茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

茶道トリビア その2

2005-08-16 21:21:04 | 茶道マメ知識
 折角のものや好意がダメになってしまうことを”台なし”というが、その由来。
 そもそもは、人にお礼やご祝儀のお金を渡す際には何かモノをつけて差し上げるのが礼儀で、そのモノ(台)をつけずにお金だけ渡すことを”台なし”といった。モノ(台)を添わせないことで、差し上げたお金の意味もパアになる。思うに、如何にもお金だけを渡すのはいやらしいので台をつけるというのが日本人の心遣いだったのだろう。
 友人は許状の御礼を先生に渡す際、お代だけを渡したら、”若い人は知らないから教えるけど、台なしっていうのよ”と教えてもらったそうだ。

 結婚や出産などの御祝い、最近は略式でお金だけ包むということもあるようだが、御祝いには必ず台をつけるもの、また頂いたら必ず半返しといって、頂いたお金の半額は御礼や内祝としてお返しすること。一方、ご不幸の際は台はつけない。また、お返しを頂いてもお礼は言わないもの。言葉としては恐れ入ります、位で。

 熨斗袋の裏を見たことがあるだろうか。1枚の紙を左右を中央に向けて3ツ折りし、更に、上下の紙を中央に向けて折りたたんだ形になっているが、御祝いとご不幸では上下の紙の折り重ね方が異なる。御祝いでは下の紙を上の紙に重ねる、ご不幸では上の紙を下の紙に重ねる。折角熨斗袋自体が御祝いであっても、それをご不幸の折り重ね方にしてしまっては失礼にあたる。こういったことも教えてもらわないと知らない可能性が高い。

 冠婚葬祭の作法はやはりある程度の年になったら最低限のマナーとして知っていた方がよい気がする。もちろん、間違ったとしても誰も注意しないかもしれないけれど。頑なに昔の方法を守る必要もないけれど、知っていてやらないのと知らないのとでは違う。私もまだまだ知らないことが多いので、都度学んで頂きたいと思っている。
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2 コメント

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なるほど (かーちゃん)
2005-08-31 19:34:57
台なしの話、興味深く読ませていただきました。

主人の実家が京都なので、先日も帰省中、知人の結婚祝を持参するについて、義父や義母が用意するものを話していました。



へぎがどうのこうのと、結納でもないのにとたいそうだなあと思って聞いていましたが、台なしに通じることだったのだと理解しました。



今でも大切にされている心の表れなのでしょうね。

私もいずれ同居の予定なので、また教えてもらうこともあるかと思いますが、ここでのお話も覚えておこうと思いました。
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コメントありがとうございます (m-tamago)
2005-08-31 20:39:27
かーちゃんさん、コメントありがとうございました。

私達の世代はあまり気にならないものですが、両親位の世代は台をつけるというのは常識らしいので、目上の方に何かする時は同じ世代の方にまず聞くのがいいのかも、と思っています。

京都は日本文化発祥の地なのでまだまだ知らない約束事などもありそうですよね、何かわかったら教えて下さい。

日本人の素敵な心遣い、ずっと伝えられていくといいですよね。

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