goo blog サービス終了のお知らせ 

象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

まるで町内会のゲートボール!?〜メジャーの開幕戦を見て、われ何を思う・・

2025年03月22日 14時24分24秒 | スポーツドキュメント

 コーン・・ワァ〜・・コン・・ワァ〜
の繰り返しに、音だけ聞いてれば町内会のゲートボールを見てる様だったし、こんな動きの乏しいプロスポーツも珍しい。

 地上波で野球を放送する機会が減った事もあり、昔の様にはプロ野球を見なくなった。また、それでも何ら不満や不便を感じる事もなくなった。
 小さい頃は遊撃手に憧れた私だったが、今ではその躍動や感動の欠片すらない。
 私の世代では、長島や王に始まり、その国民的人気と熱狂は田淵や山本浩二、掛布らに伝承され、”昭和の怪物”江川や”平成の怪物”松坂を生んだ。
 個人的には誕生日が近い秋山幸二さん(西武、ダイエー)の大ファンで、福岡の平和台に来た頃には毎晩の様に出掛けた。
 秋山氏の全身バネの如き超人的肉体は、五感を含め、私の全てを満足させてくれた。試合前の打撃練習だけで(内野自由席で)当時は1500円だった入場料の元をとった気分になった。
 それに比べると、今のメジャーは・・って愚痴りたくもなる。時代は違うが、二刀流の大谷と比べても秋山の方が上だった様な気がする。


なぜ、メジャーはつまらないのか?

 かつてNHKBSが、野茂やイチローを映し出してた頃は画面に噛りつく様にしてメジャーを見たもんだが、今となっては昭和の時代の様な興奮と熱狂はどこにも存在しない。同じ様に、野球にも競技としての躍動が失われつつある気がする。
 事実、読売とカブスのオープン戦を見てたら、プロスポーツとは言えない程に動きは乏しく、その迫力と躍動は存在しない。まるで、プレーヤーがぬるま湯に浸かった蛙みたいに映る。
 子供は、展開が間延びして緊張感が殆どない野球ではなくスマホに夢中で、子供を連れた親たちもスマホに夢中の様だ。でも、昔はここまで大人しいゲームだったろうか・・

 その一方で、オープン戦とは言え、今年はナリーグの優勝候補に挙げられるカブスと、昨年のWシリーズ王者ドジャースをたて続けに完封した阪神の強さには見応えがあった。
 元サイヤング賞投手のスネルも最初から本気モードだったし、それを僅か2回り目で攻略した阪神の打線も見事であった。また、若きエースの才木も大谷にリベンジを果たし、胸が透く思いだろう。昭和の時代に感じた躍動と興奮が蘇って来た様にも感じた。
 仮にだが、今の阪神が単独チームでメジャーに行けば、プレーオフに出るくらいの力は十分にあると思う。

 確かに、MLBが世界最高峰と呼べるだけの迫力と存在を醸しだしていた時代も存在した。
 MLBの長い歴史の中でも全盛とされるのは、ジョー・ジャクソンやタイ・カブやベーブ・ルースがいた頃の1920年代前後で、以降は球団が16から30にまで増え、1993年末のストライキやそれ以降のステロイド問題などで選手の質とプレーのレヴェルは急落。お陰で観客動員にも大きな陰りが見え始め、放映権頼みのMLBは経営も困窮する。
 更に、慢性化していた野球不人気が加速し、そんな窮地を挽回しようと、球場を狭くし”飛ぶボール”を使用したりと、益々マイナーな存在になりつつある。こうしたメジャーが高校野球化しつつある現実は、大谷が2刀流として成功してる事がそれを証明してると言えなくもない。

