象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

Baby kill a Baby〜真夜中の訪問者、その64

2021年04月04日 05時59分00秒 | 真夜中の訪問者

 ”平和の祭典”と脚色されたオリンピックに税金は食い潰され、同じ様に政治家や官僚に日本国民は食い潰される。
 肥大イベント化するオリンピックを見てると強くそう思う。”平和の為”というより、”政治屋と土建屋の懐の為”と言った方がいい。
 土木事業の拡大と共に官僚制が生まれ、古代エジプトの官僚たちはファラオ(王)の奴隷だった。
 つまり、ピラミッド建設を正当化する為に官僚という名の奴隷が生まれたと言っていい。オリンピックも同様で、税金の食い潰しを正当化する為に、”平和の祭典”という名目の税金の無駄使いにより、結果的に官僚たちが国民の財産を好き放題食い潰すとしたら?

 今から思うと、たかが一人の王(ファラオ)の権力誇示の為だけに、巨大ピラミッドを建てる必要はどこにもなかった。全くの労力と税金と時間の無駄である。
 勿論、芸術作品としてみれば、多少の価値はあろうが、所詮は石を積み上げた三角錐の巨大な建物に過ぎない。
 つまり、一人の王がその強大な権力を駆使し、国民の財産と労力と能力を搾取する事で、人類の存続が成立するのであれば、それは人類同士の”喰い潰し”の歴史とも言える。
 因みに、”食う”は”楽しんで食べる”という意味が含まれ、”喰う”とは”生きる為の食事”との意味が強い。


赤ん坊も喰い潰し合う?

 そんな事を思いつつ、日本酒を飲んでたら、晩飯を平らげる前に眠りこけてしまった。
 夢の中では、お腹を膨らませたブロンドの女がいた。
 ロシア系アメリカ人風の美しい女性は、”ここ最近、腹が張り過ぎて痛いの”と漏らす。
 私はその身重女の旦那らしく、お腹をさすりながら、いたわりの言葉を呟く。
 ”子供が元気な証拠だよ。もう手足をジタバタしてるじゃないか”
 女は不満そうだった。
 ”でもまだ3ヶ月なのよ。今の時期にこんなに暴れられたら、身体がもたないわ。お腹が裂けたらどうすんのよ”
 
 私は、女房のお腹を覆うドレスを捲くりあげた。確かに、恐ろしい勢いで手足をバタバタさせ、妊娠3ヶ月にしては結構なまでに膨らんだお腹が、奇怪な異物にさえ思えた。
 そのうち、赤ん坊の頭の形がはっきりと判る程にまで、お腹が歪に変形した。まるでヒュドラが出てきそうな幻想に陥った。
 女房は苦しそうだが、まだ冷静を保ってはいた。
 しかし私は医者を呼んだ。このままじゃ、母子共に死ぬと思ったからだ。

 医者が到着する前に、破水が始まり、3つの白い塊が床に落ちた。1つだけがピクピクと動き、残りの2つはピクリとも動かない。
 覆われた白い膜を自ら破るようにして、最初の赤ちゃんが勢いよく飛び出してきた。とても元気そうな赤ん坊で、それまで困惑してた女房もホッとした表情に変わった。
 2つ目の塊はとても軽かった。嫌な予感がしたが、恐る恐る膜を破いて開けてみると、クビから下がない・・・
 唖然とした私だが、気が動転しながらも女房を心配させない為に、必死で冷静さを保とうとした。
 3つ目の袋は重かったが、膜を破って赤ん坊をすくい上げると、息をしてないらしく顔面は蒼白だった。私はすぐに心臓マッサージを行い、呼吸を復活させようとした。

 その時、後ろから声がした。
 ”もう無駄ですよ。お子さんは死んでます”


悲しくも厳しい現実

 到着したばかりの医者は、何事もなかった様に言い放つ。
 私はその医者を睨みつけた。
 ”では、首から上だけの赤ん坊はどう説明するんだ!”
 医者は冷静だった。
 ”よくある事なんですよ。多分、お母様のお腹の中で喰い殺したんです。まず1人目を喰い潰し、もう2人目を喰い潰そうと首を絞めて殺したんです”
 私は冷静ではいられなかった。
 ”そんな事があっていいのか?それじゃ単なる殺人だろう”

