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象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

愚かな暴力が生み出す悲しみ〜「テン・カウント」に見る破壊と破滅の物語

2020年11月18日 04時14分37秒 | 読書
 ”テンカウント”を聞いた筈のトランプが、リング上で仁王立ちになり、”オレこそが勝者だ、判定は間違ってる”と喚き散らす。 ボクシングでは、試合後の判定にイチャモンがつく事がある。最近では、明らかにおかしい判定には再試合が義務付けられる事もある。 昔はレフェリーが裁定してたが、負担を考慮してか、今では3人のジャッジメントが行う様になった。故に、際どい判 . . . 本文を読む

「遠い太鼓」に見る、村上春樹の真の凄さと意外な脆さと

2020年10月13日 04時59分48秒 | 読書
 先日、”ノーベル文学賞は誰がために”で、村上春樹さんの「遠い太鼓」(1990)をふと思い出した。 この作品に関しては、私の”村上春樹論”を大きく変えた一冊として、未だに印象に残っている。昨年の7月ころの記事ですが、加筆して新しく投稿します。悪しからずです。 本の最後に、”37歳で日本を後にし、40歳で日本に戻ってきた。コネも何もなく独り . . . 本文を読む

ノーベル文学賞は誰がためにある〜村上春樹がどうしても獲得できない、そのカラクリとは?

2020年10月10日 04時25分33秒 | 読書
 2020年のノーベル文学賞が8日発表された。日本人の中には、今年こそは村上春樹で当確だろうと、思った人も多い筈だ。 事実、今年は本命がいなく、混戦が予想され、イギリスのブックメーカーのオッズでは村上春樹は3位につけていた。 しかし蓋を開けてみれば、大方の予想は外れ、米国の詩人、ルイーズ・グリュックさんに授与された。 ノーベル委員会のアンデルス・オルソン選考委員長は、”飾り気なき美しさ . . . 本文を読む

「ブルースリー伝」に見る、ルポルタージュの難しさと曖昧さ

2020年10月05日 04時18分06秒 | 読書
 大ファンという訳でもないが、ブルース・リーという人物と生き様には不思議と興味を覚える。勿論、ヒーローや格闘家としても魅力的だし、一人の人間としても多少は奇怪だが、魅惑的だ。それを証明するかの様に、彼に関しては様々なルポルタージュが登場した。 私も何冊か読んだが、当時は不可解な死も手伝ってか、赤裸々にブルースを悪く書く記事が目立った様に思う。お陰で彼の虜になった。 もしブルースリーが今の様に神格化 . . . 本文を読む

モーパッサンに見る、ビンテージ級の短編集の真髄〜「脂肪の塊/ロンドリ姉妹」編

2020年09月16日 04時35分39秒 | 読書
 モーパッサンは、日本で一番有名なフランス人と言っても言いすぎじゃない。 解説にもある様に、モーパッサンのブームはとても古く、明治30年代に第一波が訪れ、以降今日までおびただしい数の翻訳が刊行された。 特に「女の一生」に関しては、80数点の翻訳が存在するというから驚きだ。 今日紹介する「脂肪の塊/ロンドリ姉妹」という傑作編では、”脂肪の塊”を除く9篇は入手可能な他の文庫では . . . 本文を読む

アメリカの繁栄から取り残された白人たち〜「ヒルビリー•エレジー」に見る、トランプ旋風と貧困白人の奇妙な関係と

2020年06月10日 04時39分04秒 | 読書
 ここ数日は民度の低い記事で興ざめの部分もあったんですが、今日は少し民度の高い?テーマをです。少し長くなりますが、悪しからず。 全米中でデモが拡散し、暴動の度合いも広がってます。”抗議デモが暴動に発展した時、米軍部隊を投入すべきか”の問いに、52%が”支持する”と回答した(不支持は47%)との調査結果が報告された。白人の56%、中南米系の60%が支持 . . . 本文を読む

「素数たちの孤独」に見る本当の恋愛とは?〜ロマンスの真髄は素数の中にある〜

2020年05月13日 02時45分40秒 | 読書
 ”スキー中の事故で脚に癒せない傷を負ったアリーチェ。けた外れの数学の才能を持ちながら孤独の殻に閉じこもるマッティア。 この少女と少年の出会いは必然だった。ふたりは理由も分からず惹かれあい、喧嘩をしながら互いに寄り添いながら大人になった。 だが、些細な誤解がかけがえのない恋を引き裂く・・・” 人口6千万人のイタリアで異例の2百万部超を記録した。同国最高峰のストレーガ賞に輝き . . . 本文を読む

「サピエンス全史」から「ホモ・デウス」ヘ〜コロナすら駆逐できない人類は、神”ホモ・デウス”になれるのか?〜

2020年05月05日 13時52分34秒 | 読書
 ”サピエンス全史に見る言葉の虚構”でも書いたが、「サピエンス全史」(2011)が、全世界で1000万部超えの驚異の歴史的ベストセラーを記録した。 この著者のユヴァル・ノア・ハラリ氏を招いての特番が昨年1月にNHKで放映されてたが、ビル・ゲイツやカズオ・イシグロ氏も大絶賛したとあって、実に興味深い内容でもあった。 少し古いネタですが、今日は”ホモ•デウ . . . 本文を読む

「忘れるが勝ち」と忘却の美学〜愉快に生きる為に

2020年04月17日 04時28分15秒 | 読書
 自粛が続く中、既にウンザリという人も多いだろう。私もその一人だ。元々出不精な私だが、外出自粛も限界はある。 全てはいい方向に考えようとはしてるが、これにも限界はある。嫌な事は忘れるに限るがこれも限界がある。 人間の脳は、私達が思うほど都合よくタフには出来てはいないのだ。 私は記憶力が悪い。若い頃から物覚えが悪く、何でもよく忘れる子供だった。勿論、今でもその傾向は変わらない。 しかし、忘れる事で脳 . . . 本文を読む

芥川賞は誰がために?〜芸人•又吉直樹と女性編集者と、吉本の大きな賭け

2020年03月23日 04時47分29秒 | 読書
 お笑い芸人にしては、小説が上手に書けるレヴェルで、”純文学とか芥川賞に値する”とは全くの別問題だと思う。 ビートたけしと又吉直樹の対談を読んでてそう思った。たけしは、又吉の事を”上手な文章が書ける”芸人と評した。 対談の冒頭で、”俺の最初の小説は覚えてないんだよな、ゴーストライターが勝手に書いちゃってさ”って突っ込んだのには . . . 本文を読む