テンセグリティ(Tensegrity)とは、数学者で建築家でもあるバックミンスター・フラー(米、1895~1983)により提唱された概念であり、Tension(張力)とIntegrity(統合)の造語である。が、実際はケネス・スネルソンが彫刻として取り組んでた張力材と圧縮材からなる構造物に対し、”テンセグリティ”との造語を発案して用いたのがフラーであった。 具体的に言えば . . . 本文を読む
数学を気嫌いする人の気持ちはよく理解できる。実は私も、その1人であった。いや、今も”数学”という学問を嫌ってる不特定多数の1人なのかもしれない。 しかし、数学を多面的に捉えると、繋がってない筈の世界が繋がっている。或いは、深層的にググると見えないものが見えてくるのも不思議である。 物理学がそうである様に、数学の世界もあらゆる領域へ手を広げ、見えない世界の領域へと踏み込んで . . . 本文を読む
1月以来の”ナッシュJr”ですが、まずは「ゲーム理論」について簡単におさらいします。 ゲーム理論とは、社会・経済・ビジネス等の様々な領域で、そこに登場する個人・企業・政府をプレイヤーと見なし、どの様な行動をとるのかを数理的に分析し、利得における最適解を求める数理モデルです。 つまり、現実の様々な問題を将棋やチェスの様なテーブルゲームと考え、プレイヤーがどの戦略(打つ手)を . . . 本文を読む
「前半」以来、昨年の11月ぶりですが、大まかに振り返ってみます。 「ラッセルのパラドクス」では、命題(初期条件)を真か偽で判断した場合、どっちつかずの矛盾が発生する。つまり、条件を野放しに定義すると、素朴集合論の中に”ラッセルの矛盾”が生じる。有名な例としては、”床屋のパラドクス”や”ゼウスのパラドクス”等がある。 この矛盾 . . . 本文を読む
ジャニーズとズブの関係にあるNHKだが、記者会見場で質問拒否”リスト”を敢えて公表し、ジャニーズ事務所の内部告発(みたいな事)をしたのに対し、そのNHKは”自社の内部調査はしない”という。 まさに、ジャニーズの”罪”とNHKの”泥”の擦り合い的な様相を見せ始めてはいるが、こういう時は相手の出方を冷静に . . . 本文を読む
約3年ぶりの”暗号の仕組み”ですが、素数の謎を調べてる内に、RSA暗号システムの事を思い出し、書き溜めてた記事を紹介したいと思います。 「その1」では、暗号の仕組みを”同型写像”と”mod演算”(剰余計算)を使ったやり方で紹介しましたが、少し抽象的すぎて理解するに無理がありました。 「その2」では、その仕組みを例をあげて紹介 . . . 本文を読む
今日紹介する数学本は、編集部が勝手に作った邦題が誤解を生み、その苦情が翻訳者の夏目大氏に来たという笑うに笑えないエピソードを持つ「屈辱の数学史」(マットパーカー著)です。 というのも、原題が「A COMEDY OF MATHS ERROR」と書かれてしまった為に起きた事で、実はこれは原書のサブタイトル(副題)であり原題ではない。実際の原題は「Humble Pi」(屈辱)である。 故に、誤解を生む . . . 本文を読む
先日は「代数関数と超越関数」の中で超越関数と楕円関数の密な繋がりを記事にしましたが、ガウスが楕円関数を研究するきっかけとなったのが、以下で述べる”円関数”の存在でした。 因みに、”円関数”(=円の方程式)とは、円の弧長を表す関数がsinxの逆関数(=arcsinx)で表され、積分の形(=∫dx/√(1−x² . . . 本文を読む
ずっと以前に、「代数的数と超越数」について書きましたが、今回の疑問も殆ど同じようなもので、まずは”超越関数”(transcendental function)とは”代数を超越した関数”と思って下さい。 わかり易く言えば、代数方程式(多項式=0の形で表される方程式)を満たさない関数であり、代数方程式の根として定義できる”代数関数&rdqu . . . 本文を読む
「女子高生の新しい証明」に寄せられたコメントに、ピタゴラスの定理(3平方の定理)の4つの証明が紹介されていた。 この定理は105通りの証明があるとされるが、大まかに確認すると、どれも似たり寄ったりと思えなくもない。 勿論、中にはとても美しくシンプルな証明もあるし、複雑な公式や定義を使うものもある。例えば、(ピタゴラスが証明した様な)図形をパズルの様に組み合わせ、数式や計算を使わずに証明できるもの . . . 本文を読む