凄く良かったです。やっぱり三浦しをんさんは、上手いなぁー。4つ★半
良く知らない世界を、ユーモア散りばめて、興味深く楽しく読ませてくれます。
ただ、今回に限っては、実験の処や遺伝子・DANなどの部分が、ちょっと私には難し過ぎて解らず、流し読みしちゃった部分もありました(^-^;
内容は、「舟を編む」の生物研究者版って感じでした。
でも主人公2人の内、一人が料理人見習いの藤丸君っていう設定も良かったな。この人が、研究等に関して無知なので、私および読者代表?みたいな感じで、感情移入しやすいんですよ。
あ、そういえば、「舟を編む」は、女子は料理人だったっけ!! 男女逆バージョンなのか!!
物語には、研究室で一緒の人達や、料理人の師匠や常連さん等が登場しますが、悪人がいなくて、みんないい人なので安心して読めます。
私が一番印象に残った、良いなぁ、としみじみ感じた処は、本村さんが実験の成果が出て、大きい葉っぱがつきそうな生育に成功した!って大喜びしていたのに、その後、まさかの最初の時点で遺伝子AHOとAHHOとを間違って研究し続けていた!
落ち込んで様子がおかしい本村さんを、研究室仲間が心配してくれて、事情を打ち明けやすい場を作ろうと、外食に連れ出すんですよね。
そこで、本宮さんが、今の状態を続けるか、それとも最初に戻って研究をやりなおすか?どうしたらいいだろう・・・って。それに対しての藤丸の発言がね、すごく良かった・・・。
彼が「俺ならそのまま続けるっす。」336頁の藤丸の言葉がね、いやーなんというか、ズバリと本質をついた言葉でねー。
その発言のおかげもあって、本村さんもすっかり霧が晴れたかのようになって、元気になったし。
普通、ここで惚れるでしょーーー!?
そして、その後、ミスっていた・・という事を殺し屋風松田先生に告げた時の先生も、凄く良かった・・・。
先生は、1週間、彼女がなかなか言い出せず悩んでいた、って事に真っ先に反応し、打ち明けにくい雰囲気を作っていた自分をわびる発言をするんですよね。ううう・・・先生、、、、。
そして、彼も藤丸と同じに、面白さや勘を信じてそのまま続けてみたら、って言ってくれるんですよ。
ここらへんが、じわーーっと来ちゃいました。
研究者と料理人、やってる事は全然違うけれど、共通点が色々あって、本宮さんと藤丸、この2人合うなぁーーって感じるシーンが色々ありました。そこらへんの文章がね、しをんさん、さすが!すごい!!ってうなりましたよ。
そして、藤丸君のまっすぐというか・・・そういう人間性がね、ほんと最近読んだ本の中で、一番好きでしたわ。
★以下ネタバレ★
普段だったら、くっつかないラストにしたなんて素晴らしい!って拍手を送るであろう自分なのですが、本作に限っては、くっつかなくてもいいけど、将来希望が見えそうって感じでハッピーエンドを希望してしまったんですよね・・・。それだけ藤丸に幸せになってもらいたかったわけで・・・。
なんだかんだあっても、最後にはカップルになって終わると、やっぱりねー?って感じになっちゃうから、結局本村さんは研究一筋で、藤丸の片想いで終わってしまう、っていうストーリーは斬新なのかもしれない。それは解っちゃいるんだけど、、、以上
本の装丁が、とても美しいです。青井秋さんって方によるものだそうです。
分厚い本だから、最初、ちょっとおじけづいたけど、一気に読んじゃいました。
あと、個人的に良く知ってる人が、本村さんと、そっくりな状況・生活をしていているもので、あらゆる点で、おお・・・・と感嘆してしまう部分が多数ありました。
愛なき世界 三浦しをん(2018/9/10)
恋のライバルが、人類だとは限らない――!? 洋食屋の見習い・藤丸陽太は、植物学研究者をめざす本村紗英に恋をした。しかし本村は、三度の飯よりシロイヌナズナ(葉っぱ)の研究が好き。見た目が殺し屋のような教授、イモに惚れ込む老教授、サボテンを巨大化させる後輩男子など、愛おしい変わり者たちと地道な研究に情熱を燃やす日々……人生のすべてを植物に捧げる本村に、藤丸は恋の光合成を起こせるのか!?
