象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

腐敗するユーチューバーたち〜動画投稿は結局、ポルノサイトの隷属なのか?

2020年10月18日 05時39分17秒 | ブログ考

 あるブログを眺めてたら、”ブログは終わったコンテンツなのか”という記事とぶつかった。
 このブロガーは今では文章を書く事もなく、2年前にユーチューバーに変更し、今では200人の登録者すらいないと、ブログの全盛時を知る彼は自らを、”自分こそ終わったコンテンツなのか”と揶揄する。
 60人弱のフォロワーしかいない私からすれば全く羨ましい話だが、ブログがネット上を闊歩してた時代から見れば、閑古鳥状態なんだろうか。


ユーチューバーは絶滅する?

 しかしどうだろう?元々ユーチューバーの行為自体が既に終わったコンテンツではないのだろうか? 
 まず動画配信の起源はポルノサイトにある。ポルノ動画を電話回線で細々と流してた頃は、皆が皆バカ高い会員費を支払い、何時間も掛け、或いは何日も掛け、動画をダウンロードしていた。でも哀しいかな、この頃が動画配信の全盛期とも言える。
 因みに私は、ゲームの体験版70MBを1週間掛けてDLした事がある。それもネット喫茶でである。
 しかし動画品質が粗悪な上に、途方もない時間が掛かる為、脱退する会員が増え、ネット時代が存続の危機に追いやられた。そこで、MPEGからMPEG2へそしてMPEG4へ動画圧縮技術が進化した為に、ネットは息を吹き返す。
 ポルノサイトが昨今のSNSやネット社会の基盤を支えてたとは、悲しくも不可解な現実だが、真実は容赦ない。

 そういう事を言ってたら、迷惑ユーチューバーの逮捕が話題になっている。商品が偽物だと言いがかりをつけ、その様子を動画投稿し業務を妨害したとして、ユーチューバーの男2人が逮捕された。
 珍しいケースかもだが、動画投稿のコンテンツの軽薄さと奇怪さを考えると、こういったケースは今後次々と起こり得るだろう。
 事実、でっち上げ系の偽造動画配信は日常茶飯事になりつつある。
 こうした迷惑ユーチューバーの存在や偽造系動画配信がユーチューバーを絶滅させるきっかけとなったとしたら? 


ビデオブロガーという怪しい職業

 今では動画配信は当り前となり、スマホでも映画や4K映像が楽しめる様になった。それに伴い、ビデオブログで稼ぐ”ユーチューバー”と呼ばれる新種の職業が誕生した。
 英語圏では、YouTube CreatorとかYouTube StarとかYouTube Celebrityなどと呼ばれてるが、”YouTube”を”Porno”と置き換えれば、ポルノサイトと全く同じ現象だろう(笑)。
 笑えない話だが、その現実はポルノ以上に険しくも怪しい。
 再生回数が上位3%の人気ユーチューバーは1か月の再生回数こそ140万回を超えるが、それでも平均年収はアメリカの貧困ライン収入をかろうじて上回る程度とされる。極論を言えば、1%のユーチューバーの寡占状態である。
 故に”既に終わった”とは、こういう悲惨で奇怪な現実の結果でもあろうか。

 ポルノの動画配信がなかった頃は、「婦人公論」などといったエッチ系の純文学?で性欲を満たしたもんだ。私も何冊か読んだが、とてもレベルの高い文筆が印象に残った。
 露骨な性表現こそ目立つものの、現代作家の筆致よりもずっと優れてた様に思う。でも我々はそうやって想像を逞しくして大人になり、純文学に憧れる様になっていく。
 勿論度胸のある人種は、怖い系の輩から”地下ビデオ”を買うという荒業もあったが、今では海外ポルノサイトが充実し、誰もが安全に?裏ビデオを楽しめる様になった。
 しかしエロは、空想と妄想で楽しむというのがやはり理想で健康的?ではないだろうか。


腐敗するユーチューバーたち

 ブログの本質は文章にある。しかし、写真が添付され、動画が挿入できる様になると、ブログの存在は一気に短小軽薄になった。
 お陰で、写真や動画がメインになり、文章や文体はどうでもよくなった。そしていつの間にか、読むブログから画像や動画を楽しむブログになってしまう。
 読むブログから見るブログへ、これじゃブログが”終わったコンテンツ”と揶揄されても不思議じゃない。

