第19回学習会報告です。
2017年6月13日(火) 13時より15時 教育会館第1会議室にて
参加者28名
育鵬社教科書p.254-257(日本国憲法については前回学習会で扱ったので除外)
東京書籍p.242-245
学び舎p.258-259、p.262-263
☆占領下の日本の状態がどのように記述されているか比べて話し合った。
<国民の生活>
・育鵬社は、戦後の国民の生活が大変だった様子には全く触れていない。
戦後も深刻な食糧不足で、多くの餓死者を出した事実を記述すべき。これでは戦争による戦後の生活の苦しさを知ることはできない。
・学び舎や東京書籍では、戦争が国民生活に壊滅的な打撃を与え、失業者があふれ、多くの餓死者が出たことを書いている。
また、大陸から引き揚げてきた子どもたちや、浮浪児の少年の話も取り上げている。
・学び舎では、1946年の食糧メーデーで、小学生が「学校給食をしてください」と訴えた結果、1日だけの学校給食がおこなわれた事実が書かれている。
この頃の子どもたちの生活の様子がよくわかる。
<占領下の日本>
・3教科書とも「GHQの指令の下、軍国主義を排し、民主化を進めるために、政府が各種の改革を行ったこと」を書いている。
・育鵬社は、GHQを厳しく批判している(日本を軍国主義に導いたのは国家神道であるとし神社と国家機関との関係を厳しく分離したことや、
過去の日本歴史や政策は誤っていたという宣伝を日本側に行わせたことなど)。また、GHQが占領政策や連合国への批判を禁じたことにも触れている。
・学び舎でも、GHQへの批判が書かれている
(報道や出版の検閲をおこない、占領政策への批判、米兵の暴行事件の報道禁止、原爆投下を批判した新聞の発行停止をしたことなど)。
なお、1947年に260万人参加のストライキの中止命令を出したことに触れ、民主化に反する動きをとるようになったことも書かれている。
<極東国際軍事裁判>
・3教科書とも東条元首相など25人がA級戦犯として有罪判決を受けたこと、また、戦争犯罪人とみなした軍や政府などの指導者を公職から追放したことが書かれている。
・育鵬社は、極東国際軍事裁判に1ページをあて、裁判の不当性を強調している。
インドのパール判事の無罪意見を取り上げるとともに、捕虜虐待などの戦争犯罪に問われた人々が十分な弁護を受けることもなく死刑に処せられたことが書かれている。
また、東京裁判において、東京大空襲、原爆投下、満州侵攻、シベリア抑留など、戦勝国による戦争犯罪が罪に問われることはなかったという指摘もある。
・学び舎では、この裁判で昭和天皇の責任は問われなかったと記述している。天皇に触れているのは学び舎のみである。B級・C級戦犯の裁判について触れていないのは問題ではないか?
・東京書籍では、B級・C級戦犯の裁判も行われたことを書いている。
<昭和天皇>
・育鵬社のみ、昭和天皇について丸々1ページとっての記述がある。
「天皇は立憲君主として、自分の考えと異なる政府の決定をも、認めなければならないという原則があった」とし、戦争責任は無いと明言している。
国民を思う人格者として天皇を描いている。客観的事実と異なる内容に大きな問題を感じる。
2017年6月13日(火) 13時より15時 教育会館第1会議室にて
参加者28名
育鵬社教科書p.254-257(日本国憲法については前回学習会で扱ったので除外)
東京書籍p.242-245
学び舎p.258-259、p.262-263
☆占領下の日本の状態がどのように記述されているか比べて話し合った。
<国民の生活>
・育鵬社は、戦後の国民の生活が大変だった様子には全く触れていない。
戦後も深刻な食糧不足で、多くの餓死者を出した事実を記述すべき。これでは戦争による戦後の生活の苦しさを知ることはできない。
・学び舎や東京書籍では、戦争が国民生活に壊滅的な打撃を与え、失業者があふれ、多くの餓死者が出たことを書いている。
また、大陸から引き揚げてきた子どもたちや、浮浪児の少年の話も取り上げている。
・学び舎では、1946年の食糧メーデーで、小学生が「学校給食をしてください」と訴えた結果、1日だけの学校給食がおこなわれた事実が書かれている。
この頃の子どもたちの生活の様子がよくわかる。
<占領下の日本>
・3教科書とも「GHQの指令の下、軍国主義を排し、民主化を進めるために、政府が各種の改革を行ったこと」を書いている。
・育鵬社は、GHQを厳しく批判している(日本を軍国主義に導いたのは国家神道であるとし神社と国家機関との関係を厳しく分離したことや、
過去の日本歴史や政策は誤っていたという宣伝を日本側に行わせたことなど)。また、GHQが占領政策や連合国への批判を禁じたことにも触れている。
・学び舎でも、GHQへの批判が書かれている
(報道や出版の検閲をおこない、占領政策への批判、米兵の暴行事件の報道禁止、原爆投下を批判した新聞の発行停止をしたことなど)。
なお、1947年に260万人参加のストライキの中止命令を出したことに触れ、民主化に反する動きをとるようになったことも書かれている。
<極東国際軍事裁判>
・3教科書とも東条元首相など25人がA級戦犯として有罪判決を受けたこと、また、戦争犯罪人とみなした軍や政府などの指導者を公職から追放したことが書かれている。
・育鵬社は、極東国際軍事裁判に1ページをあて、裁判の不当性を強調している。
インドのパール判事の無罪意見を取り上げるとともに、捕虜虐待などの戦争犯罪に問われた人々が十分な弁護を受けることもなく死刑に処せられたことが書かれている。
また、東京裁判において、東京大空襲、原爆投下、満州侵攻、シベリア抑留など、戦勝国による戦争犯罪が罪に問われることはなかったという指摘もある。
・学び舎では、この裁判で昭和天皇の責任は問われなかったと記述している。天皇に触れているのは学び舎のみである。B級・C級戦犯の裁判について触れていないのは問題ではないか?
・東京書籍では、B級・C級戦犯の裁判も行われたことを書いている。
<昭和天皇>
・育鵬社のみ、昭和天皇について丸々1ページとっての記述がある。
「天皇は立憲君主として、自分の考えと異なる政府の決定をも、認めなければならないという原則があった」とし、戦争責任は無いと明言している。
国民を思う人格者として天皇を描いている。客観的事実と異なる内容に大きな問題を感じる。