スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師

さぁ、色々楽しみ！
もう期待は高くって高くって、楽しみでした。

血が滴り落ちるオープニングからわくわくしてしまった私は、危ないでしょうか？
これから始まるであろう復讐劇に胸踊りました。
ここからすでに、徹底的にこの映画の世界を作ってきているなと思いました。
そして出てきたスウィーニー・トッドは歌っていました。
そう、これはミュージカルなんだとここでなぜか改めて確認でした。
ストーリーがどの方向に進んでいくか全くわからなかったので、終始見入ってしまいました。
明るい色が滑稽に見えるくらいに、ロンドンのうっとうしさを表したような暗い映像に、赤がよく映えていました。
もう全体の血の量が半端なく、ぷしゅーっ！どばどばー！って。
でもどこか美しくも見えてしまうんだから、不思議です。
あまりにも人をスパスパと掻っ切るトッドの恐ろしさは、どこかで嫌悪感を感じながらもゾクゾクしました。
判事を殺そうとする時に鳥肌が立ち物凄く緊張しました。それほどこの映画に見入っていたかと思います。
ミュージカルといえば明るいイメージなのですが、これは残酷な悲劇。
コレはもう暗い形でしか終われないなと思ってはいたのですが、それはあまりにも残酷でした。
あのとき彼を止めていれば、愛がなければこんなことにはならなかったのに。などと考えてしまうんですよね。
なるべきしてなってしまったこの悲劇。ラストシーンがとても印象的でした。
もう観ている間にず～っとこの暗い世界に釘付けさせてしまう、とても不思議な魅力と力がいっぱいの映画でした。

ミュージカルというと印象に残る音楽がいくつかあるのがフツーですが、今回はどちらかというとそういうのが少なかったです。
セリフに音を乗せてみましたーって感じが多かったからかな。
そこが少し残念なところではあるのですが、それでもこの映画の世界観からはこういうのもありかなーと。
当たり前ですがジョニーが歌っていました。小細工した歌い方していなかったので、この歌声で大丈夫か？と思いましたが、大丈夫でした。
ってかジョニー・トッドはかなり怖かったです。目が落ち顔は青白く、復讐に一心に向かう姿は恐ろしかったです。
ホントにこの人はなんにでもなれるんだなーと、これで何回目の確認でしょう？
観るたびにに思ってしまいます。
でも途中で、ジョニーの歌よりもなかなか歌わなかったアラン・リックマンの歌声のほうが気になったり。
結構甘い声でステキでした。
ヘレナ・ボナム・カーターはゴスロリちっくな衣装や歌を始め、かなりのよかったです。
他のキャストもこれ以上考えられないくらいのハマリっぷりでした。