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まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 21

2013-10-21 21:20:05 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
また月曜ですねぇ。
しかもいよいよ10月下旬ですよ。
皆さま、いかがお過ごしでしたか。

まかろんの今日のびっくりはですねぇ・・・

うーん、仕事ではあったのですが、あんまり面白くないなぁ、ネタ的に。

なので、えーっと、

Trick or Treat! (お菓子くれなきゃ、いたずらするぞ!)

・・・ びっくり、した?

ごめんなさい、今日ネタなかったです・・・


さあ、今日はタビィはどうなるでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その21

  タビィは 大広間の床に
  ひざまずいてる自分に 気づいた
  汗でローブは ぐっしょり濡れて
  床についた手は 震えてた
  身体の奥に 何かが鈍く脈打っていた

<つづき>

おや やっぱり手に入れたかい
傍で かすれた老婆の声
汗まみれの 南の魔女が 
荒く息をしながら タビィに言った
他の連中も 自分の分は守ったようだね

見ると 広間は一面血まみれ
つぶれた臓物や死体で 埋まってた
全身を侵すような 血の匂いの中
魔女や黒騎士たちが 荒い息で 
汚れきった床に 座り込んでた

西の魔女は 金の髪をふり乱し
汗まみれの 滑らかな白い顔に 
緑の目を ぎらつかせていた
北の魔女は いっそう蒼ざめ
小さな青灰色の目だけが きらめいていた

金の髪の黒騎士は 片膝をつき
床に立てた黒い剣に すがっていた
直立した黒い剣の方が 主人に見えた
黒ローブの魔道士は 宙の一点を見据えてた
熱を帯びた冥い目は やつれた細い顔で輝いてた

黒い僧服の黒司祭は 
いかつい身体を縮めこみ 
組んだ両手に頭を低め 嗚咽と涙を流してた
血と汗で汚れた 震える身体は
いくぶん小さくなって 見えた

一人として 床に這い
汗にまみれ 朦朧とし やつれ
巨大な痛みを呑む 苦しみと 
それを与える世界を憎み圧する 冥い喜びに
うち震えない者は いなかった

痛みと恨み 滅する力を・・・

タビィは 耳の奥で
風のような声を 聞いたと思った
けどそれは わき上がる力のうねりに紛れ 
すぐに 頭から追い出された
息をついた南の魔女は 口をゆがめた

<つづく>


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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 20

2013-10-20 23:00:23 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、週末をいかがお過ごしですか。

今日はですねー、
まかろんが一番はまってるジャンルの同人誌イベントがありまして。

悲惨でした。

まかろんの財布の中身が。

昨日準備した時、
これくらいお金あればいいよねー、
あ、でも一応、一応だよ、もう少し持ってこー、
いやー心配性だなー、こんなに要らないのに、ふふふふふ、
と思ってた自分はどこに。

気が付いたら中身がなくなりかけてて、ほんと、びっくりしました!
帰れなくなったらどーしよーかと思いました!

でも、作り手さんたちはみんな良い笑顔でした!

それに、行く先々でノベルティとして
ハロウィンの特製イラスト付けたお菓子をくれるので、
帰ってみたら、両手いっぱいくらいのお菓子をもらってました。

ハロウィン気分まで味わえるイベントでした☆

ハロウィン、根付いてるよ!(まだ根に持ってる)


さ、今日はタビィはどうなるのでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その20

  万色の闇は しかしやがて
  散らばる色を徐々に かたよらせ
  黒い虹のような 七色がつながる輪となって
  ゆっくりと タビィにのしかかっていった
  タビィは その巨大な痛みと重みに呻いた

<つづき>

闇の光の中 タビィは東の魔女の
まだらに白い 樹皮のような顔を見た
みじめな容貌 周りの大人と子供たちの嘲笑
長年の 叶わない望みと虚しい努力
胸を焦がし続ける 得る者への刺すような妬み

またタビィは 闇の光に
自分自身の姿を 見た
周り中から見放された 異端の子供
何をしても 顧みられなかった小さな生
ただ焼けるように願った 皆と同じだったらと

同時にタビィは 一瞬に
たくさんの者の 妬みと恨みを見た
排斥と嘲笑と深い孤独が そして
そこから抜け出す術のない 焼けつく痛みが
タビィの心に なだれこんだ

タビィの心は 重みにちぎれた
そこには 小さな無力な子猫
世界がやっと許すだけの 小さな存在
何も許さぬ与えぬと 世界は叫びを上げて
子猫をさらに小さく小さく 押しつぶした

遠くに 魔女の叫ぶ声が聞こえた
許さない許さない許さない
魔女に殺された たくさんの猫の声も
許せない許せない許せない
生きる場所を 我に生きる場所を!