三浦しをん
「愛なき世界」
ののはな通信
ぐるぐる♡博物館
あの家に暮らす四人の女
「まほろ駅前狂騒曲」
月魚
舟を編む
「木暮荘物語」「天国旅行」
「まほろ駅前番外地」
星間商事株式会社社史編纂室
神去なあなあ日常
「光」
「悶絶スパイラル」「人生劇場」「仏果を得ず」感想
「きみはポラリス」感想 三浦しをん
「むかしのはなし」三浦しをん と「最後の恋」感想
「桃色トワイライト」「まほろ駅前多田便利軒」感想 三浦しをん
「秘密の花園」、「風が強く吹いてる」
その後、しをんさんのインタビューで、この小説を書くきっかけは、なんと教授からのお声がけからだったと知って、びっくりでした。
>『舟を編む』の辞書作りをはじめ、これまでの作品のテーマは、もともと私自身が興味を持っていたことでした。でも今回は、本書の監修をしてくださった東大の塚谷裕一先生から、「『舟を編む』を読みましたが、辞書作りが小説になるのだったら、植物学も小説になるのではないかと思うんです。一度見学に来ませんか」と連絡をいただいたことがきっかけです。こちら 読書人紙面掲載 特集
あと、タイトルについては、こうおっしゃってます
>「愛なき世界」は、直接には、「植物の世界」を象徴するタイトルです。が、最終的に、愛なき世界ではない、ということを書きたくてつけた、逆説的な言葉でもあります。
良く知らない世界を、ユーモア散りばめて、興味深く楽しく読ませてくれます。
ただ、今回に限っては、実験の処や遺伝子・DANなどの部分が、ちょっと私には難し過ぎて解らず、流し読みしちゃった部分もありました(^-^;
内容は、「舟を編む」の生物研究者版って感じでした。
でも主人公2人の内、一人が料理人見習いの藤丸君っていう設定も良かったな。この人が、研究等に関して無知なので、私および読者代表?みたいな感じで、感情移入しやすいんですよ。
あ、そういえば、「舟を編む」は、女子は料理人だったっけ!! 男女逆バージョンなのか!!
物語には、研究室で一緒の人達や、料理人の師匠や常連さん等が登場しますが、悪人がいなくて、みんないい人なので安心して読めます。
私が一番印象に残った、良いなぁ、としみじみ感じた処は、本村さんが実験の成果が出て、大きい葉っぱがつきそうな生育に成功した!って大喜びしていたのに、その後、まさかの最初の時点で遺伝子AHOとAHHOとを間違って研究し続けていた!
落ち込んで様子がおかしい本村さんを、研究室仲間が心配してくれて、事情を打ち明けやすい場を作ろうと、外食に連れ出すんですよね。
そこで、本宮さんが、今の状態を続けるか、それとも最初に戻って研究をやりなおすか?どうしたらいいだろう・・・って。それに対しての藤丸の発言がね、すごく良かった・・・。
彼が「俺ならそのまま続けるっす。」336頁の藤丸の言葉がね、いやーなんというか、ズバリと本質をついた言葉でねー。
その発言のおかげもあって、本村さんもすっかり霧が晴れたかのようになって、元気になったし。
普通、ここで惚れるでしょーーー!?
