Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

少林少女

2009-04-26 | 日本映画(さ行)
★★★ 2008年/日本 監督/本広克行
「方向性が全くわからない」

少林寺を広めたい。そのためのきっかけとしてラクロスに挑戦する。ほとんど、少林サッカーと同じプロットですね。じゃあ、なんでラストは超絶ラクロス対決にしなかったんでしょう。ラクロス挑戦と悪玉対決の2軸が全く融合していないんですよね。どっちかにすりゃあいいじゃん、という実に簡単な話です。

B級なのか、マジ路線なのか、これもどっちなの?ってことです。岡村隆史にしても、カンフーの素養があるのは、わかりますよ。わかりますけど、カッコつけてどうすんのよってこと。とことんアホキャラになれるのは、この人しかいないのに。デブキャラ(少林サッカー」にも出演していた彼)に対抗して、チビキャラでとことんいじられればいいんです。

振り切れないんですよね。で、どっちつかずのグダグダな仕上がりになっちゃって。豪華キャストがもったいない。柴咲コウをどうこう言うのは、彼女に気の毒。忙しいスケジュールの中、トレーニングだってしたんだろうし。

ハリウッドでは、脚本をいろんな人間がいじっちゃうなんてことをよく聞く。最初の草稿を書いた人間にしてみたら、ズタズタにされてかなわないなんて不満もあるらしいけど。でも、完成度を高めるという点においては、それもアリなんだろうと思う。なんたって、投資の額がハンパじゃないし、それだけ観客が満足できるものを作って回収しなければならにという使命があるから。本作にしても、結構な投資をしているはずで、それがこの完成度で回収できると思ってるんなら、観客をナメるなよってことじゃないかと思う。私がプロデューサーなら、この企画書にGOサインは出さないなあ。作品の意識がどこへ向かっているのかわからないっていうことで、広末涼子主演の「バブルへGO!」を思い出した。