消えかけた タビィの意識は
その声に しがみついた
妬ましいばかりの 世界
自分以外の全ての者にばかり
優しく恵みを与える 世界

そんな世界を 見返してやる
そんな世界は 乗っ取ってやる
今度はお前らが 妬む番だ
タビィは 魔女や猫の意識とつながって
伸しかかる重みに 噛みついた

巨大な重みの闇の輪は 瞬時にはぜて
大勢の妬みの苦しみが どっと流れ込んだ
こんな世界に つぶされるもんか
多くの意識が 溶けあって叫んだ
僕がわしが私が俺が この世界の頂点だ!

タビィは 大広間の床に
ひざまずいてる自分に 気づいた
汗でローブは ぐっしょり濡れて
床についた手は 震えてた
身体の奥に 何かが鈍く脈打っていた

<つづく>


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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 19

2013-10-19 22:18:57 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、お今晩は~。
寒いですねっ。急に寒くなるのでびっくりしてしまいます。

えーっと、寒くなったね、とか
台風とかの話でびっくりを語っても良いのですけど、
それじゃ面白くないので、先日届いた絵本の話を。

ハロウィン気分を味わいたくて、
先日「ミッケ!」という絵本を買いました。

一見ただのファンタジーな絵の中に
(でも写真なんですよ。すごいよね!)
よーく見ると変な所に変な物が隠れているのを見つけよう!
という絵本です。

これ、ずーっとやってると、リアルな自分の部屋にも
何か隠れているような気になってきます。

ひょっとしたらあの影がドクロの形をしてたり?
本棚に変な物が紛れ込んでるかも?

良く見て知ってるこの世界のいろんなすみっこに、
知らない世界が隠れているかも。

すごーく素敵な世界かもしれないけど、
すごーくおっかない世界が
こっそり・ぱっくり口開けて待ち構えているのかもしれない。

この「見えてる」世界が「本当」だって、
ホントにそんなこと言えるのかなぁ?

なーんてね。うふふふ。


さ、今日はタビィはどうなるのでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その19

  そっと見回すと 北の魔女も黒騎士たちも
  同じく黙って ひざまずいてた
  次第に 騒ぎは静まって
  広間はまた 異形の者たちを抑えつける
  奇妙な明るい闇と静けさに 支配された

<つづき>

卑しき下僕たちよ と声は響いた
汝らの望みは皆 我が手の裡にある
望めよ求めよ 七つの大罪
求めるだけ 汝は得るだろう
その苦痛を糧に 進むが良い

声が終わるや 底なしの闇が
確かな重さで 襲いかかってきた
無数の色の光 万色にして無色
一つ一つの色は 生きていた
人の顔 動物の顔 様々な生が瞬時に通り過ぎた

同時にそれは 光でありながら闇だった
人は 生きながら渇いていた
動物は 人の陰りで苦しんでいた
渇きと苦しみは 黒い輝きとなって
一つ一つの光に 溶け合っていた

あらゆる色が そこにあった
あらゆる欲が 望みが痛みが
どこからどこと 区切りもなく
ただ巨大な痛みが 一つとなって
無数の色を発しながら 回っていた

万色の闇は しかしやがて
散らばる色を徐々に かたよらせ
黒い虹のような 七色がつながる輪となって
ゆっくりと タビィにのしかかっていった
タビィは その巨大な痛みと重みに呻いた

<つづく>


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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 18

2013-10-18 21:52:06 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、お今晩は~。
気が付いたら10月も下旬になろうとしていますよ。びっくり。

いや、何がびっくりってね、
まかろん、毎年10月に開催される鉱石フェアを楽しみにしていたんですよ。

10月にしか開催されないわけじゃないけど、この10月のが一番、
見た目にも綺麗な石(ミネラルアート&ジェム展、なので宝飾クラスが出るんです)が
出るので、夏くらいから日にちをチェックしてたんです、けど。

気が付いたら、終わってた・・・。

ま、まあ、行くと欲しくなるからね!
これ以上、石増やしても何だし!
こ、今年は行くの止めよーかなー、なんて思ってたくらいだし!

