お待たせしました!第7回教科書学習会の報告です。(長いので、お時間があるときにm(._.)m)
6月14日(火)の13時から、20名の参加者で行いました(於 教育会館 1階会議室)。
今回のチューターは、Aさん。学習テーマは「ロシア革命」でした。
教科書を比較する際のページはこちら。
育鵬社版「63 ロシア革命と第一次世界大戦」(p.212-213)
東京書籍「2 ロシア革命」(p.200-201)
学び舎 「(9)パンを、平和を、土地を-ロシア革命と平和-」(p.210-211)
今回のテーマは、「教科書採択を考える会」の学習会としては初の外国史!!
「第一次世界大戦後の世界の動きを理解する上でロシア革命は重要!!」とのことで、学習することになりました。
今回チューター役のAさんはロシア革命前の世界の動向(思想家の著作も含めた!)を
資料としてまとめてくださいました。
そして、ロシア革命の流れを把握するためにAさんが作ってくれた資料がこちら。
1905年の「血の日曜日事件」から1924年のレーニン死去までの出来事を
どんな出来事だったか、背景までわかるような丁寧な内容でした。
(Aさん、大変な作業だったと思います。おつかれさまでしたm(._.)m)
学習会では、Aさんお手製の資料を一通り読んでから、教科書比較にうつりました。
ポイントは
◯ロシアの民衆が何を求めていて、どんな出来事だったのか?
◯それが資料と記述でわかりやすく説明されているのはどこの教科書か?
◯日本との関わりは?
というところだと思います。
Fさんは教科書の記述比較の資料をつくってくださいました。
意見交流では、育鵬社記述についての指摘が多かったです。
「共産主義」に対する嫌悪が出過ぎている、悪意を感じる記述が多い…
(育鵬社 p.212)
(育鵬社 p.213)
東京書籍・学び舎では、ロシアの市民たちが幕に要求を掲げている写真資料が載っていますが、
(東京書籍 p.200)
(学び舎 p.210 学び舎の資料説明の方がわかりやすいですね。
横断幕には「子どもを養え/家族を守れ」(左)「兵士の家族に 食料の配給を増やせ/自由を守れ/人民に平和を」(右)とあります。)
育鵬社では「演説するスターリン」の絵だけ。
(育鵬社 p.212)
しかも、資料説明には「“共産党の一党独裁による”(“”は筆者)共産社会の実現をめざした。」とあります。
レーニンの説明に共産党の一党独裁の記述はまちがいではないか?という指摘がありました。
また、育鵬社の記述では、最初から「共産主義」「共産党」という言葉を使っていますが、
東京書籍・学び舎では「社会主義」革命という言葉を使っています。
東京書籍では、革命後ボリシェビキ派が共産党と名を変えたこと、
スターリン体制になってからの独裁について触れています。
(東京書籍 p.201)
「シベリア出兵」についての議論では、「育鵬社の記述に腹が立つ!!」とお怒りの方もいました。
シベリア出兵は4年近くなされたが、日本の兵士は何のために出兵されたのかわかっていなかったはず。
東京書籍では「干渉戦争」であったことがきちんと書かれてあるが、
育鵬社は「…シベリア出兵を行い、共産系軍と戦いましたが、成果がないまま撤退しました。」の「成果」って何? 領土を狙っていたこともちゃんと書いていないし酷すぎる!
と怒ってられました(^_^;)
(育鵬社 p.212 シベリア出兵の資料)
(東京書籍 p.201 シベリア出兵の写真資料)
東京書籍では、シベリアの領土を狙っていたこともきちんと資料説明で書いてありますね。
元中学社会科教諭で今も史学研究されているNさんは、論点整理した資料を持参して参加されました。
革命前のロシアについての記述が、三社ともなかったのですが、
育鵬社と東京書籍は、近代の章の一番はじめ(日本史ではペリーの黒船来航・開国あたり)に
外国史がまとめてありました。
学び舎は、革命前のロシアについては、近代の前の近世の最後あたりに記述があるようです。
(ここでも育鵬社が異常なのは、「フランス革命」の記述が8行しかなかったことΣ(・□・;)
東京書籍と学び舎はそれぞれ2ページの記述がありました。)
Nさん資料では、「学習指導要領」の中でこのロシア革命の単元は、
「第一次世界大戦の件(くだり)に、日本の参戦、ロシア革命なども取り上げて、世界の動きと我が国との関連に着目し」
とあるだけなことを紹介。
くわしく教えなくていいということなのでしょうか???
「留意すべき課題」での指摘も鋭いです。
◯なぜ、大戦下で通常の革命でなく、社会主義革命が成功したのか
◯なぜ、ロシアは即時(無賠償・無併合の)講和が可能だったのか。
逆に言えば、大戦参戦諸国はなぜ戦争を途中からでも止めることが出来なかったのだろう。
二つ目の問いには「戦争している連中にはもうけがある。ドイツや第二次世界大戦の日本も同じ。」と意見を言われて、7回目の学習会は終わりました。
まとめです。
学び舎 p.211 欄外資料「平和に関する布告」で
「無賠償」「無併合」「民族自決」の三つがちゃんと書かれている
学び舎 p.211 1918年のドイツ革命にも触れている(育鵬社・東京書籍とも記述なし)
ということで、Aさんは「学び舎版」が一番書くべきことを書いているという意見でした。
長々とおつきあいありがとうございましたm(._.)m
次回の学習会は、7月12日(火)13時から、
松山市北持田町の教育会館1階会議室です。
6月14日(火)の13時から、20名の参加者で行いました(於 教育会館 1階会議室)。
今回のチューターは、Aさん。学習テーマは「ロシア革命」でした。
教科書を比較する際のページはこちら。
育鵬社版「63 ロシア革命と第一次世界大戦」(p.212-213)
東京書籍「2 ロシア革命」(p.200-201)
学び舎 「(9)パンを、平和を、土地を-ロシア革命と平和-」(p.210-211)
今回のテーマは、「教科書採択を考える会」の学習会としては初の外国史!!
