NHKで放映されている“美の壺”、谷啓さんがナビゲーターをつとめる生活の中の美を扱った番組です。毎回必ず見るわけではないのですが、偶然先日見たのは“和紙”のお話でした。その中で、参のツボとして、扇子の使い方が出てきました。
美の壺 File78 和紙
http://www.nhk.or.jp/tsubo/archives.html
お茶を習う人には花月扇は欠かせないお道具。私も毎年お正月に先生が下さるのでもう20本近く持っています。広げて並べてみると個性豊かで楽しくなりますが、お稽古では広げて使うことはありませんね。
お稽古ではどのように使っていますか?私が思いつく使用方法は以下の3つ。
① ご挨拶・席入 : 前に置くことで結界となり、相手への謙譲の意味を表す。
② 着席 : 後ろに置くことで自分の位置を示す。
③ お月謝を渡す
皆さんの社中ではお月謝を渡す時どのようにしているのでしょうか。いつの頃からか、わが社中では、代表者が、自分の花月扇を広げ、その上にお月謝袋を纏めて乗せて先生にお渡しし、先生はお月謝袋をおとりになり、扇子を返して下さるという形でした。
“美の壺”でも御祝儀や御礼、月謝等を渡す時に、広げた扇子の上に乗せて渡すことがあり、お盆代わりに使われると紹介されていました。確かに、冠婚葬祭のお金のやりとりを考えると、昔からお金はお盆に乗せたり、袱紗に包んだりして相手に持っていったり、渡したりするものだったのでしょう。それ以外にも、日本人は食事やおかわりを運んだりやり取りする際、手渡しではなく、必ずお盆を介して行います。
テレビを見ていて私が驚いたのは、扇子に載せた封筒の向きです。扇子のかなめを自分の方に、開いた方を相手に向けて渡す、写真がテレビで紹介されていたその向きです。ところが、私たちはお月謝を渡す時、扇子のかなめを先生の方に向けてお月謝を乗せてお渡ししていたのです。方向が反対、あれ、なんで?
ちょうどお月謝を渡す稽古日で、先生にお伺いしました。
「皆さんがそうして下さるのでそうやって頂いていたけれど、扇は通常開く方が上座、かなめの方が下座になりますね、そう考えると下座を向けて相手に渡すというのはおかしいと思うんですよ。そうなるとやはりテレビで紹介していたのが正しいということになるでしょうね。私は自分がお祝いやお礼をお渡しする際は古袱紗に挟んでお渡ししています。そうすると、ちょうどお礼とかお祝いという文字も隠れて、如何にもという感じがしないし、いいんですよ。他の先生方も古袱紗をお使いになりますね。業躰先生も、『ほう、いい袱紗ですね』、なんておっしゃりながら、中身をお取りになり、古袱紗を返して下さいますよ。」
なるほど、確かに扇の上座は開く方、かなめは下座、席に着く際も、正客はかなめを右、連客はかなめを左に向けて座ることを考えると、下座であるかなめを先生に向けて渡すのはおかしいということになります。
「次回からは古袱紗を使わせて頂きます。」
“美の壺”の御蔭でいい勉強をしました。皆様は扇をどのように使っているでしょうか。
<ご参考>
扇の種類
http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/da7ed34e74bbc1833b728cb4b24165a0
美の壺 File78 和紙
http://www.nhk.or.jp/tsubo/archives.html
お茶を習う人には花月扇は欠かせないお道具。私も毎年お正月に先生が下さるのでもう20本近く持っています。広げて並べてみると個性豊かで楽しくなりますが、お稽古では広げて使うことはありませんね。
お稽古ではどのように使っていますか?私が思いつく使用方法は以下の3つ。
① ご挨拶・席入 : 前に置くことで結界となり、相手への謙譲の意味を表す。
② 着席 : 後ろに置くことで自分の位置を示す。
③ お月謝を渡す
皆さんの社中ではお月謝を渡す時どのようにしているのでしょうか。いつの頃からか、わが社中では、代表者が、自分の花月扇を広げ、その上にお月謝袋を纏めて乗せて先生にお渡しし、先生はお月謝袋をおとりになり、扇子を返して下さるという形でした。
“美の壺”でも御祝儀や御礼、月謝等を渡す時に、広げた扇子の上に乗せて渡すことがあり、お盆代わりに使われると紹介されていました。確かに、冠婚葬祭のお金のやりとりを考えると、昔からお金はお盆に乗せたり、袱紗に包んだりして相手に持っていったり、渡したりするものだったのでしょう。それ以外にも、日本人は食事やおかわりを運んだりやり取りする際、手渡しではなく、必ずお盆を介して行います。
テレビを見ていて私が驚いたのは、扇子に載せた封筒の向きです。扇子のかなめを自分の方に、開いた方を相手に向けて渡す、写真がテレビで紹介されていたその向きです。ところが、私たちはお月謝を渡す時、扇子のかなめを先生の方に向けてお月謝を乗せてお渡ししていたのです。方向が反対、あれ、なんで?