・・・っ、お、終わってた・・・。


気を取り直して、
さあ、今日はタビィはどうなるでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その18

  タビィが内心困って 見返したとき
  大きな闇が 訪れたのを感じた
  広間の明るさは 変わっていない
  けれど重い闇が 自分の裡からわき出でて
  目に紗をかけたように 思えた

<つづき>

一瞬 何も見えなくなる
西の魔女の 息を呑む音がした
次の瞬間 明るくなって
広間の奥 大きな椅子に
大きな何かが 現れた

それは 形をもたなかった
そこに在るようで 広間全体にも
広がっているようにも 見えた
黒い煙のように見えた 次の瞬間には
奇妙に明るい光にも 見えた

何もこれと 捉えられるものはなく
ただひたすら重い 何かの存在を
タビィは心の中に 感じていた
これが魔王だと 心の何かが
立ちすくむタビィに ささやいた

よく来た 皆の者
深い静かな声が 頭の中に響き渡った
一同は 一斉にひざまずいた
卑しく力弱き 我が下僕たち
汝らは 何を求めるか?

とたんに あちらこちらから
これが欲しい あれがしたいと
耳やかましく どら声が上がる
けれど傍にいる 南や西の魔女たちは
青ざめた顔で じっとひざまずいていた

そっと見回すと 北の魔女も黒騎士たちも
同じく黙って ひざまずいてた
次第に 騒ぎは静まって
広間はまた 異形の者たちを抑えつける
奇妙な明るい闇と静けさに 支配された

<つづく>


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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 17

2013-10-17 21:56:20 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、急に寒くなりましたが、元気に過ごされてますか?
まかろんは風邪を引いて、気合いと葛根湯とビタミンCで治してるところです。
引き始めだったら、すごく効くよ!


うーん、今日のびっくりは・・・
葛根湯がこんなに効くとはね!とびっくりしているまかろんですが、
それじゃあまり面白くないよね・・・。

あ、そーだ、先日ネットでハロウィン関連の絵本を注文しまして、
今日届きました☆

寝る前に見るんだ♪
すっごく楽しみです。

びっくり、じゃないけど、このワクワク感をお裾分けできたらなぁ、と思います。


さあ、今日のタビィはどうなるでしょうか?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その17

  そんなに 食べたいものかしら
  西の魔女は あやすように言う
  あの哀れなお坊さんに 違う喜びを
  教えてあげても いいのだけれど
  およしよ と南の魔女はあきれ顔

<つづき>

いくら あんたの賜物でも
大食の賜物 賜る男じゃ分が悪い
あんたの力が 弱まっても困るじゃろ
西の魔女は 乳のように滑らかな頬を
ゆるませ 南の魔女を流し見た

強欲の魔女さまは 慎重ね?
当然じゃ と南の魔女
真に強欲な者は 慎重なものよ
それでわしは 賜物を得ている
お前さんにゃ 無理なこと

そう言われれば 他の賜物
あんまり 楽しそうではないわねぇ
西の魔女は 軽やかに言う
あたしは 淫蕩だけでいいかも
七つの賜物 全部なんて面倒

お前さんは 変わっとるよ
南の魔女は あばた面をふる
魔王の賜物 目指す者はたいてい
七つ全部を 欲しがるもんだが
特に黒騎士と…東の あんたさね

南の魔女は タビィを見上げた
身体まで 変えちまうとはね
あんたの 羨望の力も
だてじゃなかったってわけだ
賢明とは 言えないがね

魔女の淀んだ目が 鈍く光った
身体が変われば 心が変わる
力ない者は 望む心を容易く手放す
東の あんたが羨望の賜物を
どこまで持ってられるか 見てやろう

南の魔女は にたりと笑った
強欲の魔女は 動くときゃ動くのさ
あんな頭空っぽの 傲慢騎士にゃ
賜物一つだって もったいない
あんたが手放すなら わしのもんさ

タビィが内心困って 見返したとき
大きな闇が 訪れたのを感じた
広間の明るさは 変わっていない
けれど重い闇が 自分の裡からわき出でて
目に紗をかけたように 思えた

<つづく>


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