“心の水”はとかく楽なほうへと流れたがるが...
たとえば、雪山で吹雪に遭ったとします。ものすごい風速で粉雪が飛んできて、息ができなくなるほど苦しい。雪の中に穴を掘って首を突っ込むと、呼吸が確保できるようになって、「ああ、助かった。これで生きられる」とほっとする。
穴を大きくして、その穴の中に収まると、居心地のよい極楽のような場所になる。
30分もすると、上から雪が首筋に落ちてくるし、尻は冷たく、地獄のように思えてくる。
明くる朝、そのを脱出してテントに逃げ込む。もう、ここは天国だ。ところが、一晩も過ごすと、氷がゴツゴツして寝心地が悪いとか、風が吹いてテントが騒がしいとか、いろいろ不満が出てきて最低の場所になる。
そこで、次の日、ベースキャンプまで下がってくると、そこでは電気がつき、エアーマットがあり、ラジカセや雑誌もあり、雪洞やテントに比べたら快適そのものだ。でも、すぐに「もう麓へ帰りたい」と思い始める。
人間は、限りなく少しでも楽なほうへと流れていく。でも。それでは人間は変われない。
参考資料:「いい話」のおすそわけ 三笠書房より 引用
たとえば、雪山で吹雪に遭ったとします。ものすごい風速で粉雪が飛んできて、息ができなくなるほど苦しい。雪の中に穴を掘って首を突っ込むと、呼吸が確保できるようになって、「ああ、助かった。これで生きられる」とほっとする。
穴を大きくして、その穴の中に収まると、居心地のよい極楽のような場所になる。
30分もすると、上から雪が首筋に落ちてくるし、尻は冷たく、地獄のように思えてくる。
明くる朝、そのを脱出してテントに逃げ込む。もう、ここは天国だ。ところが、一晩も過ごすと、氷がゴツゴツして寝心地が悪いとか、風が吹いてテントが騒がしいとか、いろいろ不満が出てきて最低の場所になる。
そこで、次の日、ベースキャンプまで下がってくると、そこでは電気がつき、エアーマットがあり、ラジカセや雑誌もあり、雪洞やテントに比べたら快適そのものだ。でも、すぐに「もう麓へ帰りたい」と思い始める。
人間は、限りなく少しでも楽なほうへと流れていく。でも。それでは人間は変われない。
参考資料:「いい話」のおすそわけ 三笠書房より 引用