薬害エイズを忘れない!

1500名の被害者を出した薬害エイズ事件が一応の終結を見て早10年。「薬害エイズってなあに?」と言う若者が増えています

DNAとRNAとはどこがどう違うのですか?

2005-12-05 10:57:06 | HIV治療情報
核酸には、構成成分の違いによって二種類あります。一つは、「生物の遺伝情報を記録し、子孫に伝えていく記録媒体」であるDNAです。DNAは「二重らせん」と呼ばれる構造をしており、二本の長い鎖がお互いに弱くからみ合って、コルクスクリューのように巻いています。鎖は四つの「塩基」と呼ばれる物質、アデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)からできています。二本の鎖はこれらがAとT、CとGが軽く結合することによってからみ合っているのです。

もう一つは、「そのDNAの中に記録された遺伝情報を取り出して、実際に生物の体の中で働くようにお膳立てをするRNA」です。
RNAには、DNAから情報を写し取り、それをたんぱく質を作る器官に運ぶ、その名も「メッセンジャーRNA」、メッセンジャーRNAに写し取られた情報をもとにそれに対応するアミノ酸を運ぶ「トランスファーRNA」、そして運ばれてきたアミノ酸を並べてつなげる工場で働く「リボゾームRNA」の三種類があります。

RNAも四つの「塩基」と呼ばれる物質でできています。アデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)まではDNAと同じですが、チミン(T)noかわりにウラシル(U)が入っています。



リバビリンに出血傾向を抑制する効果があるって本当ですか?

2005-12-04 15:35:42 | C型肝炎治療情報

大口洋一さん、こんにちは。
コメント(ご質問)ありがとうございます。
私自身、日本血栓止血学会に参加し、名古屋大学の先生の発表を実際に聞きました。
私のレポートを引用します。

既に新聞報道されていますが「C型肝炎治療薬リバビリンが血友病患者の出血予防効果を持つ」という名古屋大学の発表がありました。対象者が8名と少ない研究ですが、会場からの他のドクターからの疑問への返答も含めて彼らの「主な根拠」を示すと;
①IFN単独治療時には予防効果は見られなかった
②第7因子因子活性が有意に上昇していた(ご存知のように、第8因子・第9因子へのインヒビター保有患者には第7因子製剤を使ってバイパス療法を行います)
③出血頻度・重症度の軽減がリバビリンをやめると消失していく(リバビリンをやめると元の出血傾向に戻ってしまうということ)
④IFN+リバビリンによる肝機能改善前から出血予防傾向が現れているので肝細胞改善によるものとは思えない(ご存知のように、肝硬変などになると肝臓の血液凝固因子産生が弱体化し、血液凝固能が低下します。逆に言うと、肝臓治療がうまく行って肝細胞の血液凝固因子産生が復活してくると、出血傾向が改善されるわけです)
といったものでした。

しかし対象人数の少なさ、「リバビリンは溶血性貧血を引起す」と言われていることなどを考えると、「出血予防効果がある」と即断するのは早計だと思いました。

またリバビリンは基本的に(ペグインターフェロンも含めて)インターフェロンとの併用で使われる薬です。しかるにインターフェロンには「眼底出血、出血傾向、白血球・血小板の減少」という副作用があります。こうした「インターフェロンの重大な副作用=出血傾向を増悪させる」を補って余りある「出血傾向を軽減する効果」がリバビリンにあるとは、にわかには信じられません。

リバビリン自体にも、催奇形性など深刻な副作用が数多くあります。現在は肝炎等で治療が不可欠な場合にのみ使われています。経口薬で出血予防の効果があるとすれば確かに画期的ですが、本当にそうなのか、他の専門家の研究データをしっかり積み重ねていかないと「確実なエヴィデンス」とは言えないと思われます。

参考までにURLをつけておきますので、ご参照ください。
http://www.habatakifukushi.jp/iryou/report/20051130_02.html

寒波が押し寄せています。
お元気でお暮らしください。