「第一次世界大戦後の世界の動きを理解する上でロシア革命は重要!!」とのことで、学習することになりました。
今回チューター役のAさんはロシア革命前の世界の動向(思想家の著作も含めた!)を
資料としてまとめてくださいました。
そして、ロシア革命の流れを把握するためにAさんが作ってくれた資料がこちら。
1905年の「血の日曜日事件」から1924年のレーニン死去までの出来事を
どんな出来事だったか、背景までわかるような丁寧な内容でした。
(Aさん、大変な作業だったと思います。おつかれさまでしたm(._.)m)
学習会では、Aさんお手製の資料を一通り読んでから、教科書比較にうつりました。
ポイントは
◯ロシアの民衆が何を求めていて、どんな出来事だったのか?
◯それが資料と記述でわかりやすく説明されているのはどこの教科書か?
◯日本との関わりは?
というところだと思います。
Fさんは教科書の記述比較の資料をつくってくださいました。
意見交流では、育鵬社記述についての指摘が多かったです。
「共産主義」に対する嫌悪が出過ぎている、悪意を感じる記述が多い…
(育鵬社 p.212)
(育鵬社 p.213)
東京書籍・学び舎では、ロシアの市民たちが幕に要求を掲げている写真資料が載っていますが、
(東京書籍 p.200)
(学び舎 p.210 学び舎の資料説明の方がわかりやすいですね。
横断幕には「子どもを養え/家族を守れ」(左)「兵士の家族に 食料の配給を増やせ/自由を守れ/人民に平和を」(右)とあります。)
育鵬社では「演説するスターリン」の絵だけ。
(育鵬社 p.212)
しかも、資料説明には「“共産党の一党独裁による”(“”は筆者)共産社会の実現をめざした。」とあります。
レーニンの説明に共産党の一党独裁の記述はまちがいではないか?という指摘がありました。
また、育鵬社の記述では、最初から「共産主義」「共産党」という言葉を使っていますが、
東京書籍・学び舎では「社会主義」革命という言葉を使っています。
東京書籍では、革命後ボリシェビキ派が共産党と名を変えたこと、
スターリン体制になってからの独裁について触れています。
(東京書籍 p.201)
「シベリア出兵」についての議論では、「育鵬社の記述に腹が立つ!!」とお怒りの方もいました。
シベリア出兵は4年近くなされたが、日本の兵士は何のために出兵されたのかわかっていなかったはず。
東京書籍では「干渉戦争」であったことがきちんと書かれてあるが、
育鵬社は「…シベリア出兵を行い、共産系軍と戦いましたが、成果がないまま撤退しました。」の「成果」って何? 領土を狙っていたこともちゃんと書いていないし酷すぎる!
と怒ってられました(^_^;)
(育鵬社 p.212 シベリア出兵の資料)
(東京書籍 p.201 シベリア出兵の写真資料)
東京書籍では、シベリアの領土を狙っていたこともきちんと資料説明で書いてありますね。
元中学社会科教諭で今も史学研究されているNさんは、論点整理した資料を持参して参加されました。
革命前のロシアについての記述が、三社ともなかったのですが、
育鵬社と東京書籍は、近代の章の一番はじめ(日本史ではペリーの黒船来航・開国あたり)に
外国史がまとめてありました。
学び舎は、革命前のロシアについては、近代の前の近世の最後あたりに記述があるようです。
(ここでも育鵬社が異常なのは、「フランス革命」の記述が8行しかなかったことΣ(・□・;)
東京書籍と学び舎はそれぞれ2ページの記述がありました。)
Nさん資料では、「学習指導要領」の中でこのロシア革命の単元は、
「第一次世界大戦の件(くだり)に、日本の参戦、ロシア革命なども取り上げて、世界の動きと我が国との関連に着目し」
とあるだけなことを紹介。
くわしく教えなくていいということなのでしょうか???
「留意すべき課題」での指摘も鋭いです。
◯なぜ、大戦下で通常の革命でなく、社会主義革命が成功したのか
◯なぜ、ロシアは即時(無賠償・無併合の)講和が可能だったのか。
逆に言えば、大戦参戦諸国はなぜ戦争を途中からでも止めることが出来なかったのだろう。
二つ目の問いには「戦争している連中にはもうけがある。ドイツや第二次世界大戦の日本も同じ。」と意見を言われて、7回目の学習会は終わりました。
まとめです。
学び舎 p.211 欄外資料「平和に関する布告」で
「無賠償」「無併合」「民族自決」の三つがちゃんと書かれている
学び舎 p.211 1918年のドイツ革命にも触れている(育鵬社・東京書籍とも記述なし)
ということで、Aさんは「学び舎版」が一番書くべきことを書いているという意見でした。
長々とおつきあいありがとうございましたm(._.)m
次回の学習会は、7月12日(火)13時から、
松山市北持田町の教育会館1階会議室です。