月越えてしまいました…orz
報告が遅くなって申し訳ありません(>_<)
自分の身の回りのことでいっぱいいっぱいです、事務局Hですm(_ _)m
勤労感謝の日あたりから、愛媛でも急に寒くなりました。
今年は冬が早く来た!という印象があります。
徐々にインフルエンザの流行地域が広がっているそうですので、皆さまお気を付け下さい。
さて、第12回の学習会の報告です。
11月8日(火)13時から15時 於 愛媛県教育会館 1階大会議室
チューターはIさん。参加者は24名(初参加の方が1名いました)でした。
育鵬社・東京書籍・学び舎の三社の中学歴史教科書の比較、今回はナチス・ドイツを中心とした単元でした。
まずは、教科書をみてみましょう。
育鵬社「69 共産主義とファシズムの台頭(p.224-225)」
東京書籍「2 欧米の情勢とファシズム(p.219-220)」
学び舎「(3)ヒトラーの独裁が始まる-ナチ党のドイツ-(p.228-229)」
Iさんは教科書別に記述内容を比較できるよう資料を作成してくれました。
3ページ目には、「教訓にすべき言葉」としてヘルマン・ゲーリング(ヒトラーの下で空軍司令官や国家元帥等を務めた人物)の言葉と、
マルティン・ニーメラー(牧師)の言葉を紹介してくださいました。
ヒトラーに関する年表も配られました。
こうやってみると、幼少期の苦労が反動になったのかも…と推測してしまいます。
こうやって勉強したあとに、ヒトラーについて描かれた映画や書籍に触れたら、以前とはまた違った見方ができるような気がします。
チューターIさんによる発表のあとの議論です。
〇育鵬社は、ナチスがした行いを数行のみ紹介しただけである。
歴史の授業では、”過去から何を学ぶか?”ということが重要であり、そのためにはもっと事実の記述があった方がよいのではないか。
〇「ユダヤ人迫害」について、育鵬社ではp.224 L19にP.232を参照するように書かれているが、
実際にP.232を見てみると、欄外の資料③④としてアウシュビッツの写真とアンネ・フランクの写真と少しの説明文があるだけ。
東京書籍では、p.223に資料④杉原千畝についてのコラム、⑤⑥でアンネ・フランク、⑦アウシュビッツ強制収容所があり、
本文記述でも「ドイツの占領政策」としてユダヤ人差別について書かれている。
学び舎では、p.240-241「(9)戦争と二人の少女―ヨーロッパの戦争―」として2ページにわたって記述と資料で紹介。
アンネ・フランクとオードリー・ヘップバーン、ともに1929年生まれの二人の少女のくらしから具体的に書かれており、スゴイと感じた。
〇育鵬社は、社会主義を個人の権利や自由を制限するものとして記述しているが、正確さに欠ける。
〇育鵬社版は、共産主義・社会主義への陰湿な記述が目立つ。
表題からしても、全体主義と共産主義を並べて一緒のものとして扱っており、子どもたちに敵視や反感を植え付ける意図を感じる。
科学的ではなく感情的な記述が多いと感じる。
〇学び舎の教科書は、子どもたちの目線で書かれていると感じた。
〇「なんでヒトラーが台頭したのか?」という記述が一番書いてあるのは、学び舎の教科書だと感じた。
育鵬社の教科書は、何が何だかわからないのではないか?と思う。
ベルサイユ体制に苦しむドイツを説明することが、子どもたちの理解には必要だと思う。
〇東京書籍と育鵬社の資料は似たものが使われているが、
東京書籍p.214の資料①②には、ヒトラーの使った宣伝の巧みさについてどんな手法を使ったかの記述があるが、
育鵬社にはない。
〇スターリンとヒトラーを一緒に出している育鵬社だが、”ソ連の国内への全体主義”と”ドイツの侵略”を一緒にするのは、
構成として子どもたちの正しい理解を妨げるものではないか? 時代的にも二人は違うと思う。
〇構成がどうこうというよりは、学問的じゃないと感じた。
記述についても、「ファシズムはダメ、共産主義はダメ」という内容の題目が書かれているだけで中身が無いと感じた。
学び舎の教科書については、具体的でわかりやすい内容だと感じた。
〇学び舎のヒトラー・ユーゲントについての記述について。
「1936年、10~18歳まで全員が義務として…」とあるのがおそろしいと感じた。
〇育鵬社p.225 L1からの「国際連盟は有効な手を打つことができませんでした。」という記述、どう解釈するのか?
