象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

コロナ渦は何故激減した?捏造か、偶然か?〜ウイルスの自壊と生物進化のダイナミクス

2021年12月28日 06時54分57秒 | 新型コロナ渦

 何でもそうだが、流行り過ぎたものは一気に消え行く傾向にある。戦後日本の高度成長もバブル期の経済大国神話も、全く同じ現象であった。
 しかし果たして、世界の隅々にまで蔓延したコロナウイルスも同じ様な運命をたどるのだろうか?
 確かに、コロナ渦のお陰で東京大会どころか五輪そのものの存在意義すら吹っ飛んだが、来年2月に行われる北京冬季五輪もオミクロン株の直撃を受けるのだろうか?
 そこで今日は、(今更感がある)コロナ渦の急激な収束についてです。

 ワクチン否定派には皮肉な結果かもしれないが、ワクチン接種が進むにつれ、急速にコロナ渦が収束してるかの様にも思えた。
 勿論、ワクチンだけの恩恵ではない筈だが、それにしても急速過ぎる。まるで10月末に行われた解散総選挙に合わせたかの様に、コロナ渦が沈静化しているのだ。安倍や菅政権のコロナ対策が後手後手だったにも拘らずにである。
 流石の韓国メディアも、”1カ月で感染者が1/10なんて事はない。そんなやり方があれば世界はとっくにコロナを撃退してる”と訴えた。
 私も同じ様に勘ぐっている。韓国メディアが疑う様に、自民党が総選挙で勝つに一番負担になるのがコロナ対策だった。その上で、”専門家も明確な説明を出せずにいる”と報じた。


弱毒化するウイルス

 オックスフォード大学でワクチン開発を研究するサラ・ギルバート教授は、”新型コロナウイルスが(ワクチンの効果がなくなる程の)強力な変異を起こす可能性は低下していく”との見解を示した。
 ウイルスは一般的に循環を繰り返すうちに毒性が弱まる傾向にあり、新型コロナに関しても”毒性が強まる理由は考え難い”としている。その上で新型コロナに感染した際の症状は今後、軽くなると予想される。
 更に、新型コロナは”最終的には風邪を引き起こす季節性ウイルスの一つになる可能性が高いだろう”と分析している。

 日本のコロナ渦の中核を占める東京都を例にとると、7/13の830人が8/13には5773人と6.9倍に急増。その後急減し、9/13は611人と1/9へ、更に9/24は235人と1/24まで減少した。因みに、10/6は149人でピーク時の何と1/38以下である(12/27現在は35人)。
 なぜ新型コロナの感染者は急増・急減したのか?
 以下少し古いですが、「東京都のコロナ感染が急増・急減した理由」より一部抜粋です。

 弘邦医院の林雅之氏によれば、”今年の夏に感染者が急増した理由は、(五輪開催や)緊急事態宣言による自粛疲れから人流が増え、マスクの着用や3密回避の行動などが疎かになった事が原因とされてきた。
 しかし、それだけで7倍近い新規感染者増になるとは考えにくい。冬と夏に流行する通常のコロナ風邪の季節性に加え、感染力が強いデルタ株が出現したからでしょう”

 専門家特有の少し微妙で曖昧?な回答だが、どう考えても五輪開催によるものが大きかった様に思う。 

 では、その後に新型コロナの新規感染が急減したのはなぜか?
 まずは、人流が減ったからではない。
 8月以降の東京・新宿・渋谷・品川などのターミナル駅の日中の人出は大きくは減ってないし、銀座・六本木・池袋など夜の繁華街も同じ。
 しかし、五輪開催による医療崩壊のお陰で、若者を中心に危機感や警戒心が走り、夜の人流がある程度減ったのは確かだろう。

 ではワクチンのおかげなのか?
 東京都の10/6時点での2回接種完了者は、確かに感染・重症化リスクの高い高齢者のワクチン接種は90%近いし、全体で見ても61.5%。故に、集団免疫が獲得されてると言えなくもないが、同じ接種率の韓国がコロナ渦に悩まされてるのを見ると、???ではある。
 つまり、人流減少説もワクチン説もイマイチであるし、分科会の尾身会長は”感染拡大要素の減少、医療危機による感染対策の充実、ワクチン接種の効果、夜間人出の減少、天候の影響”と5つの要因を挙げるが、これも説得力に欠ける所がないとも言い切れない。
 感染者数の激減も、急増と同じくウイルス変異にその原因があったとしたら?


