薬害エイズを忘れない!

1500名の被害者を出した薬害エイズ事件が一応の終結を見て早10年。「薬害エイズってなあに?」と言う若者が増えています

新しいインターフェロン治療 リバビリンってどんな薬?

2005-11-19 10:24:29 | C型肝炎治療情報
リバビリンとはどんな薬ですか?

 リバビリン Ribavirinは、実は1972年にWitkowskiらによって風邪などに効果のある抗ウイルス薬として報告された昔からある薬で、プリンヌクレオシドアナログ(プリン骨格をもつ核酸アナログ=核酸構造類似体)です。プリンヌクレオシドは核酸で、アナログとは類似体のことです(らしいです)。DNAウイルスやRNAウイルスに広範囲に抗ウイルス活性を示します(in vitro=試験管の中では)。以前からインフルエンザなどの呼吸器感染症、腎症候性出血熱、ヘルペス感染症、ラッサ熱、麻疹、AIDS(HIV感染症)等のウイルスによる病気に使われてきました(全く知りませんでした)。

 リバビリンは内服の抗ウイルス剤(白色のカプセル剤、200mg/C)です。「リバビリン」は一般名で、商品名は「レベトール(REBETOL)」といい、シェリング・プラウ社から販売されています。

 服用すると腸管(小腸)で吸収され、内服後1~2時間で血中濃度が最大になります。連日投与すると1ヶ月程度でピークになるようですが、このピーク値は人それぞれで違うようです。最近この投与1ヶ月後(4週後)のリバビリンの血中濃度の高低が慢性C型肝炎の治療の効果の高低を決めるポイントになることが言われているそうです。リバビリンやその代謝産物は腎臓から排泄されます。なお、食事はリバビリンの吸収を遅らせ、制酸剤は吸収を抑えると言われています。

 血液中や体内のあちこちの組織にかなり長くとどまります。とくに重要なのは、赤血球中に入り込んで血球を破壊する性質があるということです。これは溶血性貧血の副作用にもつながります。インターフェロン、ペグインターフェロン自体にも血球減少という副作用があるので、必ず血液検査を受け続けて監視することが重要です。

 リバビリン単独服用では抗HCV効果はほとんどありません!! C型肝炎治療ではリバビリンはあくまでインターフェロン・ペグインターフェロンの治療効果を高めるための「名脇役」なのです。

        

新しいインターフェロン治療 ペグ・インターフェロン&リバビリン併用療法とは?

2005-11-19 10:10:11 | C型肝炎治療情報
ペグインターフェロン・リバビリン併用療法とはどんな治療法ですか?

 ペグインターフェロンは、従来型インターフェロンに「PEGペグ」(ポリエチレングリコールという体に無害な高分子の物質で、これをインターフェロンに結合することで、インターフェロンの体内での持続時間が延長します)という物質を結合させ、安定したインターフェロンの血中濃度を維持し、週1回の注射で優れた効果が得られるように作られた新しいインターフェロン製剤です。

 ペグインターフェロンとリバビリンとの併用療法により、従来のインターフェロン療法では効果の低かったウイルス遺伝子型ジェノタイプ1型(日本人感染者の7割は1a型と言われ、従来型インターフェロン単独治療では「著効率」が10%未満と言われていました)かつウイルス量の多い患者さんにも高い治療効果が期待できます。
 ペグインターフェロン・リバビリン併用療法は、現在C型慢性肝炎の国際的な標準的治療法となっています。

 現在、国内においてリバビリンとの併用療法が可能なペグインターフェロン製剤はペグインターフェロンα-2b(商品名ペグイントロン)です。このペグインターフェロンα-2b・リバビリン併用療法では体重別に薬の用量を設定することにより、患者さんの体格に応じて生じる効果や副作用発現の程度の差をできるだけなくすことを目指しています。(日本で最初に認可されたペグインターフェロン製剤はペグインターフェロンα-2a=商品名ペガシスですが、残念ながらリバビリン(商品名レベトール)との併用療法としては認められていませんでした。しかしようやく併用可能なリバビリン製剤が開発販売されたようです)

http://www.nlm.nih.gov/medlineplus/druginfo/uspdi/202509.html