★★★★ 2019年/ブラジル・フランス 監督/クレベール・メンドンサ・フィリオ ジュリアノ・ドネルス
突然地図から消えた村で惨劇が始まる。攻撃者は誰か…。
まずバクラウという村の不思議な魅力に引き込まれる。土着文化残る風習に大音量のDJ、売春トラック、不思議な薬。ただ者じゃない感が独特。舐めてた相手が実は系なんだけど、まるで正体が読めない面白さ。
アメリカの南米への軍事介入等のメタファーという仕掛けも面白いが、終盤近く、水の枯れたダムが映し出されるため、ブラジル自身が抱える問題も織り込まれていると推測できる。奇天烈モンド映画というベールを纏った痛烈な資本主義批判映画ではないか。しかもそれらを説明しすぎない手際が見事。