自壊を始めた?コロナウイルス

 そこで注目されているのが、生物物理学者でノーベル化学賞受賞(1967)のマンフレート・アイゲン(独)が71年に発表した「エラーカタストロフの限界」という考え方です(林雅之)。
 ”ウイルスは増殖する際にコピーミスが起き、変異株が出現する。その中には増殖の速いタイプのウイルスが生まれ、急速に感染拡大していく。ところが、増殖が速ければそれだけコピーミスも増える。結果、ある一定の閾値を超えると、そのウイルスの生存に必要な遺伝子までも壊してしまい、ウイルスが自壊する”という考え方だ。  
 アイゲン博士は生物の進化に必要な自己複製に関する数理モデルを解析。複製に際し、エラーが起きた際の振る舞いなどについて研究しており、エラー率と進化ダイナミクス(動態)を考察していた。
 つまり7月以降にデルタ株が急速に感染拡大したのは、デルタ株複製時のコピーミスが増え、その変異が蓄積し高い複製能力を獲得したからで、8月半ばにはコピーミスが「エラーカタストロフの限界」を超えた為に”<ウイルスの自壊>が始まり、急激に感染が減少したのではないか”というのだ。

 ”この考え通りなら、今後何もしなくても新型コロナが収束するじゃないか、と楽観する人がいるかもだが、これは単なる仮説の1つに過ぎない。冬にはデルタ株に代わる別の厄介な変異株が流行するかもしれず、油断は大敵です”(林氏)
 事実欧米では、コロナに代わりオミクロン株が想像以上のペースで感染爆発を引き起こしている。
 いま大事なのは、(予想される)今秋の第6波への備えをしつつ、“生物進化のダイナミズムの前では今の人間の科学の力は微力であり、いくら頑張ってもこれを完全にコントロールする事は不可能”と知る事であり、できるだけの感染予防を実践した後は、明るく生きていくよう努める事ではないのだろうか。
 以上、日刊ゲンダイからでした。


最後に〜明るく生きる

 例年なら、今の時期は喉が痛くなったり、風邪気味になったりして、薬屋で葛根湯を買い、牛ステーキをブランデーで流し込み、年末を乗り切るのが常ではある。が、コロナに対する警戒心の為か、元々弱い気管支や肺を痛める事もなかった。

 今秋には第六波が到来すると予想されてたが、日本では思った以上にコロナの収束が早く、オミクロン株による第六波は年末年始から来年の春頃にずれ込みそうだ。
 ”コロナから今度はオミクロンかよ”って、ウツになりそうだが、毒性は変異株程でもなさそう?なので、(変異を繰り返し増殖するも)自壊するオミクロン株かなと思いたい気もする。
 故に、”変異したけりゃ勝手に変異しろ”っていう大らかな態度で待ち構える態度も必要じゃないだろうか。コロナにビビり、変異株にビビり、挙げ句は陰謀説やワクチンにビビる。
 日本人の強迫神経症には、いい加減ウンザリであるが、ネクラな日本人気質にはもっとウンザリである。

 ”明るく生きる”という意見には、私も大賛成である。
 夏のコロナ感染の急増は、変異株の出現と五輪開催による感染のオーバーフローが大きな原因だったと思う。それに曖昧な感染対策やワクチン接種の遅れが医療崩壊を引き起こしたのも事実ではあった。
 しかし、9月に入ってからのコロナ渦の収束は甚だ不思議な現象ではあった。(韓国メディアが揶揄した様に)解散総選挙での自民党勝利の決定的な追い風になったからだ。

 ただ、ワクチンを摂取してもバカ騒ぎする高齢者もいるし、陰謀説を振りかざす者も未だに存在する。あらゆる理由を付けてワクチンを接種したがらない頑固な人種も、機内でマスク拒否する頭のイカれた輩と何ら変わりはない。
 根が暗いと言えばそれまでだが、楽観的に明るく生きるというのは、それだけでも有効な健康法ではないだろうか。

 人はいつかは死ぬ。
 それでいいじゃないか。
 コロナで死のうが、病気や事故で死のうが、ワクチンで死のうが、自分で死のうが、死ぬ事には何ら変わりはない。
 だったら、前向きに明るく生きた奴が勝ちであり、最高の健康法でもある。
 そう思うのは私だけだろうか?


