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まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「魔法のインク」 6

2013-12-06 21:45:09 | 「魔法のインク」 2013Xmas
金曜日ですねっ。
12月にもようやっと慣れてきた気分ですが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

12月、というとやっぱり、一年のあれこれをここで片付けたい!と
皆さま思うのか、急にお客様やら取引先があれこれ言ってきたりしませんか。

それとか、自分の方が急にあれこれ気になったり。

不合理を片付けるんだから、大変結構なことではありますが、
夜になっても頭の中がぐーるぐるして眠れない・・・
なんて方もおいでかもしれないですね。

そんな時!

今日、ネットを見てて、こんな記事を見つけました。

「眠れない人必見! 頭の中の独り言をアーで止めよう!」

ご覧になってみてはいかがでしょう。

安らかな休息があなたに訪れますように。

けど、その前に。

さあ、アドヴェントカレンダー6つ目の窓を開けましょうね。


2013年12月1日~ブログ直接投稿 「魔法のインク」 その6

  大広間もまた 氷と止まった時計だらけ
  一段高いところに 女性が一人
  背の高い椅子に 雪と氷でできたような姿を預け
  ガランとした広間を 無表情に見下ろしていた
  小鬼は 進み出てひざまずいた

<つづき>

何用か と女性の声がひびいた
女性のしわ一つない 若く白い顔は
雪人形のように 凍りついて見えた
小鬼は 頭を床にすりつけた
珍しき物を お持ちしました

この氷の国に 珍しき物とは
女性の声が 氷にひびいた
分かっておろうな 小鬼よ
変化は ここでは禁物じゃ
永の責苦を受ける 覚悟と見える

女王さま とんでもない
小鬼は蒼ざめ 身震いをした
おいらはただ 貴女さまの御為にと
そう言い小鬼は インクを出した
妖精の魔法です・・・を帯びた

何のことさ とインクは声を上げた
氷のような女王の瞳は わずかに輝いた
ほう 間違いなく妖精の魔法じゃ
それも 闇がよく混ざっておる
女王はインクを手に取り ふたを開けた

焦り・・恐れ・・迷い・・罪悪感・・
よくぞここまで 溶け込んだものよ
妖精の物なら 奴らも止めづらかろう
ただ 今ひとつ熟成が足らぬな
女王は インクのふたを閉めた

女王さま・・・? インクは震えて言った
僕に闇が? それと僕の連れの狼は・・・
女王は 愛おしそうな手つきで
手の中のインクつぼを なでた
そして目の前にかざして ささやいた

<つづく>


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新作 ~ 「魔法のインク」 5

2013-12-05 21:01:48 | 「魔法のインク」 2013Xmas
ども、12月も5日目です。
皆さま、お元気にされてますか。

12月は不思議な月です。

うん、先日も同じ言葉言ったけどね、別の方向で。

12月は、世界がある一点に向かって澄んでいく、そんな空気を感じます。
皆さまはどう思われますか。

自然は12月だのXmasだの、そんなこと関係なく日々移ろっていくけれど、
人が生み出した、このシステムも、
大切な何かを人が忘れていない証拠という気がして、
それを思うと、まかろんは何か温かい気持ちがしてならないのです。

それはともかく。

さあ、アドヴェントカレンダー5つ目の窓を開けましょうね。


2013年12月1日~ブログ直接投稿 「魔法のインク」 その5

  アカマツさんが 入口じゃないの?
  聞くインクに 小鬼は言った
  入口が一つだけじゃ 不便だろ
  さあ行くぜ 狼サンを助けたいんだろ
  小鬼はインクを手に ヤナギの影に踏み込んだ

<つづき>

ひゅうっと に落ちる感覚がして
気がつくとそこは 真っ白だった
雪におおわれた こんもり木の森
木々は雪で 白い三角帽のようだった
その間に細い道が 薄闇の中白く続いてた

小鬼は深い雪の中 足取り軽く進んでいった
時おり木の間に 何かの気配はしたけれど
だれも何も 現れなかった
まだかなと インクが思い始めたとき
小鬼はふと 足をとめた

