『ありがち日記』

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文楽12月公演「仮名手本忠臣蔵」

2016-12-14 | 文楽

先日、国立劇場開場50周年記念として上演された文楽の通し狂言
「仮名手本忠臣蔵」を鑑賞してきました。
ちょうど赤穂義士たちが討ち入りした時期での鑑賞は、感慨深いものがありますね~。
(旧暦にしたら1月末ということなんですけど)
歌舞伎よりも先にできていたのが文楽の「仮名手本忠臣蔵」って
文楽鑑賞に夢中になるまでは知りませんでした。
文楽で人気の演目を歌舞伎でもやってるって知らなくて。
そして、それらと、私たちがこの時期によく時代劇ドラマや映画で観る「忠臣蔵」も、
討ち入りの事件がなかったらできていなかったわけで、
今の娯楽の充実は、過去の事件のおかげでもあるということを不謹慎ながら感じてしまうのです。

さて、鑑賞の件ですが、
第一部、第二部とあり、全十一段を通して観ると、午前10時半開演から、
第二部の終了午後9時半まで、11時間ぶっ通しということに…
東京近郊にお住いの方ならば、日を分けて鑑賞することも可能なんでしょうけど、
何泊もできるわけではないし、他の予定もあるので1日コースを選択しました。

でもですね、実はちゃんと対策をしたんです。
マスク、のど飴、お水、さっと幕間に食べられる軽食、目薬。
腰が心配だったのですが、そちらはまず何ともなく、どっちかっていうとお尻が疲れたくらいです。
トイレの行列はいつものことなので、ちょっと早めに並んでおけば大丈夫でした。 

おかげで、十分に作品の世界に浸ることができました^^
今までは特定の段しか観たことがなく、断片的な情報で何となくストーリーを知っているくらいでしたが、
淡々とその流れを追っていくことができたのは良かったなぁと思います。
事件だけではなく感情の流れもわかりやすかったです。

通しだけあって、フルキャストに近い豪華な顔ぶれを拝見できたのも嬉しいところ。
引退された方々もいるため、太夫と三味線のコンビの新鮮さとか、
人形遣いの若手の方々が活躍されている姿とか、
少しずつ変化しているその最中を、こうして追っていけるのも鑑賞の醍醐味ですね。

今までスルーしてたけど、今回やたら気になったシリーズ(?)としては、
六段目の「早野勘平腹切の段」で、勘平が腹を切った苦痛の中、血判を押す最後のほうのシーンで、
『腹十文字に掻き切り、臓腑を掴んでしつかと押し…』とあるんですけど、怖すぎですわ…(;´Д`A
そこ聞いた瞬間ぞくっとしました。
いやはや、昔の人は本当にそんな忠義に篤かったんでしょうかね…?
ドラマ仕立てで盛り上げているという面もあるとは思いますが、
普通の人間はそんな苦痛の中で血判を押すほどの精神力があるものなのかしら?

九段目の「山科閑居の段」では、
大星力弥とじゃなきゃ結婚しないもーん!っていう小浪ちゃんが可愛い(?)展開だと思い込んでたけど、
加古川本蔵の家族内ストーキングとか、由良助とその妻お石の本心だとか、
いろいろ見どころのある場面だったんですねぇ~(コラ…)

毎度新しい発見があって面白いんですよね。

心地よくて眠くなるところもありましたけど、
朝早く起きて移動した疲れの割には集中して観られたと思います。
何より今年最後に良い経験ができました。

今年の文楽納め、無事に終了しました。また来年も楽しめるよう、精進して参ります('ω')ノ 

コメント
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