補足〜変異とは進化なり

 写真は「進化のダイナミクス〜生命の謎を解き明かす方程式」ですが(その紹介文には)、
 ”生命は細胞から生態系にまで及ぶスケールで、外界と様々に相互作用しながら生存している。今日見られる全ての生物システムは進化の結果生じてきた。進化は様々な要素が相互作用しながら発展する動的なプロセスであり、そのダイナミクス(動態)を生み出す仕組みを知る事で、進化の関わる現象を理解する事になる。一方で数学は、関係性を記述して構造を理解する特質をもつ。微分方程式や確率過程により進化の動的なプロセスを表現し、現象の本質を理解する事が可能となる。
 まず、自然淘汰と突然変異を記述する進化の微分方程式から始まり、確率過程を用いた進化ゲーム理論の最新トピックに移る。最後にウィルス感染、発癌プロセスなど現実社会と密接に関係した問題に取り組み、進化のダイナミクスから現象の本質を理解出来る”

 こういう本に出会うと、私の脳みそはワクワクする。
 つまり、進化する為には常に変異が必要なのだ。コロナウィルスも武漢型から欧米型、そして中南米やアフリカ型へと変異し、今やオミクロン株へとその姿を変える。
 それに対し、(文化や文明に胡座を掻き)進化を怠った我がホモサピエンスは、ウィルスの変異(進化)に全くついていけないでいる。しかし、人類には数学という(ウィルスには持ち合わせない)強力な武器がある。 
 様々なウイルスの変異を、ダイナミクス(動態)の過程で起きる事が進化と考え、その複雑な進化のダイナミクスを数学で記述し、数学の力で解明する。
 これこそが(この本で主張する)生物学上の”進化ゲーム理論”ではあるが、こういう本こそ今の日本人は読むべきではないだろうか。



8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
オミクロン株の致死率 (tomas)
2021-12-28 14:07:41
オミクロン株の致死率の低さが世界でも話題になってます。
一部で指摘されているようにオミクロン株の感染拡大がパンデミックの「終わりの始まり」になる可能性はありそうですね。
返信する
tomasさん (象が転んだ)
2021-12-28 16:59:26
そうなって欲しいですよね。
変位を繰り返すうちに弱毒化するというのは本当みたいで、これこそが退化のダイナミクスと言う事ですかね。
返信する
象が転んだ様へ (りくすけ)
2021-12-28 19:15:15
お邪魔します。

人はいつかは死ぬ。
それでいいじゃないか。

そのとおりだと思います。
寺山修司曰く
「ぼくは不完全な死体として生まれ 何十年かゝって 完全な死体となるのである」
老いも、死も、平等。
早いか遅いかは人それぞれですが、必ずやって来ます。
返信する
りくすけサン (象が転んだ)
2021-12-28 21:53:41
実はこの言葉は、ある医者の言葉で、
ワクチンを頑固拒否をするオバサンに(医者がキレて)言った言葉です。

多分、”(もう寿命なんだから)コロナで死のうがワクチンで死のうが同じやんけ”って事だったんでしょうね。
まさに、名医による名言だと思います。
返信する
Unknown (びこ)
2021-12-30 00:13:14
今までの感染症はだいたい2年で終息したらしいから、そろそろ終息の時期なのでしょう。
返信する
ビコさん (象が転んだ)
2021-12-30 03:52:34
全ての生き物には寿命がある。
だから、ウイルスにも寿命がある。
結局、そういう事なんですよね。
返信する
突然変異と淘汰 (UNICORN)
2022-01-17 16:10:50
突然変異は情報伝達のエラー(コピーミス又は複製エラー)で起こり、その中でより速く再生産されるものがあれば、情報伝達の間で淘汰が起きる。
つまり、突然変異と淘汰こそが進化を引き起こすが、この2つは数学によって正確に記述することができる。

進化のダイナミクスが数理方程式により記述できたお陰で、数学を基盤とする数理生物学は生物学の最先端を行く。
この2つの学問も突然変異と淘汰により大きく進化していくのだろう。
返信する
UNICORNさん (象が転んだ)
2022-01-18 01:53:08
突然変異+淘汰=進化
というアルゴリズムですよね。
大量繁殖というコピーミスの繰り返しにより、変異と淘汰を促し、進化に至る。
結局、オミクロン株もそうやってごく一部の種が進化という形で生き残るのでしょうか。

我ら人類も変異と淘汰は、生存戦略から見ても重要な要素なんですよね。
コメントとても勉強になります。
返信する

コメントを投稿