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「悶絶スパイラル」「人生劇場」「仏果を得ず」感想 三浦しをん

2008-05-07 | 小説・漫画他

「悶絶スパイラル」⇒「人生劇場」⇒「仏果を得ず」の順で読みました。
「仏果を得ず」以外はエッセイ集なので、読み応えという点では「仏果を得ず」が一番ありました。文楽に全く知識がなかったせいか、途中で有名な文楽の物語の説明等が入ることもあってか、なんだか読むのにとても時間がかかってしまいました。

こういった伝統芸能(文楽)への情熱や、芸を極めるがための日々精進、たゆまぬ努力・・・って部分は、健だけではなく人間国宝である銀丈夫や他の登場人物みんなに共通する部分で、凄いな~と思ったし、その志が立派だな~と思いました。もちろん、しをんさんの文楽への熱い思いがビシバシ伝わって来ました。

あと、文楽の内容で、演じる役どころや登場人物の心理・行動に、どうも納得が行かず頭を悩ませてた健が、自分の身近な小さな事がらで、はっ!と、その解釈がひらめく!という展開がこの小説では何度かあって、そこら辺りも面白かったです。なるほど、なるほど~と、私もが納得しちゃったというか。

私は、登場人物の中では、ちょい役ながらもラブホの店長(隣の寺の息子)の誠二が結構好きなキャラでした。健を自分の店に拾って来てあげた(住まわせる様になった)経緯なんかは、しをんさんらしいな~って思いました。残念なことに出番は少なかったけど。

★以下ネタバレです 白文字で書いています★
ミラちゃんとマチmamaだけど、これ10年後ヤバイんじゃないのかな?って真剣に思っちゃった。だって、ミラちゃんは、同じ文楽への熱い思いを共有出来る存在。マチmamaとは10年もすれば飽きて来てるだろうし・・・余計なお世話だけど、すご~く健とこの親子の3人の行く末が不安に・・・。
そもそも私はあんまりマチmamaが好きなタイプじゃなくて・・・。どうも健とマチさんが恋仲になる過程・理由がしっくり来なくて。一目惚れって事だけど・・・。
以上

いつか文楽って見てみたいな~って思いました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「人生劇場」
全編通して、ワールドカップ萌えの内容が多くて、仁丹と、p135の「ザ・ワイド」の有田芳生さんと、草野仁さんについて書かれているところが、すっごく笑えた(私も同じに思っていたから)
で、後日談が凄い!!この週刊新潮でのエッセイを掲載中、一番読者に反響が大きかったのが、この回だそうで、なんと有田さんご本人からもお葉書を頂き、後に対談にまで至るという凄さ!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「悶絶スパイラル」
大変!面白く読んだのに、もうどんな話があったのか、忘れちゃってる・・・。
オダギリジョーの「メゾンドヒミコ」のシャツがイン!!って部分が一番可笑しかったことは覚えてるのだけれど・・・
やっぱり読み終わってすぐ感想は書いておかないとイカンな・・・。

思い出しました(^^;)「なんでもベスト5」というのをやっていて、マンガのタイトルなどが色々出て来て、しかも私とかぶってる!!というのも少しあって嬉しかったです。私もガラスの仮面の亜弓さんや、日出処の天子が大好きです☆
しをんさんが一番泣いたマンガという「中国の壷」もこの本をきっかけに読みました。面白かったけれど、私は涙までは出なかったな・・。

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21 コメント

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文楽にはまってます! (おりおん。)
2008-05-07 11:23:37
latifaさんこんにちは!

「仏果を得ず」お読みになったのですね!
私にとって初・三浦しをんにしてBEST・三浦しをん小説でした。
 もちろん、私も、文楽の知識ゼロで読んだのですが、それでも十分に楽しめたし、なんか、無性に文楽が見てみたくなりますよね。
 この小説を読んだのがきっかけで、今では、すっかり文楽にはまっています。生の舞台はまだ2回しか観ていないのですが… もう、幕が開いた瞬間、目も心も釘付けになりました。自分では動くことも、しゃべることもできない人形が、下手な役者よりも、ずっとずっと演技力があって、心を揺さぶるのです!
 三浦しをんさんのミーハー文楽案内「あやつられ文楽鑑賞」もオススメです。文楽なんて、遠い・知らない世界と思いきや、電車の中で読んでいて、思わず声を出して笑ってしまうほどの楽しくて、身近に感じられる内容です。

