ももたろう

あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいればよかったのに。


おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行けばよかったのに。


おばあさんが川で洗濯をしていると、川上から大きな桃が流れてくればよかったのに。


おばあさんはそれを持って帰って包丁で桃を割ると、中から男の子が出てくればよかったのに。


おじいさんとおばあさんはその子に“桃太郎”と名付ければよかったのに。


桃太郎が大きくなったある日、『鬼退治に行く』と言えばよかったのに。


おばあさんは桃太郎にきびだんごを持たせればよかったのに。


桃太郎が歩いていると、猿と犬とキジがやってきて『桃太郎さん桃太郎さん仲間になるからきびだんごをください』と言えばよかったのに。


そして鬼ヶ島へ着くと、鬼をバッタバッタと倒せばよかったのに。





まあ結局何も起こってないっていう。