
櫻神さまを お待たせできませんので
ナヲキさんは うなずいた

女の子は白馬に近づき 背に乗った
ゆらっと 空気が揺らいで
女の子は 元の白蛇の姿になった
目が 鮮やかな若葉色になっていた
蛇は身を伸ばして 馬にゆるく巻きついた

じゃ行きましょうか と蛇は言った
おう と馬は幾分落ちつかなげに答えた
馬は足踏みし 首を振り
別に取って喰いはしませんよ と
蛇が おかしげに言った

分ぁってらぁ と馬は
いささか乱暴に言い そして
カッと地を蹴ると 空に舞いあがった
白銀に光る尻尾が 流星のように流れ
馬と蛇は空中で ふいっと掻き消えた

ナヲキさんは 立ち上がった
そばに立つ 桜の木に手をかけた
ごつごつとした 木肌の下から
じんわりとした ぬくもりが伝わってきた
ナヲキさんは 幹をぽんぽんと叩いた

<つづく>

人気ブログランキング ※本作品の内容・名称は全て個人の創作・フィクションであり、 実在の個人・法人・企業等とは、全く一切関係ありません。
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