Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

ムーンライト

2017-12-18 | 外国映画(ま行)
★★★★ 2017年/アメリカ 監督/バリー・ジェンキンス

(レンタル)

これほど抑制の効いた作品とは思わなかった。
主人公のセリフも極端に少ないが、だからこそ彼の痛みが伝わってくる。
また、カラーコーディネートが徹底されており、月に光る黒人の肌がとても美しかった。
説明セリフを徹底的に排除しているのに心に染みるのがすばらしい。
ラストの「俺が触れられたのは1度だけだ」というセリフの哀しさにもしびれた。
エンタメ要素がほとんどなく、いかにもインディーズなテイストでアカデミー作品賞は異例とも言えるかもしれない。
あと、これだけの出演時間でオスカー獲ったMアリはちょっとずるい。

酔いどれ天使

2017-12-18 | 日本映画(や・ら・わ行)
★★★★☆ 1948年/日本 監督/黒澤明

(CS)

結核になったヤクザを三船敏郎。腕はあるがアル中の医者を志村喬。
「生きたい」と「助けたい」、それぞれの思いがすれ違う結末が切ない。
作中何度もインサートされる黒い泡を吹く泥池。
それは誰もがまだまだそこから這い上がれない泥沼の戦後社会を表しているのか。
肺病を患いながらも意気がって彷徨う男の物語だが、
エンタメとして飽きさせない映像になっているのがすごいと思う。
そして、これは両者ツンデレというBL作品ではないのか。

それにしても三船があんまりカッコ良くて見とれてしまう。
黒澤映画に初めて出た三船、この色気じゃそりゃ一躍スターになるよね。