象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

こんな消防団ならいらない?(前編)〜もう一つのブラックボランティアの実態と(追記)〜

2020年04月23日 03時09分57秒 | 独り言&愚痴

 ”消防団の甲子園”とまで言われる「消防操法大会」がコロナ感染拡大の為に、辞退する地域が目立つ。
 しかし今回、この消防ポンプ操法を辞退した茨城県下妻市の消防団のケースは、団員不足と団員に対する負担が主な理由だ。
 実は私も、この消防操法大会に参加した記憶がある。
 結論から言えば、全くの百害あって一理なしの大会だと思ったし、いい記憶や思い出なんて一つもなかった。
 ああ、1つだけいい事がある。ポンプ操法に参加した分団には、真新しいポンプ車が贈られる事だ(多分)。

 ”日本から祭りがなくなる”でも書いたが、私は祭りというものに理解がない。そして、ボランティアというのにも理解がない。
 全く人間としては最低な生き物だが、タダで他人の為に身を犠牲にして働くというのがどうも理解できない。
 せめて何かを要求すべきだと思う。お金がタブーなら、自分が苦境に陥った時に”助けてもらえる”券とか。
 他人が苦境に陥った時にタダで奉仕するんだから、そういう権利は当然あると思う。
 ボランティアとても、立派なトレードオフになりうる行為だし、トレードオフにすべきと思う。

 しかし実際の自然災害時では、一部の政治家や土建屋だけが儲かる?仕組みらしい。
 事実、”フクシマ”の時も建築資材が急騰し、復興が上手く進まなかったという。
 そうでなくとも、タダ働きのボランティアは百害あって一理なしなのだ。
 医者は病気を治せなくとも、多額の報酬が保証される。一方、ボランティアは何ら一切の報酬は保証されない。窮地に追い込まれた尊い命を救ってもだ。
 つまり、ボランティアには元々ブラックの要素がふんだんに含まれてる。


地域消防団と消防操法大会の無駄

 そういう私だから、半ボランティア扱いの地域消防団が嫌で厭でたまらない。事実、とてもイヤな記憶がある。

 日本全国には約2000以上の地域消防団というのが存在する。この半ブラック的な集団の存在が私には全く理解出来ない。
 事実この消防団だが、団員数は年々減り続け、皮肉にも火事の件数に比例するかの様に、昭和44年(1969)には123万人いた団員も、昨年は過去最低の83万人に減少した。
 高齢化やサラリーマン世帯の増加が要因と見られてはいるが、本音を言えば、ごく一部の地域消防団を除き、”アホ臭”なのだろうか。

 因みに、”消防団とは消防組織法に基づき、各市町村に設置される非常備の消防組織の事で、消防団員は別の職業などに従事しつつ、火災や大規模災害の発生時に、自宅や職場から現場へ駆けつけ、消火活動や救助活動を行なう”とある。
 全くこの条文自体が”非常識”なんだが、消防団経験者の私からすれば、消防団こそが非常識のボランティアなのだ。

 ただ、消防団員は純粋なボランティアではなく、”非常勤の公務員”という位置づけです。
 まず、階級による年俸(2万~10万)と、火災•水防•行方不明者捜索•地元花火大会の警戒•訓練•式典等に出動した際は(500円~7千円)の手当が出る。因みに、最高位の消防団長となると40万近い年棒となるらしい。
 それ以外に、各分団への市からの活動補助金が年20万〜30万ほど。これに件数により異なるが、住民から集める消防費が70万円程あったかな。
 これら合計100万ほどが、年間の呑み食いや消防旅行の資金源になった様な気がする。
 また退職の際、5年以上勤めた団員には、退職手当(16万~90万)が階級や団員歴により決定し支払われる。
 これ以外に任意だが、消化器交換費として、10万ほど(件数により異なる)が臨時収入となる。

 これは私の田舎のケースで、金額は地域によって多少は異なり、大体の目安と思ってほしい。
 故に、消防団勧誘の際は、これらの”儲け”を口実にし、強引に丸め込む。勿論、入団したら、最初は居心地はいいが、その後は誰もが知りうる様な地獄?の日々である。


こんな消防団ならいらない?

