「ダメな議論-論理思考で見抜く」という本がベストセラーに
なっている。テレビ、新聞、雑誌をみていても少子化問題とか
社会保険庁のこと、医療制度改革その他、ダメな議論は
いっぱいある。まあ、自分の日記にもダメな議論の論法は
つい使ってしまう。それでこの本を年末の新幹線で移動中に
読んでみた。
この本は、昨今の新書ブーム「人は見た目が9割」などに
便乗する本で、売れ筋の狙い目としては上手い。日常で人が
おかしいと思っているようなところをついている。
オーラの泉の人をころっと説得する術みたいなのを
「コールドリーディング」という説得術だと説明するあたりも
うまいなぁと思う。
しかし、はっきり言うとこの本自体が「ダメな議論」になっている。
最初の問題提起や説得術のまやかしなどまでは良いのだが、
どのようなダメな議論があるのか、そのパターンわけのあたりから
話がとてもくどくなって、読みづらい。
実証的なデータに基づかない議論の横行は、この本で説明される
までもないが、この本がベストセラーになって、そのような論調が
改善されればと思うけれど、最後のほうで、著者が最も問題意識
を持っている「バブル後の失われた10年」の議論を持ってきており
一般の読者からするとしらけてしまう。しかも、専門家のはずなのに
データの読みや主成分分析の理解が不十分だ。
ダメな議論の実例をいろいろと解説していて、読み物としても
親しみやすいが、食糧自給率の議論にしても、他の例にしても
解説自体につっこみどころがいっぱいある。
そうやって読んでいると、アマゾンでなぜこの本の評価が高いのか
不思議に思えてくる。売れている割には書評も少ないので、
きっと期待はずれと思った人も多いのではないか。
良い点も多いので、「惜しいなぁ」というのが率直な感想。
もうちょっとしっかり練って出版すれば良かったのにと思う。
なっている。テレビ、新聞、雑誌をみていても少子化問題とか
社会保険庁のこと、医療制度改革その他、ダメな議論は
いっぱいある。まあ、自分の日記にもダメな議論の論法は
つい使ってしまう。それでこの本を年末の新幹線で移動中に
読んでみた。
この本は、昨今の新書ブーム「人は見た目が9割」などに
便乗する本で、売れ筋の狙い目としては上手い。日常で人が
おかしいと思っているようなところをついている。
オーラの泉の人をころっと説得する術みたいなのを
「コールドリーディング」という説得術だと説明するあたりも
うまいなぁと思う。
しかし、はっきり言うとこの本自体が「ダメな議論」になっている。
最初の問題提起や説得術のまやかしなどまでは良いのだが、
どのようなダメな議論があるのか、そのパターンわけのあたりから
話がとてもくどくなって、読みづらい。
実証的なデータに基づかない議論の横行は、この本で説明される
までもないが、この本がベストセラーになって、そのような論調が
改善されればと思うけれど、最後のほうで、著者が最も問題意識
を持っている「バブル後の失われた10年」の議論を持ってきており
一般の読者からするとしらけてしまう。しかも、専門家のはずなのに
データの読みや主成分分析の理解が不十分だ。
ダメな議論の実例をいろいろと解説していて、読み物としても
親しみやすいが、食糧自給率の議論にしても、他の例にしても
解説自体につっこみどころがいっぱいある。
そうやって読んでいると、アマゾンでなぜこの本の評価が高いのか
不思議に思えてくる。売れている割には書評も少ないので、
きっと期待はずれと思った人も多いのではないか。
良い点も多いので、「惜しいなぁ」というのが率直な感想。
もうちょっとしっかり練って出版すれば良かったのにと思う。