さよなら。いつかわかること

これでも反戦映画。
戦争の悲しさを伝えるのには、色んなアプローチがあるんですね。

とても静かな映画でした。
起伏が少ないので少し辛い部分もあるのですが、静かに戦争のことと残された家族について教えてくれたと思います。
そうなんですよね、戦争に行ってしまっているのは何も男性だけじゃないんですよね。
そこにはパパだっているけど、ママだっているんですもの。
娘と母親って関係と娘と父親って関係はちょっと違うからそこに距離感が出てきているんですけど、そこから近づいていくところがよかったな。
一応ロードムービーになるのでしょうか。
そこに至るまでがと～～っても丁寧で長い！って思ってしまうくらいなのですが、それでもじっっくり描くのにはちゃんと意味がありました。
ママがいなくなってしまったことを伝えられないスタンレーはもどかしく思ってしまうんですけど、娘二人を突然「魔法の庭」に連れて行く！って言ったときはちょっと辛くって。
だって明らかに難しそうな人なのに、そんな人が思い悩んで必死に娘たちのことを考えていたから。
そこでしっかりもののお姉ちゃんが「何かあったのかな？」って映画全体を通して勘付いているんだけど・・・。
さすが長女よね。ホントしっかりしています。そして気を使っています。
そういえばパパと一緒にタバコ吸うところがよかったな。
親と一緒だったらって考え方が、うちのと似てたからなんか親近感（笑
いくら背伸びしてもまだまだ大人になりきれないお姉ちゃん。
まだまだ子どもだから、パパの電話を聞いたときは「死」という認識ができていなかったんでしょうね。
考えたくなかったことだったから、彼女からは排除されていただけかもしれないけど。
ママがいなくなったっていうのを伝えるシーンがとても印象的でした。
言葉で伝えるのではないシーンは、その表情からそのままの彼らの心情が伝わってくる気がして。
とってもじ～～んとしてしまいました。
全体がちょっと長く感じてしまったけど、ささやかで最後にはじんわりと優しくなれる映画でした。
後半に入ってくる音楽も印象的。簡単なピアノの旋律なのに優しかったな。

いつまでたっても顔を覚えられないジョン・キューザックです。
そんな彼よりも今回は姉妹二人がとても印象的。
ハイディの繊細な感情は、胸が苦しくなったりしました。
ドーンの明るい声は映画を壊すことなく、でもとっても安心させてくれる明るさでした。