子どもに対して無責任な記述だと感じた。
〇国際連盟の黙認について。
ドイツのナチを大きくしてソ連を相討ちにさせようとするヨーロッパの支配層の考えがあったようだ。
〇p.225資料⑤の地図について。
「73 第二次世界大戦(p.232)」の資料②の地図と比較して、同じ年代なのに侵略の範囲がずいぶん違う印象を受ける。
「69 共産主義とファシズムの台頭」の時点では、侵略した旨を強調したくないという意図を感じる。
以上です。
次回は12月13日(火)13時から 愛媛県教育会館(松山東警察署北側)1階第会議室にて。
育鵬社「70 中国の排日運動と満州事変(p.226-227)」「71 日中戦争(支那事変)(p.228-229)」「72 緊迫する日米関係(p.230-231)」を中心に、東京書籍版・学び舎版との比較をします。
報告が遅くなって申し訳ありません(>_<)
自分の身の回りのことでいっぱいいっぱいです、事務局Hですm(_ _)m
勤労感謝の日あたりから、愛媛でも急に寒くなりました。
今年は冬が早く来た!という印象があります。
徐々にインフルエンザの流行地域が広がっているそうですので、皆さまお気を付け下さい。
さて、第12回の学習会の報告です。
11月8日(火)13時から15時 於 愛媛県教育会館 1階大会議室
チューターはIさん。参加者は24名(初参加の方が1名いました)でした。
育鵬社・東京書籍・学び舎の三社の中学歴史教科書の比較、今回はナチス・ドイツを中心とした単元でした。
まずは、教科書をみてみましょう。
育鵬社「69 共産主義とファシズムの台頭(p.224-225)」
東京書籍「2 欧米の情勢とファシズム(p.219-220)」
学び舎「(3)ヒトラーの独裁が始まる-ナチ党のドイツ-(p.228-229)」
Iさんは教科書別に記述内容を比較できるよう資料を作成してくれました。
3ページ目には、「教訓にすべき言葉」としてヘルマン・ゲーリング(ヒトラーの下で空軍司令官や国家元帥等を務めた人物)の言葉と、
マルティン・ニーメラー(牧師)の言葉を紹介してくださいました。
ヒトラーに関する年表も配られました。
こうやってみると、幼少期の苦労が反動になったのかも…と推測してしまいます。
こうやって勉強したあとに、ヒトラーについて描かれた映画や書籍に触れたら、以前とはまた違った見方ができるような気がします。
チューターIさんによる発表のあとの議論です。
〇育鵬社は、ナチスがした行いを数行のみ紹介しただけである。
歴史の授業では、”過去から何を学ぶか?”ということが重要であり、そのためにはもっと事実の記述があった方がよいのではないか。
〇「ユダヤ人迫害」について、育鵬社ではp.224 L19にP.232を参照するように書かれているが、
実際にP.232を見てみると、欄外の資料③④としてアウシュビッツの写真とアンネ・フランクの写真と少しの説明文があるだけ。
東京書籍では、p.223に資料④杉原千畝についてのコラム、⑤⑥でアンネ・フランク、⑦アウシュビッツ強制収容所があり、
本文記述でも「ドイツの占領政策」としてユダヤ人差別について書かれている。
学び舎では、p.240-241「(9)戦争と二人の少女―ヨーロッパの戦争―」として2ページにわたって記述と資料で紹介。
アンネ・フランクとオードリー・ヘップバーン、ともに1929年生まれの二人の少女のくらしから具体的に書かれており、スゴイと感じた。
〇育鵬社は、社会主義を個人の権利や自由を制限するものとして記述しているが、正確さに欠ける。
〇育鵬社版は、共産主義・社会主義への陰湿な記述が目立つ。
表題からしても、全体主義と共産主義を並べて一緒のものとして扱っており、子どもたちに敵視や反感を植え付ける意図を感じる。
科学的ではなく感情的な記述が多いと感じる。
〇学び舎の教科書は、子どもたちの目線で書かれていると感じた。
〇「なんでヒトラーが台頭したのか?」という記述が一番書いてあるのは、学び舎の教科書だと感じた。
育鵬社の教科書は、何が何だかわからないのではないか?と思う。
ベルサイユ体制に苦しむドイツを説明することが、子どもたちの理解には必要だと思う。
〇東京書籍と育鵬社の資料は似たものが使われているが、
東京書籍p.214の資料①②には、ヒトラーの使った宣伝の巧みさについてどんな手法を使ったかの記述があるが、
育鵬社にはない。
〇スターリンとヒトラーを一緒に出している育鵬社だが、”ソ連の国内への全体主義”と”ドイツの侵略”を一緒にするのは、
構成として子どもたちの正しい理解を妨げるものではないか? 時代的にも二人は違うと思う。
〇構成がどうこうというよりは、学問的じゃないと感じた。
記述についても、「ファシズムはダメ、共産主義はダメ」という内容の題目が書かれているだけで中身が無いと感じた。
学び舎の教科書については、具体的でわかりやすい内容だと感じた。
〇学び舎のヒトラー・ユーゲントについての記述について。
「1936年、10~18歳まで全員が義務として…」とあるのがおそろしいと感じた。
〇育鵬社p.225 L1からの「国際連盟は有効な手を打つことができませんでした。」という記述、どう解釈するのか?
子どもに対して無責任な記述だと感じた。
〇国際連盟の黙認について。
ドイツのナチを大きくしてソ連を相討ちにさせようとするヨーロッパの支配層の考えがあったようだ。
〇p.225資料⑤の地図について。
「73 第二次世界大戦(p.232)」の資料②の地図と比較して、同じ年代なのに侵略の範囲がずいぶん違う印象を受ける。
「69 共産主義とファシズムの台頭」の時点では、侵略した旨を強調したくないという意図を感じる。
以上です。
次回は12月13日(火)13時から 愛媛県教育会館(松山東警察署北側)1階第会議室にて。
育鵬社「70 中国の排日運動と満州事変(p.226-227)」「71 日中戦争(支那事変)(p.228-229)」「72 緊迫する日米関係(p.230-231)」を中心に、東京書籍版・学び舎版との比較をします。