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若年層化する恐喝犯罪と少年法の限界〜”SNS美人局”転落死事件に親は何を思う

2024年03月10日 16時40分30秒 | 芸能&三面記事

 美人局(つつもたせ、BadgerGame)とは男女が共謀して行う恐喝または詐欺行為の一種であり、”筒持たせ”とも言う。
 妻(女)がカモになる男性を誘って姦通し、性行為の最中または終わった途端に夫(男)が現れ、女と関係した事に因縁をつけ、金銭を脅し取ったり暴行を加える事を指す。
 現代における美人局の典型的パターンは、SNSで知り合った女性から部屋に誘われ、女の仲間の男が登場し、金品を恐喝する。
 加害者の女が18歳未満である場合、被害者の男性は淫行条例や児童買春などの法律に違反する可能性がある為、被害届や告訴状が出せない事が多い。加害者側もそれを見越し、未成年の女を用意する(ウィキ)。

 筒(つつ)は男性の性器を意味し、女がそれを持つ事から”筒持たせ”と読むのだろうと思ってたら、単なる俗説だそうで・・・


”出会い系”という恐喝と詐欺犯罪

 私が若い頃は、”出会い系”なんて洒落たものはなく、テレクラやダイヤルQ2という地味なもんだった。
 前者は数千円の入店料を払い中に入ると、狭い部屋に電話が幾つもあって、それぞれの電話の前に男が座り、女からの電話を待つ。プルッと鳴ったら早いもんがちである。後者は、1分間数十円払い、女の子と話をする。固定電話が使えるので、テレクラの様に店舗まで行く必要がない。
 結局はエッチが目的だから、マッチングアプリも出会い系サイトも仕組みは多少違えど、同じようなものである。
 ただ、私みたいな堅物でも少しは嵌った時期があったから、結構な盛り上がりだったと思う。但し、相手の女はサクラが大半で、たとえ素人だとしても殆ど相手にされない。
 そういう私も一度だけ待ち合わせの約束に成功したが、女が現れる事はなかった(悲)。
 但し、出会い系の若年化と同じで、中高生の間でも大きく広まり、家の電話代の請求が月に何十万円も来て、社会問題にもなった事もあった。

 つまり、人間に性欲と強欲がある限り、こうした怪し気なお遊びはなくならない。
 一方で、”アプリなら安全でSNSなら危険”というのは怪し気な業者の宣伝文句であり、”銃なら安全で地雷なら危険”と言ってる様なものである。要するに、危険な誘惑には近づかない事が最良の選択だが、生身の人間である限り、甘い罠には引っかかる。相手が若くて魅惑的な程に男はコロッと騙される。
 しかし、騙されたくらいで済めば、可愛いもんだが、命や財産に関わる問題となると、政府も社会も腰を上げる必要がある。加害者が未成年であろうと、若い女性であろうと、重罪が軽罪になる筈もない。

 田舎の隣組も、運動会や歩こう会など余計を排除し、出会い系アプリには”大人も子供も気をつけましょう”との回覧を回すべきである。多分、こういうのは警察や自治体よりも、自治会や隣組で働きかけた方がずっとうまく行くと思うのだが・・・
 事実、出会い系アプリで被害に遭う多くは女性だが、年齢を問わない所が特徴である。一方で男の場合は、若いほど危険な目に遭っている。こうした出会い系の危機は地域全体の今そこにある危機なのだ。


少年法の矛盾と法の限界

 こうしたデータ通りの事が起きてしまった。危険領域を超え、死に至ったケースである。つまり、データは嘘をつかなかった。
 2月12日、大阪市内のビルから大学生(22)を転落死させたとして、強盗致死容疑で中学生の男女2人が逮捕された。いわゆる”美人局”事件である。
 逮捕されたのは、大阪府内に住む中学2年生の少女(14)と中学3年生の少年(15)。犯行グループにはもう1人、事件当時13歳で児童相談所へ通告された少年(14)も加わっていた。
 SNSで大学生と知り合った少女は市内のコンビニで待ち合わせ、大学生を近くのビルに誘い込んだ。既に少女と少年2人はコンビニで合流し、大学生を待ち伏せていた。計画的で手慣れた手口だが、少女は”過去に何度もSNSで知り合った男性を脅し、お金をとった事がある”と余罪を認めている。
 一方大学生だが、指定されたビルの6階で待ってると、少年2人が突如現れ、金品を要求。上階へ走って逃げた学生は隣の4階建てビルの屋上に飛び移るも、転落して死亡した。
 因みに、主犯格の当時13歳だった少年と少女は付き合ってて、この2人に誘われる形で加担した15歳の少年は容疑の一部を否認している。