 ここ数年、野球に代わる国民的スポーツに君臨したサッカーは勿論、バスケやバレーやラグビーも人気上昇中のスポーツだが、野球も大谷の話題でそれなりに賑わうが、質と人気が急落したMLBという軟弱な地盤の下では正当な評価が成される筈もない。
 それに今のメジャーでは”あの頃”の様な躍動が蘇る筈もない。
 「アメリカで野球は人気がない」でも書いたが、アメリカが少なくともかつての様なプロスポーツ大国でなくなったのは確かだろう。それに、野球だけでなくアメフトやバスケ、アイスホッケーといった、かつては全米中で謳歌を誇った4大スポーツも、今ではその栄光からは遠ざかってる様にも映る。 


退屈な動きの乏しいベースボール

 娯楽の多様化や分散化と言えばそれまでだが、娯楽の語源は”Culture”(文化、教養)と呼ばれるが、スポーツに娯楽を求める時代から、本来の意味である学問や教養に人類の意識が移行しつつあるのだろうか。
 今や、野球だけでなくプロスポーツが”オタク”と並ぶサブカルチャー(大衆文化)と言える時代ではなくなった様だ。
 更に言えば、スマホが娯楽の王道と化した今、野球がその牙城の一角を崩すのは不可能の様な気がする。

 昨年末に放映されたドキュメンタリー番組「情熱大陸」(TBS系)で松井秀喜氏から”今のメジャー見てるとストレスたまりません?”と問われたイチローは”たまる、たまる、めちゃめちゃたまるよ!退屈な野球”と応じた。
 それは、統計を駆使したデータという無機質な評価への依存度が高まり、選手の”感性が消えていく”事への危機感だろう。
 但し、メジャーの凋落はイチローや松井がいた頃のずっと前から指摘され続け、動きの乏しい間延びした試合展開には、昔からの野球ファンも物足りなさを感じてた筈だ。
 それに加え、前述した様にストライキやステロイド問題で質と量が低下したMLBだが、それを支えてきた黒人選手のメジャー離れが一気に加速し、今のマーケットの冷え込みやMLBの不人気に繋がっている。

 多分、大谷の二刀流の活躍がなかったら、私が予想してた様に、メジャーは消滅してたかもしれない。そんな大谷の活躍があっても、イチローや松井は”メジャーが退屈だ”と警鐘を鳴らす。だが私にすれば、大谷の活躍すらも退屈に覚えるのだが・・ 
 一方で、日本開催のMLB開幕戦の視聴率が”3割超え”としばし話題になってはいるが、あれだけNHKと日テレと野球解説者らが束になり、大谷を戦時の大鑑巨砲主義の如く祭り上げ、大々的に国を挙げて宣伝すれば・・と思わなくもない。
 でも悲しいかな、肝心のメジャー開幕戦の試合展開は町内会のゲートボール並みの様相で、すぐに地上波を切り、アマプラの旅番組「親父呑み」に変えた。勿論、その番組も中高齢の2人がメインで動きは乏しいが、進行がスムーズで2時間見てもストレスは溜まらない。

 それに比べ、昨今のMLBは一昔前の超不人気のパリーグみたいに、お腹の出っ張ったヘボな選手も多いし、プレーに真剣さがない。日本ではプロ野球が(規模的に見ればだが)未だに国民的人気を誇ってるのも、野球が教育の一環としてみなされてるが為に、その取り組み方に真剣度と誠実さが違うのだろうか?
 少なくとも、日本のプロ野球に関しては、”退屈だ”とか”詰まらない”とか”動きが乏しい”との声は聞こえては来ない。でも何故、メジャーだけが退屈でつまらなくなったのか?
 勿論、MLB機構もピッチクロックや選手のプレーデータが一瞬で見れるスタッドキャストが導入され、人気回復に躍起になってはいるが、それでも日本のプロ野球と比べると、プレーの質やきめ細かな駆け引き、スピードなどで劣る気がする。
 では、本当にアメリカではベースボールは人気がないのか?データを見ながら検証する。


野球人口が急落する

 世界的に見て、野球がマイナーなスポーツである事はアメリカ国内でも指摘され続けてはきたが、実際ヨーロッパや南米やアフリカなどでは認知すらされていない。また、野球が広く浸透してる国でさえ、野球の競技人口や人気は年々低下する傾向にあり、世界的な人気と競技人口を誇るサッカーに比べると、その差は歴然である。
 以下、「野球の競技人口は世界に約3500万人、人気低迷の原因は国際大会」より大まかに纏めます。