 故に、この地域消防団とは聞こえはいいが。実態は消火活動を理由に集まり、活動補助金や消防費を頼りに、酒を呑んでるだけだ。
 そういう私も5年ほどいたが、これといって地域の消火活動に貢献した記憶はない。ただ何かを理由に酒を飲んでただけだ。会計まで務めた事のある私が言うのだから、ある程度は信じて欲しい。

 この消防団の行事も、お祭りや伝統行事やブラックボランティアなどと仕組みは殆ど変わらない。スポンサーが税金か民間かの違いだけだ。
 丁度、お祭りや花火大会を税金で行う様なもんだ。消防団とは名ばかりで、市の消防署とは異なり、消火や救出のプロではない。
 それに現状は、火災現場での渋滞を引き起こし、本署の消化活動の邪魔をしてるだけだ。

 しかし、消防団が必要だとされる表向きの理由はこうだ。
 ”常備消防では戦力が足りない。火災が多い冬期などは、同時に2ヶ所の火災というのもあるし、大きな火災では消防署や消防団でも何時間と鎮圧できない事もある。
 また地方では、消防署の管轄する範囲が広く、到着までに時間が掛かる。それまでに地元消防団が初期消火をし、鎮火までもっていく事も多々ある”

 おおっ〜、言ってくれますな。
 戦力が足りないというが、火事が何時も何時も起こる筈もない。ただ、大規模の火事の場合は、消防署だけでは鎮火は不可能だ。
 しかし、そんな大規模な火事は年に1度あるかないか。隣の市町村に消火を要請すれば済む事だ。
 地元消防団の存在より、隣接する市町村の消防隊との密でスムーズな連携が必要なのだ。

 しかし、田舎は古い木造家屋が多い。都会の高層ビルの火災はもっと厄介だが、古い木造の火災も厄介なものだ。火が燃え盛ったと思ったら、一気に焼き尽くす。密集してる民家なら、最悪の事態もあり得る。
 ただ、5年間いた私の経験からすると、そこまで酷い火災は皆無だった。
 密集した住宅街の火事もあったが、野次馬や地元消防団の車が道を塞ぎ、市の消防署が到着した時はベストポジションがとれない。その上、消火栓が既に枯渇し、遠くから水を引かざるを得ない為、鎮火に余計に時間が掛かった。
 悲しい事に、複数の地元消防団の放水の大半が燃え盛る火種に命中しないというおまけ付だった。お陰で、市本部からきつく怒られた記憶もある。


”団員多くして鎮火せず”

 一方で、隣町のお寺の火事も凄かったが、水で消せる次元ではなく、あっという間に堀の水は干上がり、全てが燃え尽くし、鎮火するのを指を加えて眺めるだけだった。 
 結局、おらが村の地域消防団にできる事といえば、極端に限られる。つまり、”団員多くして鎮火せず”の典型なのだ。
 消防団及び団員に無駄な税金を回すくらいなら、高価だが消防ヘリを購入も検討すべきだろうか。
 神戸淡路島大震災の時も、空から消防ヘリで消火してたら、被害は減したであろうとも言われてるが、課題も多い。
 しかし陸路での消火活動では、消火栓の水はあっという間に枯渇し、遠く離れた海から水を引いた為、陸路での殆どの消火活動では鎮火には程遠かったとされる。

 この時の苦い記憶と反省もあってか、兵庫県は3機の川崎BK117(11億円)を揃えた。この予算を多いと見るか、少ないと見るか?
 日本みたいに火災時の渋滞が慢性化する国では、陸路での消火活動は不可能に近い。
 ポンプ操法を開催する資金があったら、地元消防団に旅行や呑み食いさせる予算があれば、ヘリを購入した方が安くつくだろうか?そう思うのは私だけだろうか?
 因みに、ヘリは搬送とかには効果大だが、維持費、飛行時間、点検、騒音、下からの吹き付け、積載量など縛りが多く、高く付く割には弊害も多いと事です。以上コメントから補足です。

 事実、消防ポンプ操法の打ち上げの場では、大会の是非を巡り、市の本署消防隊の上司と若手で激しい口論になった。
 若い隊員は”こんな大会必要あんのか?仕事や家族に負担を掛けるだけじゃないか?”と突っかかり、老いた上司は”昔からやってる事だ”と引き下がらない。
 こういった光景は、日本全国どこの地方自治体でもあり得る事だろう。
 私には、口角泡を飛ばし、必死に抵抗する頑固親父が”陸の三馬鹿”(要Click)に思えた(笑)。