ちょうどお月謝を渡す稽古日で、先生にお伺いしました。
「皆さんがそうして下さるのでそうやって頂いていたけれど、扇は通常開く方が上座、かなめの方が下座になりますね、そう考えると下座を向けて相手に渡すというのはおかしいと思うんですよ。そうなるとやはりテレビで紹介していたのが正しいということになるでしょうね。私は自分がお祝いやお礼をお渡しする際は古袱紗に挟んでお渡ししています。そうすると、ちょうどお礼とかお祝いという文字も隠れて、如何にもという感じがしないし、いいんですよ。他の先生方も古袱紗をお使いになりますね。業躰先生も、『ほう、いい袱紗ですね』、なんておっしゃりながら、中身をお取りになり、古袱紗を返して下さいますよ。」
なるほど、確かに扇の上座は開く方、かなめは下座、席に着く際も、正客はかなめを右、連客はかなめを左に向けて座ることを考えると、下座であるかなめを先生に向けて渡すのはおかしいということになります。
「次回からは古袱紗を使わせて頂きます。」
“美の壺”の御蔭でいい勉強をしました。皆様は扇をどのように使っているでしょうか。
<ご参考>
扇の種類
http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/da7ed34e74bbc1833b728cb4b24165a0
おっしゃる通り、色々な考えがあり、決まりごともありますが、それもまた絶対的ではなく、時代によって考え方によって変化してよい、自然な方が無難と思います。
ただ、知っていてやるか、知らずにやるかは違うと思うので、色々な考え方ややり方を知っておくことは大事なことと感じます。
私はこの話を聞いた後は扇子を使うことは自信がもてないのでやめて、古袱紗を使うようにしています。
美の壺の方法だと確かに扇子の模様が逆になります。その為、どちらが上座なのかはっきりしたところが難しい、だから、古袱紗を使っていると先生もおっしゃっていました。確かに業躰先生へのお礼なども全て古袱紗を使って行われているようです。扇子の上に乗せて渡す場面は私も見たことがありません。
正しいことがわかりましたら教えて下さい。
うちの社中でも、初釜などでお礼をお渡しする際は確か古袱紗を使っていました。お月謝だけは扇子。
>ただ、向きがどっちだったのかが、はっきり思い出せません。
開くほうを先生に向けたような気が、、、
はっきりわかったら教えて下さい~。
やはり同じでしたか。私もテレビでびっくりしたのですよ~。
>この向きだと、受取られた方は扇子を閉じて返すときに面倒に感じてしまいそうですが、どうなんでしょうね。
おっしゃる通り。先生もそれをおっしゃっておいででいた。
私たちも扇子の向きに自信がもてないので、今後は古袱紗を使おうと言っています。
>私のお茶の生徒さんに、お許状を郵送してほしいと言われて、、、
それは悲しいですね。その生徒さんも、本来は伺うべきですが、距離的にも時間的にも難しいのでお願いできますか?と言って下されば納得できそうですが。。。許状についてどう考えていらしたのでしょうね。知っていてやらないか、知らないのかで随分違いますね。
やはり、同じく要を先生に向けて出していましたか。。。。一体どっちが正しいんだろう。先生に伺ってみてください。
>以前業躰先生には古帛紗に挟んでお渡ししました
古帛紗の方が さっと渡せて手早く出来るからです
確かに扇子の方が優雅な感じはしますが、さりげなくさっと渡すには古帛紗がよいですね。
社中によって違うんでしょうね。
アメリカではどんな感じですか?
ドル札をお月謝袋に入れたりするのかしら??
>今の人達にはこのあたりもきちんと教えた方がいいのかなあ~と悩んでいたところでした。
教えて頂いた方がいいと思います。間違っていると知らずにやっていることは怖いです。私は最近疑問に思うと先生に失礼かもしれませんが率直に教えて下さいとお願いして、とても勉強になります。知らないことが多すぎ、、、、、
でも、何かひとりで先生に金封をお渡しするときは
扇子に乗せてお渡しします。
ただ、向きがどっちだったのかが、はっきり思い出せません。
開くほうを先生に向けたような気が、、、
今度再放送でもあったら見てみます~。
この向きだと、受取られた方は扇子を閉じて返すときに面倒に感じてしまいそうですが、どうなんでしょうね。
今の先生は簡略化して床の間のところに置くだけなのですが、
何か別途会費などお渡しする時は最近は古袱紗を使います。
私のお茶の生徒さんに、お許状を郵送してほしいと言われて、、、
悲しい思いをしたことがあります。私が引っ越しをした為もあるのですが、それにしても? でしたね。
古帛紗は 滅多に使いません
以前業躰先生には古帛紗に挟んでお渡ししました
古帛紗の方が さっと渡せて手早く出来るからです
私は『使い服紗』に挟んでお渡ししていました。
アメリカではちょっと・・・又違います。
今の人達にはこのあたりもきちんと教えた方がいいのかなあ~と悩んでいたところでした。