HIVを持った血友病の中には、辛いインターフェロン治療に耐えてHCV定性マイナス化に成功したのに、肝硬変・・・というか、突発性門脈亢進症的な症状が進行してしまう人がいます。
僕がそうです。
症状は以下の通り。
門脈圧が上昇するので、脾臓が大きくなったり腹水がたまったりします。
さらに、門脈圧の上昇により門脈血の一部が肝臓に向かわずに他の方向に逃げるようになります(このようにしてできた新しい血液の流通経路を側副血行路と言います)。
この側副血行路のために腹壁の静脈が怒張したり、食道や胃に静脈瘤ができます。
脾臓が大きくなると脾機能亢進という状態になり、貧血をきたすようになります。
血小板も低下しやすくなり、出血した時に血液が止まりにくくなります(今のところこれはないです)。
また、静脈瘤の圧が上昇すると、静脈の血管がその圧に耐えきれなくなり、破裂・出血してしまい、吐血・下血等の症状が出ます(インターフェロン治療開始前の胃潰瘍大量下血時に2箇所静脈瘤ができていました。改善は・・・難しいでしょうね)。
僕と同じような目に遭わないで欲しいので、以下のことをお勧めします。
1 消化器出血や風邪のこじらせなどにより肝硬変や門脈亢進症は一気に進行することがあります。できるだけ早く、元気なうちに(苦しいけど)ペグインターフェロン+リバビリン治療を受けるようにしましょう。
2 HIV専門医は検査値ばかり気にして、腹回りの様子などこちらから言い出さない限り、気にもしていません。出来るだけ毎回触診してもらってください。腹回りが苦しいなどの病状はうるさいくらい訴えましょう。
3 3ヶ月に1回は消化器内科の専門医に実際に診てもらうことを強く勧めます。ちょっと変だなと思ったら、無理してでも診てもらうことです。
肝硬変、門脈亢進症は(個人差もあるでしょうが)苦しいですよ。腹水が溜まると食欲はなくなるし、声はかすれる、脳にはアンモニアが溜まりやすくなる・・・いいことは一つもありません。ストップ!肝硬変!!です。