 私は、三浦しをんさんのエッセイを読んだことはないのですが…latifaさんの文章を拝見して、読んでみたくなりました。読み終えたら、また、ご報告させていただきますね。 
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おりおんさん☆ (latifa)
2008-05-08 08:31:59
こんにちはー!おりおんさん
おりおんさんところ訪問しようと思っていた処だったのですよ。先を越されちゃった

おりおんさんにとって初・三浦しをんにしてBEST・三浦しをん小説だなんて!
私は三浦しをんさんの小説は「春太の毎日」という短編で、数人の作家さんによるアンソロジー集「最後の恋」に含まれていたのです。(その後、しをんさんの短編集「きみはポラリス」にも入って出版されました)私はその短編がとても大好きなんですよ。

やっぱり、ある作家さんの最初の作品ってとても印象に残りますよね。最初の作品が良いと、とっかかりが良いせいか、その後の印象も軒並み結構良かったりするし、最初の作品がつまらないと、他の作品になかなか手が伸びなかったり

それにしても、この小説をきっかけに、本当に文楽を見に行かれ・ハマっちゃうだなんて!!
でも、解ります。私も是非舞台で見てみたいです。

「あやつられ文楽鑑賞」もセットで是非読まねばなりませんね!何故か図書館に、あやつられ・・の方は置いてないんです・・

しをんさんのエッセイは、ボーイズラブとマンガ・小説への熱き思いと、しをんさんの弟とのからみ、好きな俳優・歌手への思いなどが、主に語られている気がします^^
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図書館文楽。 (おりおん。)
2008-05-08 13:12:08
latifaさんこんにちは!

 実は、昨日、文楽を見てきました! 千代田区立図書館リニューアル1周年記念の特別企画で、図書館のイベントスペースで太夫、三味線、人形遣いの方々が順番にレクチャーとミニ公演をして下さったのです。
 それぞれ大スター(特に人形遣いは、私の超お気に入りの桐竹勘十郎さまでした)の技芸員さんが、照明も音響も設備のない図書館の片隅で無料公演なんて、感激モノです。会場は立錐の余地もないほどの大盛況で、酸欠になりそうでしたが、皆さん、とってもお話上手、楽しませ上手で、ステキなイベントでした。

 週末には、国立劇場の公演を観に行く予定です!その道すがら、三浦しをんさんのエッセイを読もうかと思っています。

 
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あらまあ (牧場主)
2008-05-08 18:16:16
こんにちは~。
文楽って何であんなに高いんでしょうか・・・庶民には、そう、ほいほいとは・・・

私はあんま、この小説大好きっていうわけじゃないです。
こう、馴染みのない題材って、くだけて書かないと、ついてこないから、妥協しちゃった感じがしなくもない・・・
(恋愛を書くのも、何か意地になってるでしょう、しをんさん・・・
普通の恋愛なんかホンット興味ないから、女の人を男の人だと想定して無理して書いてみるか、しかし、男じゃないんだよな、つまんねぇ、って溜め息ついてる感じが・・・)

話は変わりますが、私、近藤史恵さんの「サクリファイス」を読んだ時、ああ、馴染みのない世界をよくここまで端的にまとめあげたな、って感心したんです。
でね、他の作品も読んだんです。
梨園をめぐるサスペンスがいくつかありましてね、すごく、この「仏果を得ず」を思い出しました。
文楽と歌舞伎って世界が重なるとこがあって。
で、観た方がダイレクトじゃんっていう世界を、どう、文字にするか、二人とも必死らこいてましたよ。

私も「悶絶」の方は「シャツがイン」しかもう覚えていない・・・(笑)
でも、覚えていないエッセイってあるべき姿っていう感じが私はしますね。

体調はまあ、元気になりました。
仕事も休まず行ったけど、ぼーっとしててミスしちゃいました。まあそれはいつものことですが。
明日から泳げるくらい元気です。

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Unknown (エビノート)
2008-05-08 20:28:42
師匠に恵まれて、健は幸せですよね。
でも、彼自身が努力を積み重ねて、文楽の真髄を極めようと真摯な姿勢を持っていることが一番だと思います。
三浦しをんさんの作品では、『風が強く吹いている』が一番好きなんですが、それほど興味を持ってなかった世界に読者を惹きこむパワーが感じられました。
『仏果~』の方も、最後の舞台の臨場感溢れる描写に惹き込まれちゃいました。
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こんばんは~♪ (ミチ)
2008-05-08 22:11:22
「仏果を得ず」のまえに「あやつられ文楽鑑賞」を読んでいたので、しをんさんがどんなに文楽に惹かれていったのかが良くわかってました。
惹かれるあまり小説まで書いちゃうなんてスゴイですよね。
歌舞伎は二度しか見ていないんですけど、やっぱり素晴らしく深い世界だな~と思ったので、文楽も一度は経験してみたいな~。

