日本史の勉強をしたことがある人なら一度は耳にした言葉ではないか、”闘茶”。
鎌倉時代後半から、南北朝、室町時代半ばにかけて流行した茶寄合で、何種類かのお茶を飲み、本茶とされる栂尾産の茶かどうかを当てる遊び。
何回もお茶を飲むので、十服茶、五十服茶などの別名もある。闘茶は人々の結びつきを強め、庶民とまではいかないが町衆に茶が広がるきっかけとなった。
栂尾茶が本茶とされた理由は、高山寺の明恵上人 . . . 本文を読む
お茶は五感で楽しむものと思うが、茶席や茶室での音といって何を思い起こしますか?耳(聴覚)だけで茶席を楽しむとしたら?想像を膨らませてみて下さい。
蹲(つくばい)で水を汲み、手と口を清める音。にじり口から、にじって入る時の衣擦れの音。水を注ぐ音。湯の沸く音。炉の季節なら殊更だが炭のたける音。点前の中での、柄杓を取ったり置いたり、水指の蓋の開け閉め等、道具の音。亭主と客の問答。
以前、夏の点 . . . 本文を読む
折角のものや好意がダメになってしまうことを”台なし”というが、その由来。
そもそもは、人にお礼やご祝儀のお金を渡す際には何かモノをつけて差し上げるのが礼儀で、そのモノ(台)をつけずにお金だけ渡すことを”台なし”といった。モノ(台)を添わせないことで、差し上げたお金の意味もパアになる。思うに、如何にもお金だけを渡すのはいやらしいので台をつけるというのが日本人の心遣いだったのだろう。
友人は許 . . . 本文を読む
私が先生の話を聞いていて思わず“へぇ~”と言ってしまったお話その1。茶道に関わることや日本文化に関わること、先生のお話は昔の知恵や知識が詰まっていて興味深い。たいしたことないと言えばないけれど、いかがでしょう。
この季節、怪談話はつきものだが、誰もが知っている“柳の木の下には幽霊がでる”という言葉。何故柳の木の下に幽霊がでるのか?
これには“陰陽五行思想”の章でご紹介した陰陽が関係してい . . . 本文を読む
江戸時代、茶壷を管理する人を“詰め”と呼んだ。お茶を詰める役割だったからだろう。お茶席でも一番最後の席に座る人(末客)を“お詰め”と呼ぶ。末客は茶席で回ってきた菓子鉢や茶道具等の最後の片付けをすることになり、実は重要ポジションで、席中の管理をするという意味で“お詰め”呼ばれるようになったそうである。
お稽古している人にはわかると思うが、同じ濃茶を練るにも炉と風炉では違いがある。炉では釜の蓋を . . . 本文を読む
お茶壷、近年美術館で展示されたりはするが普段目にすることはない。
茶壷の中身はどうなっているのか、その役割は?
お茶壷道中という言葉を耳にしたことがあるかと思うが、それ位江戸時代の武家では茶壷は大切にされ、茶壷の管理をするお役目もあったという。
そもそもはその年の春にとれた葉茶を、濃茶は小さな袋に袋詰めして壷の中央に入れ、その回りに薄茶を剥き出しのまま詰め茶として詰め、蓋をして密封 . . . 本文を読む
さて、普段よく飲む煎茶と、お抹茶の差について。
同じ葉っぱで、煎茶は葉っぱのまま、抹茶は葉っぱを粉にしたもの、位の差かと思ったら大間違い、製法からして違うことに私もびっくりだった。
まず煎茶の作り方
①摘んだ葉をむらのないように蒸気で蒸す。
②揉みやすくする為に水分を蒸発させる。
③加熱して水分を蒸発させながら、回転して揉む。
④中揉み、仕上げ揉みで形を揃えて色艶や香味をよくする。
⑤揉み . . . 本文を読む
今更ながら、“茶”について。お茶事始の項で少々ご紹介したが、今日は抹茶だけでなく、お茶そのものについてお話します。
お茶はツバキ科の常緑低木樹で、南アジアの高原地帯が原産地といわれる。古くから中国で薬用として用いられ、やがて嗜好品としても使用されるようになった。唐代に陸羽による“茶経”の中には茶の起源から飲み方まで茶の全てが記されている。日本には栄西によってもたらされ、やはり薬用から始まって . . . 本文を読む
茶道を習っていらっしゃる方には馴染みの言葉だが、茶道を習う時は初め“割り稽古”から入る。お茶の点前の一連の動きをぶつ切りにしてそれぞれの場面を練習することで、それを全部やってから、点前として完成させる。
割り稽古にはこんなものがある。
おじぎの仕方、襖の開け閉め、立ち方、歩き方、ふくさの扱い、ふくさ捌き、なつめの清め方、茶杓のふき方、茶巾のたたみ方、茶碗の仕込み方、茶筅通し、茶碗のふき方、 . . . 本文を読む
昨日、釜の基本知識のお話をしたので、続きで私が釜と湯(水)について素敵だなと思ったエピソードをひとつ。
釜の中底には“鳴り”という細工があるのをご存知だろうか。
底に小さな金属の丸い塊をくっつける細工で、湯が沸騰してくるといい音がするようになっている。どうも適当にくっつければいいというわけではなく、いい音を出すには技術が必要らしい。今度機会があれば釜の中を覗いてみて欲しい。
と . . . 本文を読む