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象が転んだ

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NHKBS「北朝鮮”帰国事情”60年後の告白」に見る、アジアは1つの認識と人道的問題の重要性と〜国家と政治は何時の世も人権を蔑ろにする〜

2019年06月17日 05時28分27秒 | アジア系

 最近のNHKは非常に冴えてますね。「GODZILLA(2019)」という”稚作”を見た後だけに、この番組は体中が震える程の衝撃でした。

 ”トルーマンの真相”も”カーチス•ルメイ”も”オッペンハイマー”も”チューブアロイズ計画”でさえも、何処かに吹っ飛びそうな衝撃でした。まさに、広島•長崎の原爆投下に相当する衝撃と言ってもいい。
 少し大げさですが、そんな思いを強くした番組でした。

 以下急いで書き上げたんで、駄文や失礼があるかと思いますが、悪しからずです。

 

北朝鮮”帰国事情”60年後の告白

 ”1959年、北朝鮮への帰国事業はどのように始まったのか?世界各国の機密文書が開示され、その舞台裏で日朝両政府だけでなく、冷戦下の米ソ韓が、し烈な外交戦を繰り広げていた事が明らかになった。
 今、脱北した在日コリアンや日本人妻が重い口を開き始めている。これまで”ツラい状況にあった”とだけ語られてきた北朝鮮での生活が、時の政策や国際情勢に翻弄され続けてきた事実が浮かび上がる。帰国事業の真相に迫る壮絶のドキュメント”


 1959年から25年間続いた帰国事業では、9万3000人余り(日本国籍者約7000人を含む)の在日朝鮮人が北朝鮮に渡った。
 当時の北朝鮮は”地上の楽園と”噂されてた。彼らは故郷を新生活を夢見て渡ったのだ。勿論、多少の疑いもあったが、それを上回る期待と歓びがあったのも事実。

 在日朝鮮人の6.5人に1人に及ぶ”大民族移動”だった。この人たちが北朝鮮でどのような生を送ったのか?詳細は不明のままだ。
 また激しい冷戦対立下にあった当時、資本主義から社会主義への10万近い大移動が、どのような外交交渉があって実現したのか?多くはベールに包まれたままだった。

 NHKは、北朝鮮から脱出した元帰国者を大阪と東京と韓国で取材し、新たな証言を得た。また、世界各国の当時の機密文書を入手し、舞台裏で日朝両政府だけでなく、冷戦下の米ソ韓がし烈な外交戦を繰り広げていた事が明らかになった。
 
 現在、北朝鮮を脱出した元在日帰国者約200人が大阪と東京にひっそりと暮らしている。また韓国にも300人ほどが入国している。

 以上、NHKBSサイトより抜粋&編集でした。

 

人道支援という名の”帰国事業”のペテンと
 
 北朝鮮にも母国の韓国にも、そして育った日本にも裏切られた”在日”たち。そこに”人道”という言葉はなかった。同じアジアの民族じゃないか?って叫びたくもなった。

 ”在日の受け入れ”という帰国事業を、単に外交政策の一貫として扱った北朝鮮。そして、財政負担になるとし、在日の帰国を歓迎した日本。そしてそれを警戒し、反対するアメリカと韓国。

 しかし、帰国事業において北朝鮮はなぜ帰国者を冷遇したのか?歓迎するといっておきながら、”日本からの帰国者”として差別し、収容所に入れた。
 帰国者と北朝鮮が、それぞれ相手方に好き勝手で安易な幻想を抱き、それが国家と現実により裏切られ、最後には幻滅する。 

 ”人権”を無視し、人間を飼い殺しにする”国家”に翻弄された人々の姿を、浮き彫りにした圧巻のドキュメント。
 戦後、困窮する在日朝鮮人を支えきれなかった日本社会にも日本政府にも責任はある。しかし、金日成ら北朝鮮の政治指導者の罪は、それらを遥かに凌駕する。”人権”を無視する彼らの基本的な体質は今でも当り前の様に続いてるのだ。
 在日朝鮮人の人権が守られる日は、果たして到来するのか。

 

現実と地獄と国家の思考と

 北朝鮮という故郷の”地獄”に送られた93000人の彼らは彼女らは、一体どの様な人生を送ったのか?それは在日朝鮮人史の中に刻まれるべきだが、詳細な記録はない。

 そもそも”帰国事業”は、日本国内で差別と貧困にあえぐ在日朝鮮人を祖国に帰す人道事業と”慶事”(祝い事)として、在日朝鮮人と日本人が共同して推し進めた。つまり、日本社会全体で93,000人の在日朝鮮人を励まし、背中を押して北朝鮮に送り出したのだが。

 しかし現実は全く違った。資本主義と社会主義の富の差は歴然としていた。米ソの冷戦が絶頂を迎える中、日本の”中立政策”は当然アメリカや韓国の反発を買う。
 中国やソ連や北朝鮮は、経済復興に邁進する日本を何とか味方に付けたかった。しかしアメリカや韓国がそれを許す筈もない。