小説としてはそれほど惹かれるところがなかったというか、健の恋愛部分が特にイマイチに思えてしまったの。
しをんさんの小説はやっぱり「風が強く~」がイチオシなのかしら~?
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私も読みました! (おりおん。)
2008-05-09 01:30:26
こんばんは! 私も「風が強く吹いている」読みました。分厚い本なのに、引きずり込まれて一気読みしてしまう物語力がありましたよね。三浦しをんさんは「文楽」とか「駅伝」とか、マイナー系のものに光を当てるのがうまいなぁと思います。(というか、三浦さんのごシュミがそういう方向性なんでしょうね)
私の場合は、たまたま、文楽が大ヒットしてしまいましたが…どんなものであれ、物語の力を借りて、新しい世界に扉を開くことができるのは、とっても嬉しくてワクワクします。

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Unknown (藍色)
2008-05-09 01:58:15
こんばんは。
文楽に情熱を注ぐ健と周囲の人間模様、楽しかったですね。
そうそう、身近な出来事からインスピレーションが湧く場面も面白かったです。
ネタバレ部分、私も気になってましたが、たぶん続編は書かれないと思って触れずにいました(笑)。
「スパイラル」、ガラスの仮面の亜弓さんは私も割と好きです。

TBの件、お手数おかけしました。問い合わせしてくださってありがとうございます。
早く直ってって祈願しています(涙)。
今回も「入力内容に不正なURLが含まれているため、コメントできません」が出たので、TB反映されなかったら、ごめんなさい。
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おりおんさん☆ (latifa)
2008-05-09 09:21:00
まあ!!文楽を見て来られたばかりだとか
しかも、区立図書館リニューアル1周年記念の特別企画だなんて、しかも無料?! すっごく良い企画をしてくださる図書館ですね。私も近くに住んでいたら、絶対見に行ったのにな~。
うふふ~。おりおんさん、もう既にお気に入りの人形師さんもいるのですねw⇒桐竹勘十郎さま

週末には、国立劇場の公演を観に行く予定ですか!!
すごい、すごすぎるわ~~楽しんで来て下さいね

で、「風が強く吹いている」は私も以前読んだことがあります。
>三浦しをんさんは「文楽」とか「駅伝」とか、マイナー系のものに光を当てるのがうまいなぁと思います。
 うん、うん!私もそう思います。映画界で言うなら周坊監督みたいな人?
今後も、しをんさんには、まだ知らない世界を、解りやすく面白く書いて頂きたいな~と思います。
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牧場主さん☆ (latifa)
2008-05-09 09:34:52
牧場主さん、復活がものすごい早い!でも良かったです~!!

文楽、高いんですね・・・。まあ・・・古典芸能って軒並み高いんですよね・・・?(って良くは知らない) 

>こう、馴染みのない題材って、くだけて書かないと、ついてこないから、妥協しちゃった感じがしなくもない・・・
 それは確かにあるでしょうね。でも、私なんかだと、くだけて書いてもらわないと、最初の数ページでお手上げだ~になっちゃいそう・・・なので、その辺は折り合いつけて、しをんさん書かれたのかもしれませんね
私もこの小説、大好き!って程ではなかったりします。読むのが結構大変だったし、私がこの人好き!!ってキャラが中心人物にはおらんかったし・・・。

>恋愛を書くのも、何か意地になってるでしょう、普通の恋愛なんかホンット興味ないから、女の人を男の人だと想定して無理して書いてみるか、しかし、男じゃないんだよな、つまんねぇ、って溜め息ついてる感じが・・・
 ぷふふふ・・・。確かに・・。しをんさんは、男女の恋愛ものを書くのはお得意じゃない感じですよね^^ いっそ、この仏果を得ず、恋愛部分をバッサリ切り捨てたらダメだったのかな~?なんて、私はちょっと思っちゃったりしました。

「サクリファイス」
まだ順番待ちなのです~。楽しみ!!待ってて下さいねー♪

>文楽と歌舞伎って世界が重なるとこがあって。
歌舞伎も良くは知らないのですが、TVで歌舞伎や能などのひとかどの人の人生や普段の姿を取り上げている番組が結構好きで、見てたりします。文楽は血筋とかが重要じゃない・・って処が意外でした。
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