 次回の後編では、このポンプ操法大会への参加をやめた地元消防団の実情と未来についてです。



11 コメント

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Unknown (gundam08)
2020-04-23 10:32:36
はじめまして、同感です。仕方なく消防団に所属してますが、消防隊員嫌いです。大変なのは救急隊員で、前職では、色々協力して仕事しました。
事実、消防隊員は、出動手当ての為現場に、急行余計な渋滞など、仕事に支障が出ます。
ヘリは、搬送とかには効果大ですが、まず値段が高級住宅が購入できます。維持費、飛行時間、燃料、点検(何時間)騒音、下な吹き付ける暴風、積載量など、縛りが多く、現場の隊員から帰れと言われる始末です。
消防隊員変わってる人が目についた印象です。
内容がなくてスミマセン。
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gundam08さん (象が転んだ)
2020-04-23 11:37:14
多分二度目でしょうか。
上手く丸め込まれたんですかね。
隣町の消防団では分団長が消防か仕事をとるかで追い詰められ、自殺したとの噂でした(多分本当でしょう)。

ニコラスケイジの「救命士」を観た事あるんですが、現場の悲惨さにやりきれなかったです。ヘリは高価な値段の割には弊害も多いんですね。早速更新しときます。

穿った言い方ですが、消防に長く入ってる人は何らかの利権が絡んでる様に思えますね。消防団をやめて10年以上になりますが、火事の件数がめっきり減った様な気がします。それに未だに嫌な気持ちで一杯です。
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Unknown (gundam08)
2020-04-23 13:27:03
消防も、運用を見直す時期だとおもいますね。
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Unknown (gundam08)
2020-04-23 13:33:05
追伸、すべて見直す時期ですね
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空中消火 (paulkuroneko)
2020-04-23 13:35:06
消火ヘリに関しては、まだまだ課題が多いみたいです。救助ヘリやドクターヘリと言っても殆どは搬送が目的です。
”空中消火”と言って、アメリカやロシアでは軍用機や航空機を使い、消防隊とは異なる専門のチームが行うらしいです。

日本では、地方自治体が所有する消防防災ヘリコプター(2018年総数75機)を使い、機体固定式タンク(1800L)又は、吊り下げ式バケット(1000L)を使用し消火を行います。自衛隊が所有する大型ヘリでは7000Lのタンクを設置できます。1960年から行われてますから、歴史的には古いんですね。

これら空中消火機は”エアータンカー”とも呼ばれ、森林火災などを中心に活用されます。日本は山が多く、市街地は渋滞しますから、こうしたエアータンカーの積極的な活用は必須だとは思いますが。

少なくとも酒呑むだけの消防団なら税金の無駄ですよね。
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gundam08さん2 (象が転んだ)
2020-04-23 14:15:30
結局、ドン百姓の暇つぶしなんですよ、酒を呑む為に何か理由をつける。

ごく一部の森林地域の消防団を除き、全て廃棄した方がお国の為ですね。
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paulさんへ (象が転んだ)
2020-04-23 14:21:23
空中消火というんですね。小型ヘリでも500L程の消火剤は運べますから、市街地の火災には即効性があるように思えます。
低高度だと問題ありですが、中高度でピンポイントに落とせば効率良さげです。

少なくとも呑喰い消防団よかマシですね。お陰で色々と勉強になりました。
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Unknown (gundam08)
2020-04-23 15:51:56
ドン百姓でコメントしてスミマセンでした。
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gundam08さん3 (象が転んだ)
2020-04-23 15:58:54
いえいえ謝る事ないですよ(笑)。
そういう私も同じ様なもんです。ドン百姓の娯楽と誘惑に引っかかり、とても痛い目にあいましたから。

なにかに理由をつけて、早く辞めた方が身の為ですかね。因みに5年以上いれば僅かながら退職金が出ますから、辛抱もアリですが。
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Unknown (gundam08)
2020-04-23 18:33:35
参考に、させて貰います。👍
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