そして、その後、ミスっていた・・という事を殺し屋風松田先生に告げた時の先生も、凄く良かった・・・。
先生は、1週間、彼女がなかなか言い出せず悩んでいた、って事に真っ先に反応し、打ち明けにくい雰囲気を作っていた自分をわびる発言をするんですよね。ううう・・・先生、、、、。
そして、彼も藤丸と同じに、面白さや勘を信じてそのまま続けてみたら、って言ってくれるんですよ。
ここらへんが、じわーーっと来ちゃいました。
研究者と料理人、やってる事は全然違うけれど、共通点が色々あって、本宮さんと藤丸、この2人合うなぁーーって感じるシーンが色々ありました。そこらへんの文章がね、しをんさん、さすが!すごい!!ってうなりましたよ。
そして、藤丸君のまっすぐというか・・・そういう人間性がね、ほんと最近読んだ本の中で、一番好きでしたわ。
★以下ネタバレ★
普段だったら、くっつかないラストにしたなんて素晴らしい!って拍手を送るであろう自分なのですが、本作に限っては、くっつかなくてもいいけど、将来希望が見えそうって感じでハッピーエンドを希望してしまったんですよね・・・。それだけ藤丸に幸せになってもらいたかったわけで・・・。
なんだかんだあっても、最後にはカップルになって終わると、やっぱりねー?って感じになっちゃうから、結局本村さんは研究一筋で、藤丸の片想いで終わってしまう、っていうストーリーは斬新なのかもしれない。それは解っちゃいるんだけど、、、以上
本の装丁が、とても美しいです。青井秋さんって方によるものだそうです。
分厚い本だから、最初、ちょっとおじけづいたけど、一気に読んじゃいました。
あと、個人的に良く知ってる人が、本村さんと、そっくりな状況・生活をしていているもので、あらゆる点で、おお・・・・と感嘆してしまう部分が多数ありました。
愛なき世界 三浦しをん(2018/9/10)
恋のライバルが、人類だとは限らない――!? 洋食屋の見習い・藤丸陽太は、植物学研究者をめざす本村紗英に恋をした。しかし本村は、三度の飯よりシロイヌナズナ(葉っぱ)の研究が好き。見た目が殺し屋のような教授、イモに惚れ込む老教授、サボテンを巨大化させる後輩男子など、愛おしい変わり者たちと地道な研究に情熱を燃やす日々……人生のすべてを植物に捧げる本村に、藤丸は恋の光合成を起こせるのか!?
三浦しをん
「愛なき世界」
ののはな通信
ぐるぐる♡博物館
あの家に暮らす四人の女
「まほろ駅前狂騒曲」
月魚
舟を編む
「木暮荘物語」「天国旅行」
「まほろ駅前番外地」
星間商事株式会社社史編纂室
神去なあなあ日常
「光」
「悶絶スパイラル」「人生劇場」「仏果を得ず」感想
「きみはポラリス」感想 三浦しをん
「むかしのはなし」三浦しをん と「最後の恋」感想
「桃色トワイライト」「まほろ駅前多田便利軒」感想 三浦しをん
「秘密の花園」、「風が強く吹いてる」
その後、しをんさんのインタビューで、この小説を書くきっかけは、なんと教授からのお声がけからだったと知って、びっくりでした。
>『舟を編む』の辞書作りをはじめ、これまでの作品のテーマは、もともと私自身が興味を持っていたことでした。でも今回は、本書の監修をしてくださった東大の塚谷裕一先生から、「『舟を編む』を読みましたが、辞書作りが小説になるのだったら、植物学も小説になるのではないかと思うんです。一度見学に来ませんか」と連絡をいただいたことがきっかけです。こちら 読書人紙面掲載 特集
あと、タイトルについては、こうおっしゃってます
>「愛なき世界」は、直接には、「植物の世界」を象徴するタイトルです。が、最終的に、愛なき世界ではない、ということを書きたくてつけた、逆説的な言葉でもあります。
φ(..)メモメモ
また映画化されそうな感じでしょうか???