 世界における野球の競技人口は約3500万人と言われ、競技人口が約5億人と推定されるバレーボールを初め、バスケットボール(4億5000万)やサッカー(2億6000万)などと比べると、野球の競技人口は圧倒的に少ない事がわかる。以下、卓球とクリケット(3億人)、テニス(1億人)、ゴルフ(7000万人)と続く。
 但し、競技人口だけでプロスポーツの優劣はつけ難く、アメリカで断トツの人気を誇るアメフトは2300万人で、世界132カ国に跨るラグビーは846万人がプレーする。ただこれには、頭部や身体に大きな負担を強いる事で、競技人口に制限が掛かるのも理解できる。
 確かに、競技人口の定義は曖昧で、どんな頻度でプレーすれば競技人口とみなすのか、キャッチボールだけで野球の競技人口に含むのか・・など考え出したらキリがない。故に、あくまで目安として参考すべきだろう。

 では、曖昧な競技人口ではなく、ファンの数は競技別でどれだけいるのだろうか。
 推計で言えば、1位はサッカー35億人で、2位はクリケットの25億人。以下、3位バスケット(22億人)、4位ホッケー(20億)、5位テニス(10億)、6位バレーボール(9億)、7位卓球(8.5億)、8位野球・ラグビー(5億)、10位アメフト(4.1億)、10位ゴルフ(3.9億)となる。
 因みに、(株)マクロミル・三菱の調査(2023)によると、日本国内ではプロ野球のファン人口は2116万人と昨年とほぼ同じで、ここ5年ほど続いてた減少傾向に歯止めが掛かった形となる。また、Jリーグ(サッカー)は853万人と例年とほぼ同じ結果だった(上図参照)。
 日本代表のファン人口では、WBCで世界一になった野球の”侍ジャパン”が2890万人(前年度比52%増)で、サッカーの”侍ブルー”が2681万人(同27%増)と大幅に増加。
 一方、B.LEAGUE(バスケ)は829万人(同66%増)で、Vリーグ(バレー)は543万人(35%増)、ジャパンラグビーは526万人(61%増)となった。因みに、プロ野球の球団別ファン人口は阪神タイガースが最多の473万人(17%増)。
 と、国内だけで見ても、代表チームはともかく、バスケやバレーボールやラグビーが急追してるのが伺える。

 更に24年の同調査では、スポーツ市場規模は約1.7兆円(昨年比24.0%増)で、スタジアム観戦は昨年比57.0%増と大幅に膨れた。また、(大谷の活躍もあり)MLBファン人口は1133万人(同23.8%増)と大幅に伸び、5年連続で増加。プロ野球は2210万人(同4.4%増)で、Jリーグは952万人(同11.5%増)だったが、一番人気の阪神は415万人(同12%減)に留まった。
 好きな選手の1位は大谷選手で7年連続、2位は三笘選手で2年連続、3位には石川祐希と5位に髙橋藍とバレーボールの躍進が目立つ。事実、パリ五輪でも観戦率が21.5%と最多を記録した。


