薬害エイズを忘れない!

1500名の被害者を出した薬害エイズ事件が一応の終結を見て早10年。「薬害エイズってなあに?」と言う若者が増えています

クールな熱狂 モーリス・ラヴェル

2006-04-08 01:31:10 | 秋の夜長にふさわしいクラシック音楽

米国アマゾンでさえ15ドルはするのに、国内正規盤(CD2枚組み。しかもドイッチェ・グラモフォン、フィリップス、デッカというクラシック・レーベルの三大老舗の名盤からと言うゴージャスな演奏ぞろい)で1250円というショッキング・プライスを展開しているのがアマゾン・ジャパン。

今晩はその中から、「これさえ買えばあなたも一晩でラヴェル通」という飛び切りの二枚組みを紹介します。ラヴェル:作品集 ユニバーサルクラシックASIN: B0007OE294です。http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0007OE294/ref=cm_aya_asin.title/249-1244652-9199564?%5Fencoding=UTF8

ラヴェルで最も有名な「ボレロ」はカラヤン指揮ベルリン・フィルの1965年頃の演奏で。カラヤンならではの対旋律の浮沈等興味深いが、サウンドがドイツ的重厚な華美に傾きがち。最後の「初めての転調の驚き」や「輝かしいクライマックスからの崩壊としてのエンディング」も、予定調和的で驚きがない。もっと冷徹でめくるめくしなやかさが欲しい。

その点最高なのが次のピエール・ブーレーズ指揮ベルリン・フィルの新録音。作曲者自身の言う「渦巻く雲の切れ目から、円舞曲を踊る人々の何組かがきらめいて見える。雲は次第に晴れ、広大なホールの中で、円舞曲を踊り旋回する人々と群集にの姿がはっきりと見えてくる。ホールは徐々に明るくなり、シャンデリアの光は燦然ときらめく。1855年頃の宮廷である」という曲想が、クールに、切れ味鋭く、「溜める」べきところは溜め、衝撃的なところは衝撃的に、めくるめく饗宴はめくるめく饗宴として全く自然に演奏される。「クールな熱狂」。最高のラヴェル演奏だ。絶賛に値する。

「ピアノ協奏曲ト長調」「水の戯れ」「夜のガスパール」は天才アルゲリッチの最高の演奏で聞けるし(それだけでも本当にお買い得です)、「スペイン狂詩曲」「亡き王女のためのパヴァーヌ」は我らの小澤の若き日の演奏で。 「ダフニスとクロエ」第2組曲はラヴェル管弦楽集も録音しているアッバード指揮ロンドン交響楽団で安心して聞ける。

ラヴェルの最高傑作のひとつ「ピアノ三重奏曲イ短調」は最高級のワインのコクで楽しめる練達のボザール・トリオの演奏で。この二枚組みセットの目玉商品の一つ。

最後をアッカルドの「ツィガーヌ」で締めくくるのは、私の趣味に合わないが、(ピアノ三重奏曲と入れ替えてほしかったなあ)、いずれにせよたった二枚でラヴェルの主要名曲を、しかも最高級の演奏で聴けるのは嬉しい限りだ。超お薦めです。


大分で HIV訴訟和解10年 集会で元原告訴え

2006-04-05 00:49:28 | 薬害エイズに関する情報
2006年03月27日付けの朝日新聞大分版の記事です。(早々に削除されてしまうので(^_^;))

 東京・大阪HIV訴訟の和解(96年3月29日)から10年になるのを記念した集会が26日、大分市内であった。福岡、東京、北海道に住む元原告3人が、この10年間で「変わったもの変わらないもの」について語り、薬害の根絶を訴えた。


 東京の20代の男性は「薬害エイズの被害者は600人近くが亡くなった。今でも差別や生活の不安がある」と訴えた。福岡在住の瀬戸信一郎さん(ペンネーム)は「問題が忘れられることが不安だ。C型肝炎に重複感染して、肝硬変や肝がんで亡くなる人も相次いでいる」と指摘した。


 主催団体の一つ「エイズと人権を考える会」の事務局長を務める徳田靖之弁護士は、大分県内の元原告で、和解直後の96年10月に44歳で亡くなった草伏村生(くさ・ぶせ・むら・お)さんの活動を振り返り、「草伏さんから教わったのは、生きるとはどういうことか、闘うことが困難を切り開くということ。それを語り継ぎたい」と話した。

当日は80~90人が集まり、「人間同士の魂が触れ合い、触発される」「薬害エイズの支援方法のノウハウを次のハンセン、薬害肝炎支援者作りに活かしていく」という大阪の人々の熱い思い、温かい心に触れ合い、嬉しく思いました。
ありがとう、大分!!草伏さんの熱い魂!!