 医者はうつむき、静かに首を降る。
 ”自然界ではよくある事なんです。同胞を喰い殺す事で自らが生き残る。種を残す為の強かな生存戦略なんです”
 ”バカな!そんな事、誰が信じるもんか!”
 ”お陰で、大きくなった赤ん坊は体力も倍増し、僅か3ヶ月で外に飛び出したくなったんですよ。3人の子供を育てるより、1人の子供が3ヶ月で生まれてくれた方が経済的にも環境にも優しいでしょう”

 私は目の前にいる医者の良識を疑った。
 ”アンタはそれでも医者か?たった今、目の前で2つの尊い命が失われたんだ。経済的とか環境とか、そういう問題じゃない”
 医者は今度は私を睨みつけた。
 ”だったらハッキリと言わせてもらいますが。今のアナタにそれだけの経済的余裕があるんですかね。つまり、3人の子供を育てるほどの余裕がです。
 今のアナタの経済状態を考えると、お子様の選択は正しかったと言わざるを得ません”

 私は女房の顔を見た。彼女は目を逸らし、すぐにうつむいた。
 ”あの子供は私達夫婦の経済事情を知ってて、敢えて2人の子供を喰い殺したというのか?”
 医者もうつむいた。
 ”信じられませんが、そういう事になります。人の生存戦略とはそういうものなんですよ。全てを悪く思わないで下さい”

 私は何も言えなかった。そして、夢が覚めた。


最後に〜食い潰される前に喰い潰せ!

 「オリンピックは中止しよう」で私は、”このままでは国民は、政治家に食い潰される”と書いた。
 この夢はまさに、”食い潰される前に喰い潰せ”と、神様が教えてくれた様な気がした。

 つまり、今すぐ政治家を我々国民が喰い潰さない限り、我々は簡単に食い潰されてしまうという事なのだろうか?
 夢の中で何とか生き延びた赤ん坊は、自らの生存戦略の為に同胞を”食い潰される前に喰い潰した”のだろうか?
 ファラオみたいに、自らの権力誇示の為に大衆を食いつぶす事が予め解りきってたのなら、逆に権力の頂点に立つファラオを喰い潰せばいい。しかしピラミッド型の官僚(奴隷)構造では、そう簡単には行かない。

 ペレルマンのリッチフローみたいに、ピラミッドの頂点(特異点)を1つ1つ切り取り、キャップを被せれば、(有限時間内に)権力の増殖を食い止める事は可能な筈だが、現実には多様体の特異点をパッと解消する様に、権力を喰い潰す事は不可能だろう。
 しかし、我ら弱い立場にある大衆が生き延びるには、今の政治家や官僚は肥大化した税金を貪るオリンピックと同じで、廃棄するしか他に方法がない様に思える。
 或いは、全ての政治家や官僚をAIに置き換え、そのAIの行動をオンラインで国民が注視・監視する。

 昨今の上級政治家らは幾らでも替えの利く、”多目的”エロタレントと同じである。
 地球温暖化防止の為のCO2削減が世界中で叫ばれているが、今一番削減すべきは、CO2ではなく政治家と官僚たちではないか。
 それにCO2とは異なり、彼らを削減するにお金は要らない。燃えるゴミとして処分するだけで済む。週に2回提出すれば、半年ほどで全滅するだろうか。


追記〜赤ん坊のヒトラーを殺すべきか?

 勿論、お腹の中で、政治家や官僚になりそうな赤ん坊を見定め予測し、生まれてくる前に食い潰してくれれば、それに越した事はないが。
 いや、そうした職種を削除する方が手っ取り早いのかもしれない。

 2015年と少し古い記事だが、”もし過去に行けたら赤ん坊のヒトラーを殺すべきか”との米紙のアンケートがTwitterで話題になった。
 結果は、YESが42%でNOが30%、わからないが28%と、私には意外にも思えた。つまり、もっとYESが多いと思ってたからだ。
 一方で、”若きヒトラーを暗殺したらその後の世界はどうなっていたか”という質問では、”赤ん坊を殺害する”という手段が大きな利益の為には容認されるべきか?という倫理的問題や歴史的事件の原因を個人の能力や責任に帰すべきか?という議論も絡み、ホットな展開になった。
 ”少なくとも10代まで待ってから考えるべきだ”とか、”私ならヒトラーにより良い美術教師をつける事を考える”とか、”ヒトラーを殺害しても別の人物がそれに替わるだけ”といった意見が出た。