もしかして、こにさん、この本、読んでいらっしゃる気がしたので・・。
しをんさんの作品の中で、ここ最近で、これが一番私は面白かったし好きでした。
前作の「ののはな日記」が、期待したよりは、そうでもなかったので・・・
映画化は絶対されるに違いないです。
しをんさんらしい少し独特の世界でしたが、面白く読みました。
同じく専門的な部分は多少流し読みになっちゃいましたが^^;
藤丸君の想いは早々と玉砕してしまいましたが、それでも本村さんの事を温かく見守り、また好奇心が旺盛なところが可愛かったです。素人目線の感想が専門家にとっては意外だったりするのかもしれないですし^^
今後何かあって2人が結ばれることがあったらいいなぁなんてこともどうしても思ってしまいますけども^m^
さっき、また、ざっとですが2回目を読みました。
やっぱり、この小説良いなあーって、思いました。
ほんとは5つ★でも良いんだけれど、やっぱり難解過ぎて解らない処が結構あったので・・・それで4つ★半にしてしまいました。
そうですねー。なにも結婚しなくてもいいから、ちょっと交際してみても良いんじゃないかな?って思うんですけれど・・。凄く合うのになー、もったいないなーって。
私もラストは、今は分からないけど、二人の将来はもしかしたら……みたいな終わり方でもいいかと思いました。
フランス人みたいな結婚観でも別にいいのでは。子供が出来たら出産だけ本村さんが頑張ればいい。離婚したって別に結婚した事実が消えるわけじゃないし。藤丸君とその周りの面々がメインで育てて、本村さんは週一回くらい一緒にご飯食べるとかで充分立派な家族だし、親だし、研究平行出来ると思うけど……とか色々考えちゃいました。
私がこの作品で一番すごいと思ったのは、神去なあなあの主人公と同じ延長線上の、思考回路がタフで柔軟性がある男子をバッティングさせたことです。
植物の知識のあたりが専門的になるので、そこを削らず真剣に書くと、読者の負荷が増えるじゃないですか。こういう男子がいると橋渡しになって、つるつる読めちゃう。この技術ってすごいと思います。
しをんさんの小説で、最近の中では、これ、一番好きでした。
>離婚したって別に結婚した事実が消えるわけじゃないし。
そうそう。私もそう思いましたよー
本村さん、固く考え過ぎなんじゃないのかなー、色々考えずに、とりあえずかるーい気持ちで付き合っちゃえば? ダメ元で結婚してみたって・・・って思ったんですよねー。
>藤丸君とその周りの面々がメインで育てて、本村さんは週一回くらい一緒にご飯食べるとか
私もね、そう思うんですけど、
でも、ほら、夫婦それぞれの職場が近所にあって、っていう前提ですよね。。。
まあ、藤丸君は、どこの場所でも料理人だから、お店を変わってもやっていけるとは思うんですけど(とはいえ、あのお店は、ずっと継いで欲しい)
本村さんが、もし海外とか、奈良先端なんとか・・とかに、移動することになったら、どうすんだ??っていうのは、ありますよね。
なーんて、そこまで考えてどうする?ですが
昔「神さまのカルテ」を読んだ時もそうだったのだけれど、夫婦それぞれが、好きな仕事をして、ちょっと遠距離だったり、たまに会う関係でもOK、ってところまでは来た感じしますが、その次の段階、子供はどうする?誰が育てる?が、難しいですよね・・・。
>神去なあなあの主人公と同じ延長線上の、思考回路がタフで柔軟性がある男子
あ!そういえば、忘れていましたが、あの子も、そういうタイプでしたよね。
なんでだろ?あの子は、私には、チャラい印象があるのですが、藤丸君は、なにかが違ったんですよ。何が違うんだろうか?
『愛なき世界』ながら、愛が溢れる、温かい物語でしたね~!
藤丸も本村も、松田先生すら愛おしくて、可愛くて、ニヤニヤしながら読んでました。
難しい研究の話も、藤丸に説明するシーンで我々読者にもわかりやすく、かつ笑えてほっこりできるという、素晴らしい配役でしたね。
その辺のしをんさんのセンスは、本当にすごいと思いました。
登場人物、魅力的な人が多くて、楽しかったです。
藤丸君が特にお気に入りです☆
しをんさんの小説で、こういった、マニアックなジャンル?を突き詰める系なお話は、大好きなんです。
本作も素晴らしかったです。
「舟を編む」も良かったんだけど、恋愛部分で、本作は、更に良くなったなーーって思いました。
専門的な分野へ深く入り込んでいく勇気とチカラ、
大切にしている部分へのこだわり、
丁寧につむがれる文章は、時に繊細、時に大胆!
藤丸君と本村さんのお付き合いの行く末は、しをんさんのココロの中でも、まだ熟成できていなかったのかな(笑)
続編を心待ちにしようかと思います。
ほんと、この本は、しをんワールド満載で、楽しめましたね。
>藤丸君と本村さんのお付き合いの行く末は、しをんさんのココロの中でも、まだ熟成できていなかったのかな(笑)
あ!たしかに、その熟成できていなかったのかもしれない・・っていうの、あるかもです。
続編、是非書いて頂きたいですね。