ライス女史に関しては、優等生というイメージしかない。全く進展しないイラク戦争について問われた時、”現場なんて知る筈もないわ。私達はエアコンのついた所で仕事してんだから”と切り替えした。 つまり、”何をやるかではなく、どう思われるか”が、ライスの全てだった。 結局、彼女は何をやる事もなく、どう思われる事もなく、ホワイトハウスを去った。 以下、&rdq . . . 本文を読む
コイツは化け物か?それとも傑出した策謀家か?この本を読んで、こんな人間には生きて欲しくないと思った。信念もここまで偏ると腐ってしまう。まるで腐った理念を持つ化け物だ。 リチャード・ブルース・"ディック"・チェイニーはイラク戦争の実質の蠕動者&主導者で、J•W•ブッシュ政権の下で副大統領を務め、”史上最強の副大統領” とか&r . . . 本文を読む
この本で紹介するアパラチアン•トレイルはアメリカ東部の南はジョージア州から北のメイン州まで、14の州を貫く3500キロのロングトレイルだ。 2005年に約半年をかけ、著者の加藤則芳が歩き、そこで様々な人と出会い、体感したアメリカ。自然、文化、歴史から暮らしや人との交流、それに日本との比較や政治や宗教といった問題までをも描いた、原稿用紙1000枚を超える超ロングランのドキュメントです。 . . . 本文を読む
このレビューは、2017年にアマゾンに投稿したものですが、最初はトップレヴューに載せてもらい、嬉しくもあったが、最近は購入しないと評価してもらえない。 当然と言えば当然だが、そこで少しアレンジして加筆し、ブログを立てる事にする。まさに奥田英朗版"人間悲喜劇" ストーリーは、近所との軋轢と不況に喘ぐ鉄工所の主人、家庭の問題や上司のセクハラに悩む憂鬱なる銀行レディ、ヤクザに弱みを . . . 本文を読む
前回”その1”(バカと論理は使えない)では、長々と論理の限界とその仕組みを述べましたが。今回は欧米の論理の出発点である、自由と平等と民主主義の限界とイカサマについて、これまた長々と書きます。悪しからずです。 私自身哲学なんて大の苦手で、単なるコジツケにしか思えないんですが。16世紀以降の欧米の躍動と合理主義を支えたのは、ヨーロッパの哲学者達かもしれません。以下でも述べます . . . 本文を読む
今更ですが、2005年に出版され、累計270万部超の大ベストセラーとなった『国家の品格』の紹介です。「サピエンス全史」よりもこっちの方が品があり、日本人には説得力がありますね。 この”品格”こそが戦争の抑止力となり、欧米主導の”虚構”という合理主義を打破する、大きな武器になり得ると私も思う。著者の藤原正彦氏の数学的思考から生み出された、純朴で熱い情 . . . 本文を読む
「湖中の女」は、第二次世界大戦の最中に書かれただけあって、従来のレイモンド・チャンドラーの作風と多少異なる趣を呈します。 長編シリーズの第4作目とあって、完成度と熟成度は、読者の期待を凌駕する程です。訳者の清水俊二氏の高質な文才も手伝い、推理の領域を遥かに突き抜け、濃く深い人間の情愛と強欲の深部にまで拡張していきます。 「長いお別れ」が、友情と正義の間に揺れ動く繊細な人間ドラマだとすれば、この「 . . . 本文を読む
”ハイソサエティの退廃的な生活、それを見つめる虚無的な青年。実在の人物をモデルにして上流階級の人々の猥雑な姿を描いた問題作。カポーティが何より完成を望みながら、遂にそれが叶えられなかった遺作。この小説を発表したカポーティは、社交界を追われ、破滅へと向かっていく”Google Booksより。 叶えられなかった祈りよりも、”叶えられた祈り”の上により . . . 本文を読む
完璧のエンディング!これこそがSキングの真骨頂! 「1922」(邦題)というタイトルからは想像し得ない”荒涼たる犯罪小説”に仕上がった作品だと言える。 サスペンス&ミステリーでありながら、家庭とは、夫とは妻とは、子供とは愛とは、どうあるべきかを問う。 そこにはキング独自の人生哲学が重く鎮座する。自分勝手な信念を押し通せば、大きなしっぺ返しを食らう。信念がなければ単に人生の奴 . . . 本文を読む
初めてのモーパッサンが「ベラミ」だった。ゾラと同世代のフランスの作家だ。あまりにもピュアで華麗なる筆致には驚かされる。癖のない現代風の文筆と新鮮な美しいスタイルは、分裂症的なゾラや理屈っぽいバルザックにはない純粋な清々しさを感じる。 一方で、オチも捻りもない実直過ぎて、直線的な展開には少し物足りなさも感じるが。日本中がゾッコンし、病みつきになりそうなこの優雅な洗練された文筆は?一体モーパッサン . . . 本文を読む