 日本は日本で、在日朝鮮人の”面倒”には手を焼いていた。特に、10万?を超えると言われた生活保護クラスの在日の存在は、日本の財政を圧迫していた。

 そんな中、北朝鮮から”帰国事業”の話が持ち上がる。それも世界赤十字社を抜きに話を進めるという、非常に危険な条件だ。
 つまり、この”帰国事業”に最初から”人権”というものは存在する筈もなかった。

 勿論、日本は必死で北朝鮮を説得した。当然、米韓の反対もあった。特に韓国は、”在日を受け入れるには日本が資金を提供すべきだ”と迫った。全く、北朝鮮同様に呆れた国家だ。
 結局、日本政府はソ連を仲介し、説得に務めた。結果日本が折れる形で、ほぼ無条件での”帰国”が認められた。

 人権というものは、政治の前では当り前の様に敗北する。全くその典型だった。

 国家が率先して、何かをアピールする時、安易な信用や安心は自殺行為を意味する。故に、見抜く力を養う為には学ぶ必要がある。国家という単位の”危険な思考”から抜け出す為にもだ。 

 

最後に

 とある教授はこう語る。”北朝鮮だけでなく、各国の外交に利用されるだけだった帰国者たち。彼らの人権を考える国はなかった”
 
 ”俺たちは何処へ行っても差別され、冷遇された。日本でも北朝鮮でも母国の韓国でも。この歳になって友達一人もいない。こんな人生ってあるか!”
 脱北した在日コリアンの、この言葉が全てを物語る。



8 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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象転さんへ。 (テレビとうさん)
2019-06-17 08:09:40
当時の朝鮮総連に加盟している在日朝鮮人は「朝鮮は戦勝国側である」と主張していて、民族主義的で共産主義に親和的で、日本人より優越した権利を主張をしていました。実際に韓国民団と共に、「在日」でいる事によって多くの利権を得ていました。
勿論、「NHK」を含む多くの報道機関や社会党・共産党もこれを応援していました。

当然、自民党にもこの利権を貪った人も多くいましたが、当時の情勢に逆らう事は、今で言う「人種差別主義者・ヘイトクライマー」のレッテルを張られる覚悟が必要になります。

1957年の赤十字国際会議で、「あらゆる手段を講じて、これらの大人及び子供が、その意思に従い、幼少の子供にあっては、何処に居住するとを問わず、家長と認められる人の意志に従って、その家族と再会することを容易ならしめる」と、暗に帰国事業を支持しています。そして、1959年から帰還事業が始まりました。

つまり、当時は「帰還事業」に反対する事が「人道に対する罪」になりました。総ては現在も含めて、プロパガンダの為せる業です。
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TVとうさんヘ (lemonwater2017)
2019-06-17 16:26:20
こういうコメントとても勉強になります。朝鮮系のネタは入手する機会が少ないので、非常に助かります。

朝鮮総連の黒い噂はよく聞きますが。日本としても、少々貧しくとも故郷に移り住んだ方がと思うのが人情ですかね。

利権が絡み、メディアが絡み、人権は蔑ろにされ、どっちに転んでも悪く言われる。何かややこしい奇妙な悲劇なんですかね。
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Unknown (Unknown)
2019-06-18 01:29:48
日本政府は悪くないでしょ。
北朝鮮や韓国政府がやった事と比べると雲泥の差よ。
曲がりなりにも日本には正義と人道があった筈よ。

この韓国の教授の、北朝鮮と韓国と日本を一括りにする発言は全然オカシイ。
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Unknownサン (lemonwater2017)
2019-06-18 07:49:35
確かにですね。
私も急いで書いたんで、誤解を招く所も多々あるかな。

私が日本政府なら、全く同じ事したと思います。何でも国や政府やメディアのせいにする悪い癖が付いてるのかもですね。

反省!反省!コメントどうもです。
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Unknown (unknown)
2019-06-19 02:57:33
北と韓国が悪い!
日本政府は赤十字を通そうとしたでしょ。しかし北ははねつけた。危機感を募らせた韓国は、金を出せば引き取ってやると日本に迫った。
日本政府には最低限の人道とギリギリの人権はあった。勿論、政治的利益も多少はあった筈だが。

でもアイツら今と昔と全然変わってないんだ。
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Unknownサン (lemonwater2017)
2019-06-19 04:26:51
正直を言えば、その通りなんですが。
政治的駆け引きも国家的な駆け引きも無視はできないですが。

そんな中、日本政府はよくやったと思います。ナショナリズムか?人権か?ほんとギリギリの所だったんですかね。

政治の事は難しいです。
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彼の国は (びこ)
2019-06-19 08:32:45
現代版地獄ですね。ああいう国がこの21世紀に存在していること自体が不思議です。と同時に帰国事業で戻った人たち、それよりも可哀想なのが日本人妻です。
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ビコさんへ (lemonwater2017)
2019-06-19 11:00:23
日本人妻の証言も痛々しかったです。一人一人拒否権が認められてた筈なのに、いざ出国となると一家の主の判断だけで決まったそうです。

まさに人権とはそういう意味なんですね。男には拒否権を認め、女には認めないと。

でもそれ以上に、北朝鮮の現実と韓国の言い分は酷すぎますね。今と全く変わってませんもの、煮ても焼いても朝鮮半島なんですかね。
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