教科書採択を考える会ブログ

愛媛県松山市内の中学の歴史教科書が「育鵬社」版に変わるのを機に発足した会です。教科書比較の学習会も行っています。

道徳教科書展示会について

2017-06-27 09:15:41 | 事務局日記
来年度から小学校で使用される道徳教科書の展示会、まだ開催中です。


お時間があれば、ぜひアンケートに感想を書いてください。

「○○社の●年生の教科書の、〇〇ページの記述には違和感を感じる」

「子どもには難しいのではないかと疑問に思う」

「◆◆社の〇〇〇のお話は取り上げ方がよいと思う」


などなど、採択前の教科書に、保護者や市民のいろんな意見を発信できるのが

アンケートという形になっているそうです。



●道徳の教科書は、8社が発行しているそうです。

光村図書・教育出版・廣済堂あかつき(『道徳ノート』付き)・学校図書(別冊『活動』付き)

光文書院・学研みらい・東京書籍・日本文教出版(『道徳ノート』付き)


新聞報道では、「画一的な印象」(2017.3.25付 読売新聞)などと言われていますが、

その理由は、文部科学省の副教材『私(わたし)たちの道徳』や民間の副読本に掲載されている題材が

ほとんど教科書に掲載されているためだと考えられます。



●会から教科書展示会に行った人の感想を聞きました。ご参考までに。

・がんばれ、がんばれという内容が多い。


・「かぼちゃのつる」という題材があるけれど、「”痛いよ”なんてかぼちゃは言わない」と子どもは言うんじゃないか?

 動物や植物を擬人化した題材がたくさんあるが、科学的でないと問題を感じた。


・教育出版の1年で「あいさつのしかた」、2年で「国旗」について取り上げている。道徳で取り扱う内容ではないと思った。


・授業の主題が題材のはじめに示されている教科書が多い。また、最後にも具体的な設問が示されている。

 子どもの自由な発想を妨げることにならないだろうか?と疑問に思う。


・保護者や先生たちの意見をしっかり聞いて教科書を決めてほしい。


・先生が現実に起こっている道徳的問題について、資料を自主的に取り入れることは可能なんだろうかと思う。


・多くの人物がとりあげられているのが適切なんだろうか?と疑問に思った。


・8社×6学年で48冊の教科書全部を見るのは大変な作業、特に気になったところは、「あいさつのしかた」「国旗」が出ている教育出版と光村図書。

 2冊の教科書を読み比べる方法もありだと思った。


第19回学習会報告

2017-06-25 10:20:15 | 学習会
第19回学習会報告です。

2017年6月13日(火) 13時より15時 教育会館第1会議室にて

参加者28名

育鵬社教科書p.254-257(日本国憲法については前回学習会で扱ったので除外)

東京書籍p.242-245

学び舎p.258-259、p.262-263




☆占領下の日本の状態がどのように記述されているか比べて話し合った。


<国民の生活>
・育鵬社は、戦後の国民の生活が大変だった様子には全く触れていない。

 戦後も深刻な食糧不足で、多くの餓死者を出した事実を記述すべき。これでは戦争による戦後の生活の苦しさを知ることはできない。


・学び舎や東京書籍では、戦争が国民生活に壊滅的な打撃を与え、失業者があふれ、多くの餓死者が出たことを書いている。

 また、大陸から引き揚げてきた子どもたちや、浮浪児の少年の話も取り上げている。


・学び舎では、1946年の食糧メーデーで、小学生が「学校給食をしてください」と訴えた結果、1日だけの学校給食がおこなわれた事実が書かれている。

 この頃の子どもたちの生活の様子がよくわかる。


<占領下の日本>
・3教科書とも「GHQの指令の下、軍国主義を排し、民主化を進めるために、政府が各種の改革を行ったこと」を書いている。

・育鵬社は、GHQを厳しく批判している(日本を軍国主義に導いたのは国家神道であるとし神社と国家機関との関係を厳しく分離したことや、

 過去の日本歴史や政策は誤っていたという宣伝を日本側に行わせたことなど)。また、GHQが占領政策や連合国への批判を禁じたことにも触れている。


・学び舎でも、GHQへの批判が書かれている

(報道や出版の検閲をおこない、占領政策への批判、米兵の暴行事件の報道禁止、原爆投下を批判した新聞の発行停止をしたことなど)。

 なお、1947年に260万人参加のストライキの中止命令を出したことに触れ、民主化に反する動きをとるようになったことも書かれている。


<極東国際軍事裁判>
・3教科書とも東条元首相など25人がA級戦犯として有罪判決を受けたこと、また、戦争犯罪人とみなした軍や政府などの指導者を公職から追放したことが書かれている。


・育鵬社は、極東国際軍事裁判に1ページをあて、裁判の不当性を強調している。

 インドのパール判事の無罪意見を取り上げるとともに、捕虜虐待などの戦争犯罪に問われた人々が十分な弁護を受けることもなく死刑に処せられたことが書かれている。

 また、東京裁判において、東京大空襲、原爆投下、満州侵攻、シベリア抑留など、戦勝国による戦争犯罪が罪に問われることはなかったという指摘もある。


・学び舎では、この裁判で昭和天皇の責任は問われなかったと記述している。天皇に触れているのは学び舎のみである。B級・C級戦犯の裁判について触れていないのは問題ではないか?

・東京書籍では、B級・C級戦犯の裁判も行われたことを書いている。


<昭和天皇>
・育鵬社のみ、昭和天皇について丸々1ページとっての記述がある。

 「天皇は立憲君主として、自分の考えと異なる政府の決定をも、認めなければならないという原則があった」とし、戦争責任は無いと明言している。

 国民を思う人格者として天皇を描いている。客観的事実と異なる内容に大きな問題を感じる。


第19回学習会とそれ以降の日程について

2017-06-01 11:53:38 | お知らせ
お知らせが遅くなりました。

第19回学習会は、6月13日(火)13時から15時 愛媛教育会館にておこないます。



学習範囲は、「占領下の日本」。

(前回第18回学習会にて「日本国憲法の制定」をくわしくしましたので、今回の範囲からは外します)

教科書では、

育鵬社 p.254-257

東京書籍 p.242-245

学び舎 p.258-263

になります。3社の教科書をお持ちでない方も資料を用意していますので、お気軽にご参加ください。

参加費・資料代として300円いただいていますので、ご了承ください。




今後の予定ですが、隔月で日曜開催の学習会を行いたいと考えております。

事務局や運営の都合上、きちんと隔月開催、またはお知らせが遅くなることがあると思いますが、

ご都合がよい時にご参加いただけたらと思いますのでご迷惑かけるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。



また、日曜開催時のお子さんの託児についてですが、

小学生以上のお子さんでしたら会館内で遊べる場・託児要員を用意することができますので、

事前に090-6889-1320(山口)までご連絡いただけると準備するのに助かります。

(お問い合わせいただいたのにお返事できなかった方、大変申し訳ありませんでした)