Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

ピンポン

2008-04-03 | 日本映画(は行)
2002年/日本 監督/曽利文彦 
「みんな、みんな、輝いている」


マンガ的キャラの弾けっぷりとガンガンに攻め立てるノリの良さに反して感じるこの切なさは何だろう。「あんな時もあった」…誰もが感じる青春の輝かしい時。それを我が身に置き換えているからだろうか。もちろん、それもある。しかし、理由は他にある。それは、全ての役者たちがみんな輝いているからだ。まぶしいくらいに輝いているから、切ない。

20代の役者としての輝きは、ある意味その役者人生の中で最も美しい時代と言えるのではないか。窪塚洋介の役者としての資質は変わっていないけど、もうあのペコを演じることはきっとできない。中村獅童も、大倉孝二 も、ARATAも。この作品は、彼ら若手の役者陣がいちばん輝いていた時と見事に一致した。その偶然性が奇妙なノスタルジーを呼び起こす。

ペコ演じる窪塚洋介のすさまじいまでのパワーが他の役者陣を引っ張っていく。「俺も乗せてくれ」ドラゴンのセリフは、この作品そのものにも通じる。みんな窪塚洋介に乗って、高く高く飛んだのだ。今にも暴走しそうな役者陣をまとめあげ、スピード感いっぱいの演出と、迫力あるVFXを駆使した曽利監督の手腕はお見事。それぞれの名前からシンボライズした星と月のアイコンの使い方もカッコイイし、SUPARCARの音楽も最高にイカしてる。乱立する漫画の映画化作品の中で、間違いなく抜きんでた1本だと思う。

最新の画像もっと見る