薬害エイズを忘れない!

1500名の被害者を出した薬害エイズ事件が一応の終結を見て早10年。「薬害エイズってなあに?」と言う若者が増えています

渋谷で「世界エイズデー」直前ライブ、差別解消訴える

2006-11-29 17:53:54 | 感染爆発前夜の日本
 「世界エイズデー」(12月1日)を前に、東京・渋谷区のライブハウスで28日夜、人気歌手やタレントらによる「レッド・リボン・ライブ2006」(厚生労働省など主催)が行われ、エイズ予防やエイズウイルス(HIV)感染者への差別解消を訴えた。

 集まった約1500人を前に、ラジオDJの山本シュウさんが「日本では1日に3人がHIVに感染している」と呼びかけ、感染者の手記や各界著名人のビデオメッセージを紹介。歌手の一青窈(ひとと・よう)さんやMr.Childrenの桜井和寿さんらのライブも行われた。

 厚労省によると、国内で新たに確認されたHIV感染者・エイズ患者は昨年、計1199人に上り、前年に続いて過去最高を更新している。
(読売新聞) - 11月28日

NHKラジオで山本シュウさんの話を聞きました。
こういう熱い人が増えてくれば、日本も変われるかもと思いました。
予防啓発が今ひとつ上手でない厚生労働省担当部局・エイズ予防財団を非難するばかりでなく、毎晩零時まで残業して頑張っている彼らとの協働を熱く語っていました。
予防効果がない(データで証明できないと)予算もどんどん削られます。
ミスチルの桜井君たちの熱き思いを、年間を通して若者たちの心に刻み続けるしか処方箋はないのでしょう。

<エイズ>30年には死因3位に WHO研究グループが予測

2006-11-29 17:44:27 | 感染爆発前夜の日本
2030年には世界の死因の3位にエイズが浮上するとの予測を、世界保健機関(WHO)の研究グループが発表した。心筋こうそく、脳こうそくなどの脳血管疾患と続く上位2位は変わらないが、エイズが人類の生存にとって脅威になっていることを改めて示している。分析は28日、米科学誌電子版に掲載された。

 研究チームは、感染症による死者は全体に減少し、30年の世界の死者数を7320万人と試算した。このうち、心筋こうそくが13.4%、脳血管疾患が10.6%と続いた。エイズの死者数は02年の280万人から30年には650万人に倍増して8.9%を占める。その結果、肺炎などの呼吸器感染症に変わって死因の3位になる。

 喫煙が原因で、肺がんなどで亡くなる人も05年の540万人から30年には830万人に増加。15年時点ではエイズの死者の1.5倍で、世界全体の10%になるという。

 このほか、糖尿病が02年の11位から30年には7位に、交通事故死は10位から8位へと深刻さを増し、胃がんが15位から10位へ上昇する。反対に、結核は8位から23位、マラリアは12位から22位になる。また、5歳未満の幼児の死者は半減する。【田中泰義】
(毎日新聞) - 11月28日11時45分更新

全世界の話ですから、全体的には心筋梗塞とか脳血管障害、癌、糖尿病などの生活習慣病による死亡が増え、感染症死は減るのですが、その中で潜伏期間の長い=自分の感染に気づかぬまま複数の人々に移してしまう可能性があるHIVの感染爆発、エイズ死亡者の激増が予測されるそうです。
切ないです。
切ない。

薬害エイズ事件:壮絶な死、まるで凶器 非加熱製剤使用中止の内幕--元担当医が手記

2006-11-29 17:30:05 | 薬害エイズに関する情報
薬害エイズ事件:壮絶な死、まるで凶器 非加熱製剤使用中止の内幕--元担当医が手記
 ◇安部元副学長の責任言及

 国内で初めて血友病患者としてエイズにより死亡と認定された患者の元担当医で、香川県赤十字血液センター所長、内田立身(たつみ)医師(67)が手記「真実を直視する 薬害エイズ訴訟の証人医師として」(悠飛社)を出版した。早くから非加熱製剤による感染の危険を疑い、使用を中止した内幕を明かしている。非加熱製剤の使用を続けた薬害エイズ事件の安部英・元帝京大副学長=控訴審審理中に死亡=について「危険性を知らなかったはずはない」とその責任に言及している。【堀文彦】

 内田医師は「自分がかかわった薬害エイズ事件を記録し、悲惨な実態を通じて薬害防止につなげたい」と訴えている。

 京大医学部で血液学を学んだ内田医師は、留学を経て福島県立医科大へ。85年に非加熱製剤を使用した血友病患者の治療に携わった。患者は入院後約1カ月で亡くなったが、症状などからエイズ感染が疑われた。同年5月、安部元副学長の血友病患者2人とともに、国内初の旧厚生省の認定患者となった。

 手記には、抵抗力が落ち、原因不明の肺炎に苦しむ患者の様子が、当時の病理組織の写真や死亡後の解剖報告書の写しなどとともに記載。「患者の死があまりに壮絶で、非加熱製剤に凶器のようなイメージを抱いた。同時期に安部医師の下で非加熱製剤の使用が続けられていたことは、想像もしなかった。後に知ってまさに仰天した」と書かれている。

 内田医師は元副学長の控訴審審理中の02年末、非加熱製剤から安全な加熱製剤に切り替えた経緯を証言するよう東京地検から要請された。同じ医師の責任追及には心の葛藤(かっとう)もあったが「真実が永遠に闇の中に葬り去られてしまう」と証言に踏み切った。エピローグでは「医師にとって、自分の眼で病気を直視することほど重要な体験はない」と締めくくる。四六判、149ページ。1470円。

毎日新聞 2006年11月22日 東京夕刊


特に血友病専門医でない医師でも、非加熱血液製剤によるHIV感染、エイズの発症をつぶさに見て、直ちに対処した医師が各地にかなりいた、というのは意外に知られていない事実です。
私の友人の兄は、消化器内科の開業医でしたが、1983年の新聞記事を見て、直ちに弟の血液製剤をクリオ製剤に切り替えたそうです。友人はお陰で感染を免れました。
その一人である内田先生の詳細な手記が発行の運びになったことを喜びたいと思います。(先生も恐らくは「危険性」と「止血効果」の狭間で揺れ動いたのではないでしょうか)