 この手の事件では、暴行などの直接行為がなければ”恐喝”容疑で逮捕されるのが一般的だが、大阪府警は”強盗致死”を適用した。
 但し、ここにも少年法の厚い壁が立ちはだかる。つまり、”強盗&致死”という計画性と悪質性から刑事裁判(逆走)になるのが普通だが、01年の法改正で、刑事処分の年齢が16歳以上から14歳以上へと引き下げられた。でも、犯行当時の13歳では刑事裁判の対象にはならないのだ。
 事実、現在の少年法では犯罪をおかした13歳以下の少年に対し、本当の意味で反省や更生を促すには、制度上の限界がある。
 こうしたケースとして、当時13歳(中学2年)の少年が学校や倉庫などに放火して回る事件があった。少年は逮捕されたが13歳だった為に、児相への収容措置となった。しかし、少年はその日のうちに脱走し、オートバイ3台を盗んだ。
 この“放火少年”は、後に被害を受けた側から損害賠償請求訴訟を起こされ、少年の両親が自宅を売って弁済したという。
 今回の事件では民事に訴えずとも、遺族感情にかなう刑事罰が望めるのか?捜査の行方に注目が集まる。
 以上、デイリー新潮より大まかに纏めました。


最後に

 全てには例外がある様に、法律にも例外がある。トラップに引っ掛かった大学生も問題がない訳でもないが、結果として最悪の事態となった。
 勿論、恐喝や詐欺は犯罪だが、それが死亡事件に結びつけば、話は大きく変わる。
 興味本位な”出会い系”的お遊びがいつの間にか、殺人という狂気を生む。
 今頃、主犯格の少年らの両親は何を思ってるのだろうか?因みに、少年少女を知る人の話では、”ちゃんと挨拶もするし”真面目でごく普通の子供だったという。

 法務省の調べでは、1981年をピークに少年の刑法犯の検挙数は2004年以降減少し続けていたが、22年は前年から2.5%増の2万912人で、19年ぶりに増加に転じたという。
 1981年と言えば、テレクラが誕生した頃である。風俗店の1つとして時代の流れに乗り、大きく繁殖した”出会い系”サービスは、社会全体を巻き込んだ。家出した女子高生や失恋した女性、夫婦関係が悪化した女性らが寂しさから電話したりする事も多かった。
 勿論、心の隙間を埋める為に欲望がエスカレートし、性行為に至る事も少なくなかった筈だ。ただ今と違って、当時は自然感情的な恋愛が多かった様にも思う。
 一方で、テレクラの若年層化は援助交際というタブーを生み、90年代後半には政府は重い腰を上げ、テレクラの禁止に踏み切った。

 ”SNSが普及した事で・・”との専門家の指摘もあるが、電話がネットに代わっただけで、本質は何も変わってはいない。唯一変わったとすれば、セックスから恐喝や盗みに、その目的がシフトした事だろう。
 こうした大人の下半身の欲望に付けこんだ悪質で巧妙で計画的な犯罪は、法で規制してもなくなる事はない。

 ”子供は大人を映し出す鏡”とも言われるが、大人も子供を映し出す鏡とも言える。
 しかし、親だけで子供を管理するのは不可能だし、法規制や警察にも明らかに限界がある。また、怪しいサイトを一斉に封じこんでも、それ以上の抜け道を生むだけである。
 私は過去に「地域消防団はいらない」とか「隣組の無駄」とかの記事を書いたが、こういう青少年犯罪こそ地域住民で防ぐ必要があるのかもしれない。
 子どもたちは、大人が犯してきた罪を単に真似てるだけなのだから・・・



2 コメント

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若年化する美人局だけど (腹打て)
2024-03-11 16:47:45
性行為を省いた<簡易版>恐喝詐欺犯罪とも言える。
子どもたちは大人ほどに欲がないから、身を危険に晒してまでも犯罪を犯そうとはしない。
要するに、中ヌキして手っ取り早く稼ごうって事なのだろう。
つまり性行為をチラつかせる話術も場所や機会を提供する必要もない。
最初は軽いノリでやったことが思わず成功し、それから計画的に悪質になる。
子どもたちも引くに引けなかったんだろう。だって面白い様に騙されちまうんだから
子供は感性で動くし、一方で大人は経験で動く。つまり大人が子供に騙されるのは自明の理なんだろうけど 
こういうのは大人が本腰を入れない限り、なくなることはないだろう。 
腹打てサン (象が転んだ)
2024-03-12 03:10:38
大の大人が面白い様に簡単に引っかかるから
ついつい病みつきになったんでしょうか。
一時期”親父刈り”って流行ったんですが、そういうのも含め、大人って(親父も含め)随分とナメられたもんです。

勿論、大人は経験則で生きてる訳ですから、感性で生きる子供からナメられても当然なんですが・・・
子供は悪い大人も含め、人間という生き物の弱点を既に見抜いています。
美人局から盜みという本質だけを抽出する。
こうして恐喝や詐欺犯罪もスマートにシンプルに進化し、法や警察権力を超えていくんでしょうね。
子供達の反省云々より、私達騙される大人の無能さも反省すべきですが・・
でも死亡事件になった事で、子供だからとは言ってられなくなりました。

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