記事のソース http://mytown.asahi.com/oita/news.php?k_id=45000000603270004

薬副作用、被害者の3割「仕事やめた」 医薬品機構調査

2006-04-05 00:34:51 | 薬害エイズに関する情報

2006年04月03日11時48分づけの朝日新聞によると、薬副作用、被害者の3割が仕事をやめざるを得ない状況に追い込まれているそうです。

 医薬品の副作用によって健康被害を受けた人の3割近くが仕事を辞めていることが、独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」の初めての患者実態調査でわかった。就労や介護など、患者本人だけでなく家族にも重い負担がのしかかっている実態が浮かび上がった。

 調査は、医薬品副作用被害救済制度にもとづき、医療費や障害年金などを受給している人を対象に昨年8月~11月に実施。744人から回答を得た。

 健康被害に遭った年齢は、最も多いのが50代で18.8%、次いで60代(17.6%)、30代(15.1%)、40代(12.4%)の順で、30~50代が半数近くを占めた。健康被害の内容は、皮膚障害(37.5%)、視力障害(25.5%)、薬物性肝障害(23.3%)などが上位を占めた。

 健康被害の影響(複数回答)では、「収入が減った」が30.5%でもっとも多く、以下、「仕事を辞めた」(27.7%)、「欠勤するようになった」(22%)の順。家族への影響では、患者の介護などを理由に収入の減少や欠勤を挙げる人がいずれも2割を超えた。

 世帯全体の収入への影響は、「減った」と答えた人が6割を占め、「8割以上減った」と答えた人も7.4%いた。「減らなかった」と答えた人は25.7%だった。

 現在も治療行為を受けている人は全体の41%で治療を終えた人は36.3%だった。過去1年間に入院、通院した人が支払った月平均費用は、交通費が約6000円、医療費の自己負担約1万2000円、保険外治療費約6000円などで、月ごとの出費は約3万6000円に上った。

コメント 医薬品の副作用による深刻な健康被害は、被害者にもその家族にも大きな社会的・経済的重荷となっていることが明らかになりました。医薬品による副作用を完璧に無くすことは無理かもしれませんが、被害の放置・拡散を二度と起こして欲しくない、万が一被害が生じたら誠実かつ迅速に十分な対処・支援をして欲しい・・・というのが薬害被害者の心です。

一人でも多くの人たちが安心できる補償制度になっているのか、少しずつ改善が必要でしょう。

記事のソースです http://www.asahi.com/health/news/TKY200604030059.html


きょうだいもまた薬害の被害者であった

2006-04-01 02:42:58 | 薬害エイズに関する情報

幼い頃から血友病も含めて「子供だからまだ分からないから」と、きょうだいに「本当の病気・症状を隠していた」「十分説明していなかった」場合、そのきょうだいが真実を知り、親子関係にひびが生じる場合があります。

 一方、(知らないうちに何となく気づいていた=暗黙の病気認識であっても)病に苦しむきょうだいや看病に走り回る親を見て、自然に援助的スタンスを取るきょうだいたちも少なくはありません。もしかすると親子間の隠し事のない・プラス思考のコミュニケーションが関係しているのかもしれません。

しかしその底には「(小さな頃から~特に日和見感染症が生じてからは)お兄ちゃんばかり可愛がる、気にかける」「自分のことは二の次、三の次だ」「寂しくても誰も気づいてくれない、助けてくれない」などの思いを抱え続け、きょうだいの死と共に様々な問題が噴出してくる場合もあります。心の痛手を修復するために数年かかることもあります。

反面、落ち込む親を心優しく励まし、愚痴の聞き役になり、家族の立ち直りに貢献するきょうだいもかなりいるのではないでしょうか。

いずれにせよ、きょうだいの心理面にも踏み込んだ調査研究は初めてではないでしょうか。


残された妻たちの思い

2006-04-01 02:29:38 | 薬害エイズに関する情報

夫への無告知ゆえ感染してしまった二次感染の妻たちは、「大人である夫にも私にも何故黙っていたのか? 何故誤ろうとしないのか?」と今でも疑問と怒りを感じています。

幸い二次感染しなかった妻(遺族)も「何故夫にも私にも黙っていたのか?」というモヤモヤしたものがあります。

夫が「きちんとした独立した社会人」だったがゆえに「夫の血友病医療を夫本人任せにしてしまった」(今も昔も多いパターンです)という自責の念(自分がもっと関わって、危険情報などに真剣に取り組んだり疑問を言ったりしていれば・・・という自責の念です)に今でもさいなまれる妻は少なくありません。

  病状悪化に伴う壮絶な看病体験の強烈なトラウマ体験もあるでしょう。

 同じ遺族同士が会合に出席しても、(例えば母親の立場の遺族から)「あなたはまだ生きているからいいわね」「母親の苦しみはあなたたちには分からないわよ(それはそうなのですが・・・)」「血友病の子供を育てる苦労・苦しみの何が分かるの?」と言われる辛さ、悲しみを受ける妻もいるようです。

固有の苦しみは現在進行形。それを癒してくれる存在があるといいのですが・・・といつも思っています。