日本専門評論

日本国内の問題を、専門的に、あれこれ評論します。

日本の民営化は失敗した

2006年11月12日 19時16分25秒 | 政治

郵政民営化は失敗したのではないか?

郵政民営化の現状について「日経ネット」の記事から。

今朝の11月12日朝刊では、「郵政公社合理化進まず」という記事が出ていたが、郵政公社はアメリカから強引に押しつけられた 「アンバンドリング政策」のせいで、収益構造が不安定になりつつある。中川秀直・自民党幹事長が力説する「海外小包提携」 の道もオランダ外資TNTとの提携交渉が破談になっており進展がない。

郵政民営化は失敗したビジネスモデルであることがようやく明らかになってきた。
最近、郵便局は宅配業務を新規参入の個人業者に広げているようだ。郵便局の赤色ではなく、 白色のバンが郵便局の集配出口に止まっていることが多くなった。都市部だけの現象かは分からないけれども、新規参入が増えると言うことは、 ノウハウが蓄積されるまで誤配が増えるということでもある。

日経の紙面では、コンプラ(内部監査)の職員を2100人も増員するということであるが、 この動きは新規参入業者の管理という面からの出費だろう。

公務員が郵政事業を独占した時よりも合理化できるのか。また、合理化よりも重要な点、 郵便事業の安定された提供がどうなるのか怪しくなってきた。

郵政民営化で嗤ったのは総務官僚とアメリカ外資だというのが私の持論だが持論が図らずも実証された形になってきているようだ。

以上抜粋。

(私のコメント)

そもそも公共事業の民営化は、イギリスで失敗に終わっています。民営化による効率化が、コストの削減をもたらし、 公共料金は下がるはずでした。しかしコストの削減によってもたらされた利益は、人件費で消化され、公共料金に反映されませんでした。 それで監視するための組織が必要となりました。

それらの結果として、民営化によって削減した公務員は、監査団体の職員として復活してしまったのです。つまるところ公務員から社員・ 職員へと身分が変わっただけで、総数は変わらなかったのです。そして民間企業であるがゆえに、国民への情報公開義務が無くなる等、 やりたい放題できる素地さえできてしまったのです。

実際、日本の鉄道・電気・ガス・電話・通信の分野で果たされた民営化企業は、公共料金の引き下げを自主的にしたことはありませんし、 民間企業であるという名目で、人件費を湯水のように使っています。

これでは国営企業の赤字が、民営化によって黒字化したといっても、公共料金という名の高額な税金による黒字に過ぎません。 各企業が成功したはずのコストの削減は、いったい何時になったら国民に還元されるのでしょうか?