最後に〜寿命と限界にあるメジャーリーグ

 こうしてデータだけを見れば、プロ野球人気の慢性的な減少を除けばだが、国内のプロスポーツ界は安泰の様にも思える。
 4年に1度のW杯では、決まった様に日本列島が歓喜するサッカー日本代表だが、2018年をピークに年々落ち込み、22年にドイツとスペインを撃破した事で世界の注目を浴び、再び上昇に転じた。
 野球の侍ジャパンも大谷の活躍や東京五輪(2021)とWBC優勝(2023)で大きく盛り上がったが、肝心の国内リーグに関しては、プロ野球は勿論、Jリーグもチーム数は多いが相変わらずパッとしない。
 それでも、世界のサッカーはユーロ選手権とW杯と五輪と欧州各国に散在する各リーグを中心に盛り上がる。また、アメリカ国内で断トツの人気を誇るアメフトはそれだけでペイできるし、NBAはMLBと同程度の人気だが、世界中に競技人口が拡散し、マーケットとしては安泰だ。ラグビーもバレーもテニスもクリケットも世界中に競技人口を持ち、その未来は非常に明るいものがある。
 その一方で、唯でさえ貧相で人気のないMLBは米国内だけではペイできないので、ジャパンマネーに縋るしかない。それこそがWBC開催に至った背景だが、更に、プロ野球の若きスター選手に大金をチラつかせる。が、そのプロ野球を支える若い高校球児が目減りしてるから深刻なのだ。

 野球の競技人口が減少する理由として、世界的スポーツとして認知されてない事もあろうが、一番の問題は国際大会が盛り上がらず、野球が世界中に拡散しない事にある。サッカーなら、FIFAが定める国際大会への招集にクラブ側は協力する義務が生じるが、残念ながら野球ではWBCやプレミア12などの国際大会を開催しても、特にMLB側からは制限が掛かる。
 事実、WBCもプレミア12も日本のスポンサーによる(日本が勝って当然の)国際大会に過ぎないし、それだけMLB側の経営が逼迫してる事の証であろう。ともあれ、五輪も含めた国際大会が日本国内だけで盛り上がっても、放送局は赤字のままでスポンサーも寄り付かない。

 2つ目に、甲子園という慢性的な古臭いイメージがある。かつて高校球児たちの汗と涙は多くの大人たちを感動させたが、今の若者はこうしたイメージには程遠く、野球離れは一層加速する。
 3つ目はTV中継の激減が考えられる。かつては、毎日の様にゴールデンタイムで見る事の出来たプロ野球だが、昨今は時間だけが食い過ぎて、間延びした展開に視聴率も稼げず、昭和の頃の様にお茶の間で家族と共に見る事はなくなった。

 勿論、上に挙げた3つの理由も要因に過ぎないかもだが、私が一番危惧するのは、メジャーの腐敗と衰退にある。
 未だに日本のプロ野球はMLBを目標にするが、既に”世界一”ではなくなったメジャーに縋るよりは、アジア・オセアニア地区でアジアンリーグを作り、次第に拡張し、世界最高峰のリーグを作り上げる方が近道の様に思えるのだが・・

 少なくとも、寿命と限界にある今のメジャーなら、老いたトランプ帝国と同じく、ない方がずっとマシだろう。



2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
相変わらず手厳しい (tomas)
2025-03-23 11:14:15
メジャーが大谷人気を頼りに
マーケットをアジアにシフトしてるのは
理解できますが
日本のプロ野球のマーケットを脅かしつつあるのは要警戒です。
仰せの通り
今のメジャーは世界最高峰ではない。
ヤンキースの田中も
楽天に素戻りした途端ダメになりました。
多分今年の巨人で引退でしょう。

昭和の頃の野球の方がレベルが高かったんですかね
昨今のメジャーに浮かれてる野球ファンは
コアじゃなく新規が多いだろうから
メジャーを含め野球のことをよく知らない。
転んだサンがやかましく続けるのも何となく理解できますが
返信する
tomasさん (象が転んだ)
2025-03-23 15:12:37
メジャーはすでに寿命なんですよ。
それに、主要なプロスポーツの中でも断トツで運動量が少ない。
それでいて、投手にだけ肘や肩に怪我が集中する。
テニスも試合時間は長いですが
観客と一体化した集中度と金箔さが全然違う。

大方予想はしてましたが
あそこまで凋落すれば言葉もないです。
特にカブスの選手は元気なかったし、やる気あんのかって感じでした。
一方、ドジャースはバカみたいに浮かれてるし、既に終わった感が満載でしたね。
どうしてもメジャーに関しては愚痴っぽくなりますが。
勘弁を・・です。
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。