Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

スターダスト

2007-11-04 | 外国映画(さ行)
★★★★ 2007年/アメリカ・イギリス 監督/マシュー・ヴォーン
<TOHOシネマズ二条にて鑑賞>
「お姫様がもう少し儚げなら」

ニール・ゲイマンのベストセラー・グラフィックノベルを映画化したファンタジー超大作。越えてはならない壁の向こうに落ちた流れ星を探すため、壁の外に広がる魔法の国を旅する青年の冒険を描く。

確かに、ハリーにしろ、指輪にしろ、昨今のファンタジー映画ってのは、壮大になりすぎだと思う。それは、大人も一緒に見に行くんだ、というのをどう捉えるかってことにもなるんだけど、あんまりたくさん盛り込むと見ていて疲れるってこともあるわけで。その点、本作のようなおとぎ話というのは、見ていてラクなのね。子どもと一緒に見て、ただ単純に面白かったね!と言える。かくして、王子様とお姫様は結ばれました、めでたし、めでたし、という結末の作品は、最近なかなかお目にかかれないように思う。

物語はとてもオーソドックスで、さえない男の子が冒険の旅を経てたくましく成長する。そこに、王位継承の鍵である宝石探しが絡んできて、魔女やら王子やらがそれを追いかけて、主人公も巻き込まれていく。ただ、このお話のユニークなところは、空に輝く星が地球に落ちてきたら、美しい人間の女性の姿になっているということ。しかも、この落ちてきた星が「金星」なんですよ。「金星」=「ヴィーナス」でしょ。でも、演じるクレア・デインズがねえ…ちょっとヴィーナスってイメージじゃないのよね。もう少し華奢な人が良かったなあ。

魔女役のミシェル・ファイファーは、ちょっと気の毒なくらいフケメイク。美女になったのは一瞬ですからね、後はどんどんシミとシワが増えていく、という。いやあ、ツライ役だったろうと心中お察しします(笑)。でも、ラストの魔女の館での一騎打ちはなかなか迫力がありました。

王位継承者の7人の王子が次々と殺されて幽霊になるんだけど、王位が誰か決まらないと浮かばれないって言うんで、この世に浮遊してんの。で、殺し合った兄弟なのに、幽霊になった途端やたらと仲良くなっちゃって、あっちこっちでツッコミを入れる場面が面白い。強面の船長が実は変な趣味があった、とか、笑えるシーンがかなり多いのも良かった。

決して深いメッセージのある作品ではないけれども、旅の先々で空飛ぶ船に乗ったり、魔女と戦ったりっていうシーンは、やっぱり映画館のスクリーンだから味わえる醍醐味。それは十分に味わうことができました。

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