森が そこで終わっていた
開けた向こうは 一面の雪の大地
夜空に広がる 不思議な光のカーテンが
刻々ゆらめき 色を変え
丘の上の白い城に 不気味な色を与えてた

近づくと城は 全部氷でできていた
乳白色の氷が 天高くそびえ立ち
蒼みを帯びて 見る者を拒んでた
鋭いが内から差して 城は蒼白く輝いてた
小鬼は目をすがめながら 城に入っていった

中は一面 氷と時計だらけ
床も柱も天井も 半ば透きとおった氷に
無数の時計が時を止めて 浮かんでた
押し殺した静けさの中 小鬼は
ひたひたと 歩いていった

大広間もまた 氷と止まった時計だらけ
一段高いところに 女性が一人
背の高い椅子に 雪と氷でできたような姿を預け
ガランとした広間を 無表情に見下ろしていた
小鬼は 進み出てひざまずいた

<つづく>


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新作 ~ 「魔法のインク」 4

2013-12-04 22:26:53 | 「魔法のインク」 2013Xmas
うん、番号振るとき、日付見れば良いのは楽だね。

デパ地下行くと、Xmas限定のお菓子とかいっぱい売ってて、
嬉しいやら困っちゃうやらですね!

皆さまは今の時期はどういう楽しみ方をされてますか?

コマーシャルもXmasは特別なのをいろんな会社が作ってきます。
そういうのを見るのもこの時期のお楽しみですよね。

先日Yahooトップページ開けたら、宣伝のところに、
スワロフスキー(クリスタルガラス工芸品メーカーです)のサイトが出てて、
開けたら素敵な音楽付きの可愛い画面が出てきました!

さっきは、カルティエのサイトが出てて、
まだちゃんと見てないですけど、ディズニーばりのアニメが公開されてるみたいです!
まかろんもこれ更新したら見に行ってきます!

そんな魔法の季節に。

さあ、アドヴェントカレンダー4つ目の窓を開けましょうね。


2013年12月1日~ブログ直接投稿 「魔法のインク」 その4

  それでも狼はだんだん 弱っていった
  休むことが多くなって ある晩
  ヤナギの木の下で 動かなくなった
  狼さん! とインクは叫んだ
  そこにひょこっと 小鬼が顔出した

<つづき>

よおどうしたよ と小鬼は言った
インクは夢中で 小鬼に話した
僕のせいで 狼さんが・・・!
まあ落ちつけよ と小鬼は言った
見たとこ まだ死んじゃいないぜ

けど今すぐ 何かしないとヤバいな
一人じゃ 動かせないし
動かしたところで これじゃあなぁ
小鬼は ぴくりともしない狼を見た
助けを呼んで こないとな

小鬼は インクを手にもって
すたすた ヤナギの方へ歩き出した
待って 僕は狼さんについてなきゃ
インクは あわてて小鬼に言った
僕は ここで待ってるから

小鬼は 馬鹿にしたように鼻を鳴らした
お前がここにいて 何になるよ
寒さで凍ったら ただのだぜお前
向こうに行った方が まだ何かできるだろ
向こうって・・・? とインクは聞いた

不思議の国さ 知らねぇの?
俺はそこの主に お仕えしてる
ここがその入口さ と小鬼は
ヤナギの木を たたいて言った
ヤナギの木は 枯れていた

アカマツさんが 入口じゃないの?
聞くインクに 小鬼は言った
入口が一つだけじゃ 不便だろ
さあ行くぜ 狼サンを助けたいんだろ
小鬼はインクを手に ヤナギの影に踏み込んだ

