前の記事と重なる部分もありますが、補足する意味で我慢して呼んでみてください。
1) 抗HIV 薬を長期間内服している患者で、リポアトロフィーと呼ばれる体脂肪の分布異常(腹部内臓脂肪の増加と、手足・顔面の皮下脂肪の減少)が生ずることがあります。
2) 明確な原因は不明ですが、脂肪細胞のミトコンドリアDNA 量の減少が認められることから、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)のミトコンドリアDNA ポリメラーゼγ 活性阻害が一因と推測されています(難しいですね)。
3) d4T の使用者でリポアトロフィーの頻度が高いことはこの仮説と符合しますが、PI(プロテアーゼ阻害剤)の使用との関連も示唆されています。
4) HAART 開始後数ヶ月ほど経てから徐々に明らかとなり、報告・定義により異なりますが25~75%の症例に発症するとされます。
5) 高度のリポアトロフィー例は頬のこけた特有の顔貌を呈し、美容上の観点から患者には苦痛となります(「えらくげっそり痩せたじゃないか。悪い病気があるのでは?」「スカートやノースリーブのシャツを着ると、えらく細くなったね、静脈が浮かび上がって見えるよ・・などと言われるので着るのを避けています」など他人から色々言われますからね)。
6) d4T をABC(アバカビル=ザイアジェン) またはAZT に変更することで、他覚的にも自覚的にもリポアトロフィーが改善するという報告もあり、リポアトロフィー症状が特に強い場合ではNRTI(ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤)の変更を考慮したほうがいいという考え方もあります。専門医によく相談してみてください。ただしその場合、今度は新しい薬の副作用が出てくる可能性があります。
1) 抗HIV 薬を長期間内服している患者で、リポアトロフィーと呼ばれる体脂肪の分布異常(腹部内臓脂肪の増加と、手足・顔面の皮下脂肪の減少)が生ずることがあります。
2) 明確な原因は不明ですが、脂肪細胞のミトコンドリアDNA 量の減少が認められることから、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)のミトコンドリアDNA ポリメラーゼγ 活性阻害が一因と推測されています(難しいですね)。
3) d4T の使用者でリポアトロフィーの頻度が高いことはこの仮説と符合しますが、PI(プロテアーゼ阻害剤)の使用との関連も示唆されています。
4) HAART 開始後数ヶ月ほど経てから徐々に明らかとなり、報告・定義により異なりますが25~75%の症例に発症するとされます。
5) 高度のリポアトロフィー例は頬のこけた特有の顔貌を呈し、美容上の観点から患者には苦痛となります(「えらくげっそり痩せたじゃないか。悪い病気があるのでは?」「スカートやノースリーブのシャツを着ると、えらく細くなったね、静脈が浮かび上がって見えるよ・・などと言われるので着るのを避けています」など他人から色々言われますからね)。
6) d4T をABC(アバカビル=ザイアジェン) またはAZT に変更することで、他覚的にも自覚的にもリポアトロフィーが改善するという報告もあり、リポアトロフィー症状が特に強い場合ではNRTI(ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤)の変更を考慮したほうがいいという考え方もあります。専門医によく相談してみてください。ただしその場合、今度は新しい薬の副作用が出てくる可能性があります。