新刊の森

人文分野を中心に、できるだけその日に刊行された面白そうな新刊を、毎日三冊ずつ紹介します。役立ちそうなレシピにも注目。

珍しいスタンスの「日本食と出汁―ご馳走の文化史―」

2018年12月27日 | 新刊書
日本食と出汁―ご馳走の文化史― (生活文化史選書)
松本 仲子 (著)

日本のだしはフランス料理のソースとは違った意味で文化を象徴的に表現するものでしょう。
簡単な澄まし汁でも、だしは難しいもの。
そうしただしについて、レシピではなく文化的な遺産として考察するという珍しいスタンスが
興味深いですね。
汁物のおいしいだしはとれないとしても、もっと別の意味でのだしがとれそうです。



単行本(ソフトカバー): 264ページ
出版社: 雄山閣 (2018/12/27)
言語: 日本語
ISBN-10: 463902617X
ISBN-13: 978-4639026174
発売日: 2018/12/27
¥ 3,024


内容紹介
分とく山 野崎洋光氏 ご推薦!

大切な食を大事にするには、知識と知恵が必要です。
やる気はあるけど突破口がみえず先に進まぬことがある。
知りたいけど知る知識が無いため先に進めない。
過去があるから今がある、未来がある。
こんな本が欲しかった。
――分とく山 総料理長 野崎洋光


日本食を知りたい!
本書は、「ハレとケ」の献立と配膳などを文献から紐解き、日本食文化の成り立ちを解説するものです。
2013年にユネスコ無形文化遺産に登録され、また「日本のおもてなし」の感じさせる食文化として新たな関心が高まっています。
風味、色彩の豊かさ、食しても目にしても季節を感じる日本食の成り立ち。
洗練されてきた過程。
「五感で感じる」ことを特長とする日本人が創り出してきた繊細で豊かな広がり。
こうしたことが、特別な日の食にも、日常の食にも、実は息づいていることを、文献を紡ぐことから明らかにしていきます。
また、日本食のベースになる出汁そのものへ注目されることから、『正倉院文書』(701~781年)から『野崎洋光が考える 美味しい法則』(2016年)までの文献41点から、その変遷を見ていきます。
出汁への考え、取り方、利用方法などを振り返りながら、「日本の味」となった理由を解説していきます。

過去から今へ連綿と続いてきた日本食を実感できる「ご馳走の文化史」です。

著者について
松本仲子(まつもとなかこ)
1936年生まれ。
聖徳大学大学院人間栄養学研究科兼任講師。
1974から2006年まで、女子栄養大学、大学院において「調理学」を担当。2006から2012年まで、桐生大学において「調理学」「食文化論」を担当。
1999年より、聖徳大学大学院人間栄養学研究科兼任講師として「食文化特論」を担当して現在にいたる。

<主要論文>
『大名の日常食 壬生藩主の御献立帳(文化二年)から』右田節子、湯川晴美共著/國學院大学栃木短期大學紀要第三五号(2001年)/『市販だしの素の表示成分と嗜好』工藤貴子共著 日本食生活学会誌二十五巻(2015年)。


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