<つづく>



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新作 ~ 「魔法のインク」 3

2013-12-03 21:35:13 | 「魔法のインク」 2013Xmas
ども、お今晩は~。

12月ってなんか不思議な月ですよね。
冬のはずなのに、少なくとも東京では紅葉のピークで、
寒さも2月の方がピークだし、どっちかというとまだ秋だと思います。

先日街を歩いてたら、見事に黄色く紅葉した木を見かけて、
ああ植物にはXmasだのって関係ないんだな、って思いました。

人の世界と関係ない世界。
普段の世界と違う、だけどここにある隣の世界。

そういう世界にお連れできたら幸せです。

さあ、アドヴェントカレンダー、3つ目の窓を開けましょうね。


2013年12月1日~ブログ直接投稿 「魔法のインク」 その3

  ここまで来て知らんのかね とアカマツ
  ここは不思議の国 わしはその門番じゃ
  といっても ただ入口に生えてるだけだがの
  で何の用じゃ 入るのか入らんのか
  僕は帰りたいんですけど とインクは言った

<つづき>

どこに?妖精界にか とアカマツじいさん
いえ人間の家に 僕は使命があるからとインク
ちょっぴり インクの色がまたにごった
ふーむ しかしここには偶然来るものでもないぞ
お前さん ここに呼ばれたんじゃないのかの

そうとは思えないんですけど と
インクは 弱々しく言った
まあええ 帰れるもんなら帰ればええ
だれか になる者を呼んでやろう
そう言い アカマツは身をゆすった

ぬっと現れたのは 大きな灰色狼
アカマツじいさんから 話を聞くと
そぉっと優しく インクをくわえ走り出した
あんまり 無理せんようにな!
アカマツじいさんは 後ろで叫んだ

狼の足は速かった けどいくら走っても
雪の原っぱが 延々続くばかり
人間の家なんか ありゃしない
やっぱり アカマツさんが言う通り?
僕は 無駄なことさせてるのかも

インクの不安をよそに 狼は何日も走り続けた
インクは もう止めようと言いたかったけど
使命を捨てるのが 怖かった
無駄なものになるのが 怖かった
それで狼とインクはまた 雪の原っぱを進んだ

それでも狼はだんだん 弱っていった
休むことが多くなって ある晩
ヤナギの木の下で 動かなくなった
狼さん! とインクは叫んだ
そこにひょこっと 小鬼が顔出した

<つづく>



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新作 ~ 「魔法のインク」 2

2013-12-02 21:38:12 | 「魔法のインク」 2013Xmas
さ、アドヴェントカレンダー2日目ですよ~。

って言っても何かまだ12月、って気がジツはあまりしてないんですが、
皆さまはいかがですか?

12月だ、Xmasだ、って気分が盛り上がってきましたか?

美味しいもの、楽しいものがいっぱい街に溢れるこの季節。

素敵な12月になりますように。


2013年12月1日~ブログ直接投稿 「魔法のインク」 その2

  女の子は 翌朝見つけてびっくり・・・
  と 言いたいとこなんだけど
  残念ながら 女の子の目には見えなかった
  子供に物あげたことある人なら 分かるよね
  それで 魔法のインクは放っておかれた

<つづき>

魔法のインクは がっかりしてた
せっかく 素敵な魔法をもってるのに
女の子が ちっとも気づいてくれない
Xmasは どんどん近付いてくる
僕に気づいて! とインクは願った

きらきらしてた 魔法のインクは
だんだん焦りで にごっていった
枕元にいた 魔法のインクは
ある日 ねぼけた女の子の手に当たり
ひゅーっと に飛んでいった

そのまま ガチャン!と
壊れ・・・はしなかった
妖精の魔法が きらっと光って
魔法のインクは 壁を通り抜け
ころんと の上に転がり落ちた

魔法のインクは 転がりながら
女の子の家を 探して
だけど変だね ころころころころ
どんどんどんどん 転がってくよ
この庭 こんなに広かったっけ?

インクはドシンと 木に当たって止まった
アカマツのじいさんが 見下ろしてた
おや珍しい客人だ とアカマツは言った
妖精の物が 何の用かね
ここはどこですか とインクは聞いた

ここまで来て知らんのかね とアカマツ
ここは不思議の国 わしはその門番じゃ
といっても ただ入口に生えてるだけだがの
で何の用じゃ 入るのか入らんのか
僕は帰りたいんですけど とインクは言った

<つづく>


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