第6回教科書学習会は、5月17日(火)の13時から、24名の参加者で行いました(於 教育会館 1階会議室)
今回のチューターは、元小学校教諭のSさんとYさん。
学習テーマは「第一次世界大戦」でした。
育鵬社版「62 第一次世界大戦」(p.210-213)
東京書籍「第一次世界大戦」(p.198-199)
学び舎 「(7)すべての力を戦争へ」(p.206-207)
まず、第一次世界大戦の単元は、近代史のはじめに位置するものでそれぞれの教科書とも章立ての冒頭にきており、
それぞれ章の冒頭の導入の部分を比較することになりました。
育鵬社
東京書籍
学び舎
育鵬社は、「「絵巻」としながら写真でなく漫画風の絵なのが気になる」という意見が出ました。
「絵でまとめることで、戦争の悲惨さが伝わらないのではないか?」
「「日露戦争に勝った日本は、その後どうなったのだろう。」との記述に違和感がある。」との指摘もありました。
東京書籍は、「並んでいる資料はどのようなものだったでしょうか。」「人々はどのような生活をしていたでしょうか。」との記述で始まり、資料も写真です。
学び舎は独特で、世界大戦のなかで変わった女性たちの姿に光をあてています。
そして、本文の比較。
育鵬社
東京書籍
学び舎
学び舎版では、「戦意を高めるための宣伝や教育の強化」との記述や、当時の戦意高揚のためのポスター資料、
本文中にもドイツ学生兵士の手紙をそのまま掲載しており、
「独特の切り口で当時の人びとの様子をありありと伝えている」との感想が出ました。
東京書籍版では、
「大量の兵士と物資を総動員して、国力を使い果たす総力戦になる。
総力戦には労働者や女性、さらに、植民地の人々も貢献したため、戦後には、こうした人々の要求が無視できなくなる。」との記述で、
塹壕戦や、機関銃、戦車・飛行機・毒ガス・潜水艦などが使われたこと、
兵器工場で働く女性の写真も資料できちんと紹介されており、
「“教科書らしく”整理されている」という感想が多かったです。
「もう一歩進んで学習したい子には、学び舎を渡したい」という感想が出されました。
育鵬社版では、本文記述に「国力のすべてを動員する総力戦」とありましたが、「国民の窮乏状態の表現が少なく、分けて書かれているので分かりにくい」、
写真資料も「東京書籍版に比べても、悲惨さが分かりにくいものが使われている」との指摘がありました。
また、本文記述のなかで「日本を「わが国」と書いていることに違和感を感じる」との指摘もありました。
そして一番特徴的だったのがこれ。
p.211の真ん中ほどにある、6️⃣地中海の日本海軍艦隊 の資料。
これは育鵬社だけに見られる資料でした。
資料説明には、「ドイツ軍の潜水艦の攻撃から、三国協商側の輸送船や商船を守るために活躍した。」と説明がありますが、
実際には1度出動しただけだそうなので、歴史に詳しいYさんいわく「「活躍した」とは言えない」とのこと。
また、【学習のまとめ】の部分でも、
育鵬社は「第一次世界大戦後、世界はどのように変わったのか、次の語句を使って説明しましょう〔ロシア/ヨーロッパ/アメリカ〕」
と「教科書を読んだだけでは分からない、何を問われているか分からないようなまとめだ」と指摘されていました。
東京書籍での【学習のまとめ】
「第一次世界大戦がそれまでの戦争とちがう点を、次の三つの語句を使って説明しましょう。〔新兵器/総力戦/女性〕」
学び舎での記述(p.220)
「第一次世界大戦には多くの国が参戦し、世界を巻き込んで大きな被害を出した。戦争中や戦後、各地で新しい動きが起こった。(後略)」
次回学習会は、6月14日(火)13時から15時 教育会館(松山市北持田町131-1)です。
「ロシア革命」についての記述を比較、学習します。
今回のチューターは、元小学校教諭のSさんとYさん。
学習テーマは「第一次世界大戦」でした。
育鵬社版「62 第一次世界大戦」(p.210-213)
東京書籍「第一次世界大戦」(p.198-199)
学び舎 「(7)すべての力を戦争へ」(p.206-207)
まず、第一次世界大戦の単元は、近代史のはじめに位置するものでそれぞれの教科書とも章立ての冒頭にきており、
それぞれ章の冒頭の導入の部分を比較することになりました。
育鵬社
東京書籍
学び舎
育鵬社は、「「絵巻」としながら写真でなく漫画風の絵なのが気になる」という意見が出ました。
「絵でまとめることで、戦争の悲惨さが伝わらないのではないか?」
「「日露戦争に勝った日本は、その後どうなったのだろう。」との記述に違和感がある。」との指摘もありました。
東京書籍は、「並んでいる資料はどのようなものだったでしょうか。」「人々はどのような生活をしていたでしょうか。」との記述で始まり、資料も写真です。
学び舎は独特で、世界大戦のなかで変わった女性たちの姿に光をあてています。
そして、本文の比較。
育鵬社
東京書籍
学び舎
学び舎版では、「戦意を高めるための宣伝や教育の強化」との記述や、当時の戦意高揚のためのポスター資料、
本文中にもドイツ学生兵士の手紙をそのまま掲載しており、
「独特の切り口で当時の人びとの様子をありありと伝えている」との感想が出ました。
東京書籍版では、
「大量の兵士と物資を総動員して、国力を使い果たす総力戦になる。
総力戦には労働者や女性、さらに、植民地の人々も貢献したため、戦後には、こうした人々の要求が無視できなくなる。」との記述で、
塹壕戦や、機関銃、戦車・飛行機・毒ガス・潜水艦などが使われたこと、
兵器工場で働く女性の写真も資料できちんと紹介されており、
「“教科書らしく”整理されている」という感想が多かったです。
「もう一歩進んで学習したい子には、学び舎を渡したい」という感想が出されました。
育鵬社版では、本文記述に「国力のすべてを動員する総力戦」とありましたが、「国民の窮乏状態の表現が少なく、分けて書かれているので分かりにくい」、
写真資料も「東京書籍版に比べても、悲惨さが分かりにくいものが使われている」との指摘がありました。
また、本文記述のなかで「日本を「わが国」と書いていることに違和感を感じる」との指摘もありました。
そして一番特徴的だったのがこれ。
p.211の真ん中ほどにある、6️⃣地中海の日本海軍艦隊 の資料。
これは育鵬社だけに見られる資料でした。
資料説明には、「ドイツ軍の潜水艦の攻撃から、三国協商側の輸送船や商船を守るために活躍した。」と説明がありますが、
実際には1度出動しただけだそうなので、歴史に詳しいYさんいわく「「活躍した」とは言えない」とのこと。
また、【学習のまとめ】の部分でも、
育鵬社は「第一次世界大戦後、世界はどのように変わったのか、次の語句を使って説明しましょう〔ロシア/ヨーロッパ/アメリカ〕」
と「教科書を読んだだけでは分からない、何を問われているか分からないようなまとめだ」と指摘されていました。
東京書籍での【学習のまとめ】
「第一次世界大戦がそれまでの戦争とちがう点を、次の三つの語句を使って説明しましょう。〔新兵器/総力戦/女性〕」
学び舎での記述(p.220)
「第一次世界大戦には多くの国が参戦し、世界を巻き込んで大きな被害を出した。戦争中や戦後、各地で新しい動きが起こった。(後略)」
次回学習会は、6月14日(火)13時から15時 教育会館(松山市北持田町131-1)です。
「ロシア革命」についての記述を比較、学習します。