静かな場所

音楽を聴きつつ自分のため家族のために「今、できることをする」日々を重ねていきたいと願っています。

ノセダ指揮N響のベートーヴェン(録画)をやっと観た

2015年10月26日 20時04分00秒 | オンエア
 ちょっと前ですが、たまったHDD内の録画を整理すべくいろいろと飛ばし見してたら、ノセダのえらい熱の入った指揮ぶりが目にとまりました。
 インタビューを見るとベートーヴェンの第5について、いろいろと「熱く」語っていて、「う~ん、どこかで聞いたような話だけど、ノセダって指揮者、まともに聴いたことないから、いっちょ聴いてみっか」と、後半のベートーヴェンだけ全曲「ちゃんと」鑑賞しました。
 そしたら、これがなかなかよかった。
 ベトベン好き、運命好きな私ですが、さすがに最近は「今さら感」もあったりするのですが、でも、この演奏は、そういう倦怠感みたいなのを払拭してくれました。

 とにかく最初から、いや、舞台に出てきた時からノセダ氏は、もうテンション上がってて、何かを念じながら歩いているようにも見えました。
 そして客席から振り向きざま突然の開始。
 第1楽章のテンポはとても速かった。
 第2楽章までの「間」はとても必然的に感じられました。
 ピチピチでひた向きで、耳が離せない演奏でした。
 尋常でない気合いの入り方でしたが、独りよがり、独り相撲な感じはありませんでした。
 映像で見る限りはボウイングの幅がやや小さいように見えました。
 録画なので、実際の音量は分かりませんが、ひょっとすると細かく音量をコントロールする中で、きっちりと合わせながら緊迫度の高い音楽を作っていたのかも知れません。音量の増減の生々しさと言うか有機性みたいなものをすごく感じさせられました。
 こうなってくると、もうノセダの言うように「まるで初めて聴いた時のように」出てくる音や旋律などが新鮮で、最後まで惹きつけられてしまいました。
 最後の音を振り終えたノセダは、譜面台に置かれた小さなスコアをすぐに手に取り、その表紙に軽くキスをして、そして聴衆の方に向き直りました。
 私は、実はこの姿にとても心打たれました。
 その何気ない仕草に、彼の誠実さや熱意がにじみ出ているようで、じぃ~んと来た。
 ベートーヴェンの「運命」なんて今さら・・・・奏者も聴き手も、そんなふうに思うことはあるでしょうが、やはり、この曲は偉大であるし奥深いし、新鮮味を失っていない。様々なスタイルの演奏が「出尽くした」かも知れないこの頃ですが、楽曲自身は何ら変わらぬ価値を持ち続けているのだという当たり前のことをノセダは小細工無しで証明してくれた。
他の曲もノセダの録画はちゃんと聴こう、そう思いました。

 それにしても、録画が溜まり過ぎ・・・。
 N響の熱心なファンでもないのに、ほとんど録画しててプロムシュテットとかデ・ワールトとか、他にも未視聴がいっぱい。
 リアルタイムで観ることが難しいので仕方ないとは言え、やたら録画予約するのを控えないといけません。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