 しかし今や、インスタやTwitterが”見て楽しむSNS”なら、ポルノサイトも”眺めて興奮するSNS”と言える。そのポルノサイトが腐敗しつつある今、ユーチューバーも腐敗するのは目に見えている。
 若い男が恋人のセクシーな裸体を、旦那が自慢のカミさんとのセックスシーンを動画配信する。そんな時代になれば、規制の多いユーチューブも極々一部を除き、一気に廃れるだろうか。
 そういう意味では、ユーチューブそのものも”既に終わった”と言えるかも知れない。

 判り易く言えば、小説に動画が挿入されるようになったら、一気に小説は衰退するだろう。これは小説の本質が文章だからだ。
 純文学の本質は想像にある。文章という2次元の素材を脳内で3次元に高める事で、我らはある種の高度な幻想的悦楽を満たす。
 しかし、動画は見るだけで想像を働かせる事はない。ポルノ配信も下半身を刺激するだけで脳を活性化する筈もない。
 人気ユーチューバーの動画も結局は同じ事だ。眺めるだけのコンテンツはポルノ以上に飽きられるのは目に見えてる。
 

最後に〜ネットから動画がなくなる?

 確かに、写真や動画に登場する猫はカワイイもんだ。しかし、不思議とすぐに飽きてしまう。それは、”眺める→カワイイ”だけで完結してしまうからだ。
 今のブログも同じで、”イイね”だけで完結する。フォロワーの数やアクセ数でブロガーが評価されるのなら、ポルノサイトよりも哀れだろうか。

 結局、ユーチューバーもポルノサイトに埋め尽くされ、そのポルノサイトもいつの間にか我々の前から消え去る日が来るだろう。
 丁度ビデオレンタル屋からアダルトコーナーや海賊版が消え去り、そのビデオ屋も消え去った様に。
 そして今、ビデオからDVDやBLに、そして動画配信サービスに移行し、レンタル屋自体も消え去ろうとしている。そして近い将来、その配信サービスもなくなるとしたら?
 もし、ネットから映像そのものが消滅したとしたら?我々は何を楽しみに行きていけばいいのだろうか。
 しかし、今のYouTubeやYouTubersの奇怪で軽薄な実像を見てると、元々動画配信にはコンテンツなど存在しなかったのかも知れない。

 ネットから動画がなくなった時代、人類はどう対処するのだろうか?



4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (#114)
2020-10-18 10:48:46
という苦し紛れの失業対策よ
日常茶飯事の動画を流して金を稼ぐ
プーの考え付くようなこったね

1%の金持ちと99%の貧乏と
これまた超格差組織なのか
1億総ユーチューバー時代が到来するかもだ
返信する
ユーチューブの由来と未来 (paulkuroneko)
2020-10-18 12:10:13
Tubeはブラウン管という意味だから、直訳すれば「あなたのTV」ということでしょうか。つまり個人で放送するTV局ですね。
公共放送、民放、そして第三のTVであるユーチューブ。しかし、TV自体が時代遅れとなりつつある今、何処まで生き残るのでしょうか。

勿論、教養やドキュメントに特化したチャンネルもありますから急速に衰えることもないでしょうが。ユーチューバーズと言われる連中が生息する組織は淘汰が恐ろしく激しいので、一気に衰退するのもありですかね。
ユーチューブがなくなることはないでしょうが、それに群がるユーチューバーズは消滅してもおかしくはないでしょうか。
返信する
#114さん (象が転んだ)
2020-10-18 12:50:10
1億総ユーチューバー時代。
うーん、いい響きです。皆が皆1つずつチャンネルを持てば、そうなりますね。
しかしこんなのが失業対策なら、日本の未来も真っ暗です。
返信する
paulさん (象が転んだ)
2020-10-18 12:54:36
確かにYouTubeは世界で最大の第3のTVですね。
しかし、それに群がるYouTubersは複数形のSがつくだけですが、とても面倒なものになりそうです。
返信する

コメントを投稿