 ヒトラーを安倍二階堂に置き換えたら、どんな意見が出るのだろうか?
 是非、日本でもこうしたユニークな議論をテーマにしたウエブアンケートを作ってほしいもんだ。「朝まで生テレビ」なんかよりも、低予算でずっとずっと盛り上がるだろう。
 確かに、権力を潰しても次の権力に置き換わるだけである。

 ペレルマンがポアンカレ予想の証明でやり遂げた様に、時間を逆行させ、過去の権力に次々とキャップを被せ、権力そのものを1点に集中して崩壊させる。
 そうした数学的手法が現実に実現可能だとしたら、悲劇や犠牲を全く伴う事なく、権力を潰せそうに思えるのだが。
 これも数学オタクの悲しい幻想に過ぎないのだろうか?



6 コメント

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Unknown (kaminaribiko2)
2021-04-04 08:38:19
アラブの悪の権化のように言われていたイラクのフセイン大統領が殺されてイラクに平和はこなかったばかりでなく、より国が乱れたという事実がありました。ヒットラーを生まれる前に粛清していても、時代の要請で別の人物がヒットラーもどきになったかもしれません。

オリンピックは私も最初から反対でしたし今も止めてほしくてたまりませんが、私の夫に言わせれば、今やめれば莫大な損害だけが日本に残されると。とにかく最初に手を上げたのが全ての間違いの始まりだったのでしょう。
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ビコさんへ (象が転んだ)
2021-04-04 10:49:35
オリンピックという土木事業が景気を回復させたのは、オリンピックが肥大化するずっと前の事です。
3兆円にまで膨らんだ出費を、五輪の利権に関与する政治屋や官僚を一掃する良薬とみなすか、損害とみなすかで意見は別れるでしょう。

オリンピック開催に手を挙げたのは間違ってはいなかった。でもそれは、お金を掛けないコンパクトな大会という前提です。
しかし、予算が肥大化した時点で大きな損失になりましたった。それだけ五輪の利権に色んな人種が群がったんですね。
故にコロナ渦がなくても、この五輪は失敗でした。

でも”大きな損失”という視点で見れば、そうした利権に群がる人種の方がずっと厄介で大きな問題ですね。
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リアルすぎ (hitman)
2021-04-04 17:38:50
夢にしてはリアルすぎぃ〜
でもこういう時代が来るかもしれませんよ
お腹の赤ちゃんが親のことを心配して自力で生まれてくる時代がぁ
昔は子供を沢山生んで、誰か一人でもモノになれば儲けって時代でしたがね

今は生まれて苦労するくらいなら
より強い赤ん坊に運命と生命を託すって気持ちが本能的に芽生えるのでしょうか
夢というより近未来を予言した見事な世界でした
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hitmanさん (象が転んだ)
2021-04-04 18:06:23
実を言うと
お医者さんが背後から現れた時点で夢は終わってたんですよ。
そこで何でこんな奇怪な夢を見たかって自問自答を繰り返した。そこで閃いた事を追加したんですね。故に多少はREALになってますか。
でも夢ってやはりもう1つの立派な現実なんですよね。ほんとよく出来てるとは思います。だって何も考える事なくアナザワールドが出来上がるんですから。
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ロシア系美女? (#114)
2021-04-05 03:21:29
いけませんね
勝手にブロンド女を妊娠させちゃ
しかしどういった感じの女性だったんでしょ

転んだサンの夢物語への脚色は
実にスマートで鮮やかで
音楽にも曲が全てですが
その曲にも編曲がとても重要です

夢が物語に生まれ変わるさまは
トルーマンの初期の短編を読んでるみたいで
それと<食う>と<喰う>の使い分けも見事でした
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#114さん (象が転んだ)
2021-04-05 08:03:56
お褒め頂いて恐縮です。
食うと喰うの違いは今回初めて知りました。
夢ってとても短く、記憶が曖昧なので、多少は脚色しますが、今回の夢は衝撃的すぎてしっかりと覚えてます。

肝心のロシア女ですが、美人だったんですがこれといった特徴も見覚えもなかったです。
残念でした・・・
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