『ありがち日記』

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「15時17分、パリ行き」

2018-03-04 | 映画

運命って本当に不思議なものだな…と思った本作。
クリント・イーストウッドとテロとを結びつけてド派手なものを想像して観に行ったけど、
どっちかっていうとテロを未然に防げた青年たちの生い立ちと、
当たり前の日常で起こりうる大事件、そこに居合わせた人々の行動を追いかける感じ。
しかも、青年3人や当時の乗客も本人たちが演じているのでびっくり。
すごいお金をかけた再現ドラマ…?(ともちょっと違ったけど…)

あらすじです。(シネマトゥデイ)

2015年8月21日、554人の客が乗るアムステルダム発パリ行きの高速鉄道タリスに、武装したイスラム過激派の男が乗り込み無差別テロを企てる。乗客たちが恐怖に凍り付く中、旅行中で偶然乗り合わせていたアメリカ空軍兵スペンサー・ストーンとオレゴン州兵アレク・スカラトス、二人の友人の大学生アンソニー・サドラーが犯人に立ち向かう。

あらすじはほとんどテロ部分しか書かれてませんが、
そっちは本編のほんの一部でしかありません。
主人公の3人が中学時代に出会った過程や、
3人がヨーロッパ旅行をただ楽しんでるところを描き続けていきます。
飲んだくれたり、美女と観光を楽しんだり…
中学時代でも、落ちこぼれというか、いじめられっ子タイプだし、
何か問題を起こしては親が学校に呼ばれるという。。
スペンサーとアレクについてはシングルマザーの家庭であることも強調されてました。

3人がやがて成長し、中心となるスペンサーは空軍に入るも、決して優秀でもなく失敗も多い。
他の2人も軍に入っているアレク、学生のアンソニーと、ごくごく当たり前なんです。

ところが、そういうどうってことない部分を描くことがこの作品では重要なんですね。
たまたま3人でヨーロッパ旅行を企画し、旅で出会った人の助言で行き先を決めたりと、
それこそ運命に導かれるようにその時に向かっていきます。
こちらは起ることがわかっているからそう見えるけれども、
本人たちはそんなこと知らないですからね(^^;

そしてその時は突然やってきます。
軍隊の2人の絶妙な判断、声掛け、行動、
2人の行動を見ながら最低限の指示の中で的確に判断し支援するアンソニー。
あ、うんの呼吸とでも言いますか、仲の良い3人だったからという気もします。
いろんな要因が重なって、無差別テロは失敗に終わりました…。
でも本当に紙一重、たまたまだったんだと思います。

英雄譚というか、理想のヒーロー像を描きたかっただけ?と一瞬疑問だったんですが、
そこじゃないのかもな、ということが後から何となくわかった気がしますね。
おそらく、この映画の評価のポイントもその辺りで変わってきそうです。
私は観てよかったと思っています。

コメント
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